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マリノス2022年のJ1優勝

2022年のJ1リーグは、我が横浜F・マリノスが2019年以来、3シーズンぶり5度目の優勝を飾りました。優勝に手が届くところからの連敗もあって苦しみましたが、最後の2試合はマリノスらしいアタッキングフットボールで勝利し、最終的には最多得点、最小失点の文句なしの優勝と言えるでしょう。

今シーズンは昨シーズンの得点王・前田大然選手、J最強ディフェンダーのチアゴ・マルチンス選手という、攻守の柱を失ってのスタートでした。さらにコロナの影響でキャンプの予定を変更せざるを得なくなり、過密日程も合わさって序盤は苦しむかなと思っていました。

開幕時のnoteにも書きましたが、得点王が抜けても攻撃面はまったく心配していませんでした。マリノスは個に依存することなく、デザインされたゴールをチーム全体で奪いにいくスタイルです。19年から今年まで、4年連続でチームに3人の二桁ゴール選手が誕生していることからもわかるように、誰が出ても得点が奪えるアタッキングフットボールが根づいているからです。

一方、問題は守備でした。「マリノスのハイラインはチアゴありきの戦術」と言われたように、ディフェンスラインの背後の広大なスペースは、快足DFのチアゴ選手がカバー。彼の存在があってこその戦術であり、守り方の見直しが必要になります。

チアゴ選手の代わりに獲得したエドゥアルド選手の特徴は、チアゴ選手とはまったく違います。当初はマリノスの流動的なポジショニングとハイラインに戸惑っていて、ベンチ入りすらもできない時期がありました。

しかし、シーズン終盤になると見事にチームにフィットして、9月の月間MVPにも選ばれる活躍で、守備に安定感をもたらせました。エドゥアルド選手の努力はもちろん、これはマリノスがエドゥアルド選手を生かすように、守り方を変えた影響もあると思います。ハイプレスで奪えないとみると、すぐにラインを下げて、ボールの取り所を変えたことで、エドゥアルド選手の高さや強さが生きるようになりました。終盤にきて、ようやくチアゴ選手の穴が埋まったわけです。

また、ケビン・マスカット監督の手腕も光りました。前任のポステコグルー監督は、今やスコットランドリーグを制してCLでも指揮をとるヨーロッパでも注目される監督です。昨年、チームを引き継いだときには、前任者と比べて物足りなく感じるところもありましたが、キャンプからチームを率いた今年は違いました。

総力戦となるACL、長いリーグ戦を勝ち抜くためのマネジメントが見事で、シーズンを戦いながら戦力アップをはかり、ほぼすべての選手を戦力化。誰が出てもマリノスのサッカーを体現できるようになり、シーズンを通して安定した戦いができました。

マリノスは突出した選手がいるわけではなく、最後の最後までレギュラーも固定されていなかったので、Jリーグベスト11に選ばれる選手も少ないのでは?と思っています。個に依存しないどころか、レギュラーのみに依存しないところが、今年のチームの強さだったと言えるかもしれません。とにかくチーム全体、マリノスファミリーで勝ち獲った優勝であることは間違いありません。

シーズン中は苦しい思い、悔しい思いをすることもあったものの、クラブ創設30周年の記念すべき年にリーグ王者に返り咲き、最高の終わり方ができました。マリノスファミリーの皆さん、おめでとうございます&ありがとうございます。

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