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【#64】親戚

翌日、父の遺骨をお墓に埋めにいった。
そこは父の父である祖父も
一緒に埋まっていた。

お墓を綺麗に掃除したあと
お墓の中を開けて
わたしが遺骨を土に埋めた。

そこが深くて下に落ちそうになった。
〇〇まで埋まったら洒落にならないよと
まわりは冗談まじりに話す。

やっと安心して家族一緒にいれるよ。
別の場所でお酒でも飲んでてね。
そんな気持ちで埋めた。

終わった後親戚一同でご飯を食べた。

父は姉がいて親戚とは全てその家族だ。
叔父さん叔母さん、わたしの従兄弟が3人。
中には結婚してる人もいてそのお相手の方も。

みんな青森で暮らしている。
東京で暮らしているのはわたし1人だけ。

これまでは父が一緒にいたからなんとなく
輪ができていたような気がするが
今となっては場違いな感覚だった。

わたしからすれば
幼い頃から皆さんの家族は仲良くしているし
楽しそうだった。

よそ者がいるから
そう見せているのかもしれないが
わたしの家族とは明らかに大違いだった。

その風景は羨ましさもありつつ
わたしとしては劣等感や罪悪感を
勝手に感じてしまうようになった。

これ以上皆さんに
迷惑をかけるようなことはしたくない。

優しくて素敵な方達だからこそ
強く思った。

辛くなったらいつでも帰っておいで。
いつもそう言ってくれる。

けど万が一帰ったとしても
わたしの中での疎外感は否めない。

違うんだなと感じてしまう。

わたしにとって親戚とは
近くで遠い存在なのだと思う。

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