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簡単で美味しい最強のおつまみ「なめろう」

日本酒のお供にぴったりな逸品といえば、個人的には「なめろう」が絶対欠かせない存在。というか、日本酒好きの方であれば、好きなおつまみランキングで必ず上位に来るのではないだろうか。一般的になめろうといえば今が旬のアジであることが多いが、他にもサンマやイワシ、アオヤギやイカなどもなめろうとして食されることがある。それぞれの食材に合わせて使われる薬味や調味料にわずかな差はあれど、基本的には味噌をベースにしょうが、ミョウガ、ネギ、大葉などの薬味とともに、まな板の上で包丁で叩いて混ぜて作られる。

【材料】
アジやサンマなど適量
味噌
日本酒
薬味(ネギ、しょうが、ミョウガ、大葉などお好みで)

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作り方は至って簡単。材料を全部まな板の上に乗せて叩いてしまえばいいのだ。そんな簡単ななめろうだが、初心者が作るにあたっていくつかハードルがある。

第1のハードル

それは言うまでもなく魚の処理である。

3枚おろしは素人にはなかなかにハードルが高い。アジやサンマなどのなめろうに適した魚はお店でやってもらえないこともしばしばだし、そもそもこのアジは生食していいのかわからないし、それでも買って頑張ってやってみたものの、身の部分が全然残らなくなってしまった、なんてことになったり。僕も初めて挑戦した時は己の無力さに愕然としたものです。セイゴってなんだよ畜生

卸すという作業がハードルになるなら、卸さなければいいじゃない。

こんな仰々しく言うことでもないが、最初っから刺身とかタタキを買ってくれば問題は解決だ。はい終了。次。

第2のハードル

それは味噌

独身男性の一人暮らしにとって、味噌を買うというのは大変に優先順位が低いものではないだろうか。ほぼ毎日自炊する僕(洋食中心ではありますが)ですら、味噌が冷蔵庫にストックしてあることは稀で、たまに買うことはあっても、量が多いので使い切ることなく賞味期限を切らしてしまう。

だが味噌は必須だ。僕は過去にお店でウイスキーに合わせるなめろうを作るべく、味噌ではなくゴーダチーズを用いたこともあったが、それはすでにオリジナルであり、本来のなめろうにおいては味噌がなければ成立しない。一日の終わりにお酒がないのと同じだ。

材料の画像にすでに映り込んでいるので、とっくにネタバレ気味なのだが、いちいち大きなパックの味噌を買わなくても味噌はある。そう、即席みそ汁だ。小分けされているので一回ごと使い切りだし、出汁も入ってるから勝手に旨味アップしてくれるし、なめろうのせいで飲みすぎた翌日はそのまま飲めて大活躍するじゃないか。

中の具が気になる? そんなことはない。というか、味噌問題において即席みそ汁の具なんていうのはとても些細な問題であり、気にするレベルじゃない。男なら気にするな。女なら気になっても仕方ないけどスルーして、ね、お願い。

問題が解決したところで、改めて今回のレシピをご紹介します。

【材料】
スーパーで売ってるアジの刺身かタタキ
即席みそ汁
日本酒
薬味

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1.お好みの薬味をある程度みじん切りにしておく。ある程度で良いです。

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2.まな板にアジ、即席みそ汁、薬味を積み上げ、日本酒を振りかける。

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3.包丁で叩き、まとめて、叩き、まとめて、叩き、味見をして調整(味噌や塩、しょうゆなどでお好みに)、また叩き、まとめて、叩き、まとめて、を繰り返して、全体に粘りが出てまとまり、グルーヴが最高潮に達したら完成だ。

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器に盛り、日本酒とともにちびちびと味わえば、もう最高。これだけで日本酒が4合飲める。

あくまで基本のレシピなので、調味料や薬味などをアレンジして自分なりのなめろうを見つけるとさらに楽しくなってくる。アレンジをする際には、その料理がどういうものかを理解してしまえば簡単だ。今回のなめろうは、要するに

食材 + 調味料 + 薬味

という構造になっている。各パーツを常識に囚われずに入れ替えてみればよい。

例えば食材なら、アジやサンマなどの魚介類はもちろん、馬肉などでもいいだろうし、生肉でなく茹でたささみだっていいかも知れない。山芋やマッシュルームなどの野菜だってやってみなくちゃわからない。

調味料なら、みりん、砂糖、しょうゆ、酢などの和のものから、オイスターソース、バルサミコ酢、タバスコなど世界に目を向けるのも面白い。

薬味ならワサビ、唐辛子、ゆず、山椒、にんにく、青海苔、ゴマ、梅といった和のものから、ミント、ケッパー、バジル、クコの実、パクチーなど、目指すものがわかっていればなんでもアリだ。

各パーツの配分も、ほぼ味噌に薬味と魚が混ざってる、くらいのレシピもあれば、風味付け程度の調味料で薬味と魚の味を楽しませるレシピもある。簡単だからこそ、実に幅が広く、奥が深い。

ぜひ一度作ってみて欲しい。そうすれば、お店で食べるときにも違いが分かるようになるし、大将のこだわりや好みまで理解できるかもしれない。そうなれば、さらなる酒ライフが楽しくなること請け合いだ、と思うのである。

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