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世界でもっとも優しい拷問の話

ゴールデンウィークが終わり、たっぷりリフレッシュしたから頑張るぞ!と張り切る方、次の大型連休はいつだ…と指折り数える方、5月の始まりは、人それぞれだと思います。進学、就職、転職など、4月から新たな環境に突入していた方は、世間的に五月病が心配される時期でもあります。

新しい環境に入ると、覚えなければいけないことがたくさんあります。1カ月働いて(学校に行って)少し慣れたところで連休が入り、リセットされてしまった!なんて方もいるかもしれません。

覚えたことがリセットされる。これは本人も大変かもしれませんが、実は教えた側も、リセットされるのはすごく大変だということを、今回は知ってもらいたいと思います。

さて、物騒な話で恐縮ですが、拷問の話をしていきます。拷問と聞いて思い浮かぶものはなんでしょうか? 電気椅子、火あぶり、水攻め……歴史的に残忍な拷問は数多くあります。その中で「世界でもっとも優しい」と言われる拷問があります。拷問なのに優しいってなんだよ!って思いますよね。

その拷問は中国の「滴水刑」というものです。罪人を椅子に座らせ頭を動かせないように固定。手で頭は触れない状態にして、頭の上に水滴を落とし続けるというものです(画像はイメージ)。

頭に水滴が落ちるだけでなぜ拷問なの?と思うでしょう。私も経験したことがないので、その効果はわかりませんが、文献によると罪人は水滴を落とし続けられることによって、体を虫が這うような感じがして精神を破壊されていく、また、延々と同じことが繰り返されることによって、気が狂ってしまうそうです。つまり、同じことを延々と繰り返されるのは、精神的に大きな苦痛になるということでしょう。

「同じことを繰り返される苦痛」

これは日常生活でも、無意識に誰もがやってしまっている場合があります。

たとえば新人に仕事のやり方を教えたとします。一度や二度は間違えるのも仕方ないとしても、何度言っても同じ間違いを繰り返したり、すぐに忘れてしまったりされると、教えた側としては結構辛いものがあります。毎日同じ指摘をしなければいけないとなると、言う側はかなり苦痛を感じます(言われてる側は覚えてないからその感覚がない)。これって、「滴水刑」の仕組みと似ていると思いませんか?

先輩や上司に「何度も同じことを言わせるよな」と怒られた経験がある方は、自分がダメージを受けているように見えて、実はその先輩や上司に対して「滴水刑」をしてしまっていた恐れがあるということです。同じ失敗が許されるのは二度までです。

この春から新社会人になった方は入社から1カ月が過ぎ、仕事が少しずつ本格化してくる頃だと思います。教わったことはしっかり学習して、指導してくれる先輩を拷問しないようにしましょう。

では最後に仕事を覚えるコツ、同じミスを繰り返さないコツをお伝えしましょう。ポイントは、言われたことをただやるのではなく、言われたことを理解することです。

「言われたからその通りにやりました」ではなく、なぜこうするのか?という本質を理解すれば大事なこともわかるし、シチュエーションが変わっても応用が利きます。そうした意識がなく、言われたから言われたことをやっているだけだと、理解が深まっていかないので、同じ失敗を繰り返すのです。

これは仕事に限らず、趣味でも人付き合いでも同じだと思います。ゲームをやっていても、ミスをした原因を理解しないで繰り返していたら、同じミスをしますよね。それと同じです。本質を理解することが大事なんです。

世界でもっとも優しいとはいえ、拷問は拷問です。拷問をされて喜ぶ人はいません。新しい環境で5月を迎えている方は、人に「滴水刑」をしないように気をつけてください。

おわり。


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