ミクロ経済学入門 後編

5,貿易
日本、アメリカ、イギリスは、通常自由貿易を主張します。
その理由は簡単、自由主義国家だからなのですが、ほかにも理由はあります。
それは交易、貿易はお互いの国を豊かにするのです。
これは単純に個人間の取引、ここでは物々交換を考えてもらえばそれは確かだとわかる。
塩や砂糖、胡椒など、取引することによって、様々な利益を、得ることができるからです。

ここで説明したいのが、リカードの比較優位です。
更に貿易の良さを説明することができます。
例えばポルトガルが、布を生産するのに一単位90人、          ワインを一単位生産するのに80人として
イギリスが布に100人、ワインに120人必要とするとします。
ポルトガルはどちらの生産品についても、生産性が高く、
アダムスミスの言う絶対優位、一見両国は貿易の必要がないように見えます。
しかし2国間で貿易することにより、生産品について、
ポルトガルより、イギリスで低い時、、ポルトガルとの比較において、
イギリスはその生産品に比較優位を持つといいます。

まあ一言でいえば、貿易した方が、両国ともに得だということですね。
自給自足より、特化により、貿易した方が利益を得ます。

ってなわけで、自由貿易が推進されたわけです。この比較優位の改良版に、
ヘクシャー、オリーンモデルというのもあるので、頭の片隅に覚えておくと良い。
クルーグマン教授の新貿易理論、メリッツ博士の新新貿易理論も、
貿易の大切さを理解させてくれます。


一方保護貿易が主張される場合もあります。
まだ自国の産業が成熟していない場合、保護して
その経済的厚生を高めるべきというのがその主張です。
関税も多く入って、実はこちらの方が得だというわけなんですが、
TPPに見られるように、今は自由貿易の方が盛んです。

まっ、ここまで言ってなんですが、僕は保護貿易に賛成の立場です。
皆さんは学習してよく考えてみてくださいね。

6,成長理論と景気循環
1929年、世界は大恐慌に見舞われました。
その時期主流であったのが景気循環理論、波、波動に見られるRBCですね。
キチン、ジュグラー、クズネッツ、コンドラチェフなどいくつも波動はありますが、
それは( C 、U )、消費と供給のみを見据えた物であったため、 
いわゆる供給過多によるショックで、世界は大恐慌になってしまいました。


その後発明されたのが有名なソローの新古典派GDP=F(K,L)
Fは生産関数、Kは資本、Lは労働を土台に据えた理論で、
世界経済はある程度安定して成長してきました。

しかし、やはりたびたび恐慌が起こることも多く、
ポール・ローマーの新成長理論GDP=F(K,A,L)が生まれました。
Aはアイデアです。
これは完全に経済成長を安定させるもので、成長率と同じく例えられる
インフレにすることで、現代経済は順調に成長してきたのです。

インフレの主要理論にインフレターゲット、通称インタゲや
メニューコストがありますが、どちらも同じく経済成長を上昇させるのに使えます。
インフレは通常5~6%程度あり、インタゲはそれを3%台に抑えることで、
世界経済の安定に一役買ってきたのです。

7,ミクロ経済学その先へ
ミクロ経済学も進化し、今ではさまざまな理論に応用されています。
ゲーム理論もミクロのジャンルの一つです。
ノイマンが考案した、囚人のジレンマはあまりにも有名ですが、
政治家がよく使う公約はコミットメントとして知られていますし。
学生が履歴書に書く、職歴学歴はシグナリングとして知られています。
ほかにも餌と呼ばれるインセンティヴや、ふるい分け、スクリーニングも大事でしょう。

先日ノーベル経済学賞を受賞したデュフロ氏の開発経済学も、
ミクロ応用の分野です。発展途上国を援助し、経済波及、スピルオーバー
、数多くの経済新興国を生む。
貧しさに苦しむ人々を助けるのもミクロ経済学の立派な大義だと思います。

ミクロ経済学も面白い学問です。
企業や家計、市場のみならず、個人の行動もミクロで語れることは多いです。日常生活を細かく観察して、経済学で解説できるようにして、
ミクロもものにしてください。
要望があったらまた書きますよ!それではまたいつか!

あとはミクロマクロともに、無差別曲線が大事ですが、諸事情により今回は書きません。有名なテキストを参考に、確認しておいてください。

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