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何もない部屋に、一人。

終わりも救いもない。あるのはただの記録。
2月13日、体調を崩した日の記録。

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何もない部屋に、一人。熱が出たときはいつもそうだ。真っ白な天井ばかりをみつめているとまるで死んでいるような気持ちになる。体の節々が痛み体は重くなり頭は枕に沈み込むばかり。

目を閉じて考え事をするようでしないあいまいな時間を過ごす。眠ろうとしても眠れないときもあるし、気づけば眠っているときもある。


カーテンの隙間から光が入ってくる。少しだけ見える空はよく見えないけど、いい天気そうだった。部屋の外との速度の違いを感じて世界から取り残されてしまったような感覚になる。

何もかもがなくなってしまったような欠落感がまぶたを重くする。文字を書いたり読んだりするのもすこしつらくて何もできなかった。


元気さや快活さも自分の中の大切な要素だけど、陰鬱さや儚さもまた大切な要素だ。良いことばかりが人生ではないのだと、全身で感じる。

「ひらやまさんって、明るい人ですよね。」と言われることがある。たしかに普段はよく笑うし明るい方なのだけど、そうじゃない一面もある。病気で弱っているときには、自分の弱い一面をまじまじと感じてしまう。圧倒的なリアリティを持って、自分の限界が迫ってくる。

何の学びも救いもない。現実では平気でそんな理不尽なことが起きる。未来は予測できないし過去はいつも後悔とともにある。何よりも不安定な今が常に自分に訴え続けてくる。


たぶん6時間は寝た。寝るために起きてまた寝てを繰り返していた。気怠さが抜けない。死ぬ直前の気怠さがあらとしたらこんな感じなんだろうなと呟いた。

夜少しだけ外を歩いた。マフラーがいらないくらいの暖かさであることをそのとき初めて知った。寝て起きて外が真っ暗だと不思議な気持ちになる。失ってしまった時間はどうにもならないから、考えることをやめた。


心配をしてくれた人からのコメントは本当に嬉しかった。言葉の内容以上にコメントしてくれて気にかけてくれる姿勢そのものが、ありがたかった。

翌朝が今日より少しだけ良くなることを祈りながら、永く目を閉じた。

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前に書いた記録が残っていたので、そのまま公開してみました。noteに出す以外にも行く後のない文章がたまに生まれてしまうので、成仏させてあげたい。

いまはとても元気です。何をするにも健康な体が一番大事だなと思うので、手洗いうがいを丁寧にして、元気に生きてゆきたい所存です。


最後まで読んでいただきありがとうございます。