見出し画像

「フォルトゥナの瞳」を見た(ネタバレあり)

フォルトゥナの瞳という、死ぬ運命にある人が透けて見えるという特殊能力を持った青年が、大切だと思える人に出会い、その人が透けて見えた時にどうするのか葛藤する姿を映画いた物語だ。

配役が最高!

主役の神木隆之介、相手役の有村架純、主人公である木山慎之助の親代わりの役である、時透三郎と斉藤由貴それぞれが、本当にハマり役で違和感が全く感じられない配役だと感じた。

神木隆之介も、木山慎之介が子供の時に飛行機事故で両親を亡くし、現場でも人を救えなかったことをトラウマとして抱えているという、どこか弱々しいところをとても繊細に演じていた。また、桐生葵と付き合い始めたところからの、少し自分自身に自信が出てきた雰囲気の出し方なども細かいところながら、うまさを感じた。

有村架純も、恋人の桐生葵という控えめな感じのキャラクターを、本当に自然に演じていて好感が持てた。また、実は最後に有村架純でなければいけなかった理由がわかるのだが、これにはとても驚いた。

時任三郎も、勤務先の社長兼主人公の親代わりという役にピッタリという感じだった。非常にいい感じで歳を重ねたという印象で、本当に厳しさの中にも優しさが滲み出てくる父親なら、彼の右に出る人はいないのではないだろうか。

斉藤由貴は、これも相変わらず全く違和感なく母親(代わり)の役をごく自然に演じていた。店長指名されたけれど、戸惑いを感じている時にかけた言葉や、彼女ができたかもしれない時の鎌をかけるところなど、本当の母親らしい台詞回しに上手さを感じた。いや〜、この人の引き出しはどのくらいあるのだろうか。本当に彼女ほど色々な役に自然に対応できる役者さんで他にいないのではないだろうか。見ていて安心感が半端ない。

ストーリーも捻りが効いてて良かった

このお話、特殊能力がありながら、過去に人を救えなかったというトラウマを持つ青年が、大切に思える人と出会うことによって、人を救うために行動を起こすことを選択していくという、かなり王道の話だ。ただ、この話は実は2段階になっていて、いわゆるどんでん返し的な仕掛けがある。

個人的にも、途中うっすらと違和感を感じていたのだが、結局最後に種明かしをされるまでははっきりと気がつかなった。

ただ、話の展開としては、この2段階目の仕掛けがなくても話を終わらせることができたように思う。そこをあえて、この仕掛けを作ることで色々な伏線を回収しているので、これはあってよかったのではないかと思う


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?