ジーンとドライブ 家のもピュアです
このところ、日曜日のお出かけはない。大したお出かけはしていなかったけれど、ジーンにとっては唯一の休日である日曜日にずーっと家にいるのはやっぱり窮屈なようだ。
家で何をしているかと言うと、片付けをしたりしている。私から見れば右から左…左から右へとモノを動かしているだけのように見えるが、本人は至ってそのことに気づいてはいない。
家はAmazonプライムに入っている。宅配で買い物をする方だし、いいかな…?とお試しに入って見たのだが、音楽聞けるしビデオも見れるので解約せずまま加入中である。
ジーンはこういう新しめの道具に一瞬怯むようで、最初は見て見ぬふりだった。だが、こう自粛が長引いて家にいてもそろそろ飽きてきたジーンにとってはイイおもちゃになっている。
これまでに映画をいくつか見たが、今度は続き物のドラマを選択しだした。
今ハマってしまったのは「グッドドクター」である。
最初、少し前に日本版のドラマをしていた頃、私がビデオに録画して見ていたのを一緒になって見ていた。自閉症でサヴァン症候群の青年が、小児外科医として成長していく物語である。障害がある一方で特異稀な能力を持っている。そして何より自分の心に正直で素直だ。それを周りに忖度なく表に出していく様が興味深かったようだ。
その後、Amazonプライムでアメリカ版を見つけたジーンはすぐさまリストに保存した。毎晩仕事から帰ると一話づつ鑑賞した。
日本版と少し違った筋書きになっていた。でも、それをまたとても気に入った様子で見ていた。
そして、ついに韓国版を見つけたジーンは当たり前のようにリストに保存し見始めることになったのだ。私も知らないでいたのだが、韓国版が本家本元最初だったらしい。
私はと言うと、どうも乗り気がしないで見ていた。いつだったか一世風靡していた「冬のソナタ」とか…全く見ていなかったし、Kポップもあまり知らない。
実際、どうも感情表現の抑揚が激しすぎるように感じて、内容がすんなり入ってこないまま一話、二話と過ぎていった。
方や、ジーンは何だか知らないけど、どこの誰に感情移入しているのか、「ティッシュ…。」
と涙や鼻水を拭っている…。ほぼ毎話、こんな感じだ。
韓国版は20話ほどあって日本のドラマよりとても長い。それだからか、話の内容に色々な要素が散りばめられていて複雑だ。中には日本ではあり得ないんでは?という、犬と育てられ話せない子供の話もあった。
半分ほど見終わったころには、聞きなれない韓国語も、キャーとか大げさに叫ぶ様子も慣れてきて、純粋に見れるようになってきた。
結果的に韓国版が一番良かった…かもしれない。ジーンは聞かずとも、韓国版が一番のお気に入りだ。何なんだろう?面白い。
かつて主婦の心をわしづかみにした「冬のソナタ」もいいのだろうか?
兎に角、「グッドドクター」については、その青年がピュアすぎる。日本版にしてもアメリカ版にしてもピュアはピュアだけど、韓国版が断トツピュアだ。そのピュアな青年によって、最初はイケ好かなかった周りの人の心が解けていく様がこちらまで優しい気持ちになってくる。
文句言ったり、罵ったり、地位だとか名誉だとか、人のことを気にしていたりすることがアホらしく思える。もっと素直でいいのにと。世の中はそれほど甘くない。でも、彼はその厳しさを知り、受け入れつつ、そのピュアを貫いていく。彼にとってはそれしかできないのだけれど、その結果、周りを変えていく。もうあと三話になった…。
家のジーンも負けず劣らずピュアである。毎夜毎夜、ズルズルだ。心なしか近頃帰りが早いのは、続きが見たくて見たくて待ち遠しいからだと思う。
晩御飯の支度をする私を
「パリパリ!」
と唯一覚えた韓国語で急かしてくる。
腹立たしいけど笑っちゃうのである。
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