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豚ロースのステーキ なめこのビネガーソース

肉が食べたい

肉っていろいろあるけれど、「肉」喰いたいぜ、って時は僕の場合はステーキ的な、塊の肉が食べたい時が多い。だからスーパーに行って(できれば肉屋のほうが良いのだけれど)ステーキ用の肉を買う。牛肉ならベストだけれど、なかなかにいいお値段だし、鶏肉は結構ヘビロテする食材だから、一枚をステーキにして、って感じでもない。そこで重宝するのが豚肉。もちろん豚肉も結構ヘビロテするんだけど、鶏肉とはステーキ感が違う。なにより、絶妙な焼き加減が要求される、技術介入度の高さがいい。

豚肉はロゼに焼け

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牛肉はレアとかミディアムとかあるけれど、豚肉はロゼ一択。牛肉で言えばミディアムレアくらいの焼き加減で、肉全体に入る温度は60度~65度くらい。肉の色は鮮やかな赤からピンクになっていく途中の、ロゼカラーできっちり仕上げる。豚肉に限らず生体の肉には少なからず細菌が存在していて、牛肉などは表面のみとのことだが、豚肉は食肉内部にまで汚染されている可能性が高いとのことで、しっかりと加熱することが必要になる。とはいえ、加熱しすぎると肉の色は白くなり、パサついてまったく美味しくなくなってしまう。なのでロゼに仕上げるという繊細な技術が必須になってくるのだ。

であるからこそ、料理人としての腕が試されるわけで、つまり「おらワクワクすっぞ」というわけである。最高に仕上がった時はテンションが上がって、5分くらいは断面を眺めて悦に入ってしまうものだ。

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人によりメソッドが違うので、あくまで僕の場合。

肉はなるべく常温に戻しておき、両面に塩コショウを振る。
フライパンに置き、それから中火にかける。
じゅーって音がしてきてから30秒くらい焼いて裏返す。同様に30秒焼いたらフライパンから取り出して皿などに移して3分以上休ませる。
フライパンに戻して同じようにじゅーって状態を片面30秒ずつ焼き、また皿で休ませる
これを複数回繰り返す。

何回繰り返すかは、肉の状態によって変わってくる。分厚い肉なら回数は多くなるし、薄い肉ならすぐ仕上がる。部位によっても肉質が違うので当然変わってくる。仕上がっているかどうかは、基本的には肉の声を聴いて判断するしかないのだが、まだ肉の声が聞こえないという方は、串などを肉に横から水平に差し込んで、中心部の温度を確かめる、という方法がある。差し込んだ串を下唇に押し当てて、温かいと感じたなら大丈夫。でも食中毒には十分気を付けて欲しいので、心配ならちょっとアッツいと感じるくらいまで加熱すればもう大丈夫だ。

まだ切るな

焼きあがったからと言って焦ってはいけない。ここで切ってしまうと、まだ落ち着いていない肉汁が切り口から脱走してしまう。こいつらは絶対に逃がしてはならない。こいつらは旨味だ。純粋な旨味だ。こいつらを逃がしてしまうことほど愚かなことは、この地球上にはないといっても過言ではないのだから。

5分以上は休ませて、肉汁を安定させる。肉汁は加熱によって細胞膜から抜け出すが、温度が下がってくるにしたがってとどまってくれる。科学的にも説明できるはずなのだが、僕には無理なようだ。残念。

ともあれ、すぐに切らずに5分以上休ませること。この間に、ソースを作ろう。

なめこのビネガーソース

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よくあるキノコのマリネの応用なのだが、なめこに含まれる粘り成分のムチンのおかげで、素材に絡まりやすいソースとなる。なので味付けは控えめで十分美味しい。

作り方

フライパンに以前記事にしたガーリックオイルを入れて弱火にかける

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そこに石附を取ってほぐしたなめこを入れて炒める。

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全体に油が回ったら白ワイン、白ワインビネガー少々を入れて炒める。目的は、白ワインのアルコール分と酸味を飛ばして香りと甘みを残すことと、ビネガーの強すぎる酸味を加熱によってマイルドにし、フルーティな香りと発酵食品ならではの深みを加えることの2点。炒めていると徐々になめこのぬめりが出てくる。

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これでソースの完成。

そうこうしているうちに、豚肉の肉汁も安定してくれる。このソースをかけて仕上げだ。

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火の入り方はまさにロゼ、完璧な仕上がりである。肉汁が逃げていないので、ジューシーで旨味にあふれ、なめこのソースによるキノコの香りがまた良い。ビネガーのほんのりとした酸味が効いていて、いくらでも食べられそうだ。ああ、うまい。だがこの断面

撮り忘れた

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