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非ゲーム属性のワーママ、ある日突然eスポーツ担当になる ~1年間のゲームライフを振り返る~

今の会社、GMOペパボに入って15年目になる私は、長らくPR・広告関連のプランニングに関わってきたので役割はあまり変わらないのですが、関わる案件は目まぐるしく変わります。

ちょっと前に担当していたのはハンドメイド。ミッキーかわいい。
minne作家がディズニーをテーマにしたハンドメイド作品を制作・販売

これが直近の私の仕事。ゲーム楽しい。
eスポーツ活性化支援 チーム・選手・ストリーマーの公募を開始

今年1年はeスポーツ支援に深く携わりました。
繊細な手仕事の世界から大きく転換し、アドレナリン出まくりのゲームの世界へ。

ペパボがeスポーツ支援を始めた発端はたいへん光栄なことにファミ通さんにも書いていただいたのでぜひ、読んでいただけたら嬉しいです。
ひとことで言うと「社長の一存」ではじまったこのプロジェクトが、活動1年を経て2年目の継続が決定したのめでたい!ということで、私の1年を、振り返ろうと思います。

降下してグレネードを手に入れた全裸Noobの私

思えば私のゲーム人生、小学生時代のツインファミコンから始まりました。初めて自分のお年玉で買ったソフトは「中山美穂のトキメキハイスクール」。(ゲームと電話でストーリーがリンクする、今考えるとすっごく画期的なゲームだったなあ。)通常の黄色とは違う青いディスクも特別感があって、大切にしていました。
4歳下の弟がゲーマーだったこともあって、その後もスーパーファミコン、メガドライブ、歴代プレイステーションは一通り家にあり、触れていたので、普通の子よりは恵まれたゲーム環境だった気がします。
現在も小学一年生の息子がやっているゲームで、たまにちょっと難しいステージをクリアしてあげて恩を売ったりできるレベルなのですが、スマブラはガチ負けします。小学生強い。

そんな私が突然eスポーツの世界に飛び込むとどうなるか、皆さん想像がつくでしょうか。
「日本にいてみんなが日本語で会話しているのになぜか内容が全く入ってこない」
という異常事態発生。

R6S募@1

うん、文字化けしてるね。大丈夫?

安置外でキルしてくるやつ何なの

死体安置所的なやつか…な…?何だか物騒。

確殺は義務教育。

中学までにそんなこと習わなかったし、「殺」の字が際立って物騒。

わからなすぎてヤベえ。詰んだ、完全に詰んだ。
PUBGで喩えるならば初期スキンでポチンキ降りみたいな状態。

そんな時に翻訳者として颯爽と登場したのがファミ通の記事にも登場していた下田くんです(ある界隈では下田Pと言うと伝わるでしょうか)。プロアスリートでありながら幼い頃からゲームが大好きで、ソシャゲからPCゲームまで割と網羅された知識を持っていた下田くんの力を借りながら、何とかeスポーツ業界のリサーチを進めていくことができました。

これが去年の秋口ぐらいの話です。

数ヶ月のリサーチの結果、ある程度の見識を持てた状態で下田くんと共に企画を練り、昨年のeスポーツ支援公募を開始しました。
当時はこういった公募が珍しかったことから、おかげさまで数十チームからご応募いただき、無事支援10チームが決定しました。

ポチンキで何とかグレだけ拾って試しに投げてみたら爆音聞きつけて人が集まってきた!みたいな状態ですね。うれしかったなあ。(…ムリヤリ喩えるのツラいですねこれ。)

集まってくれたのはeスポーツ業界の方々ばかりでなく、ペパボ社内からも「スプラはランクXいってまして」とか「ぷよぷよ関東5位でした」とか「仕事と寝る時間以外は全部PUBGやってます」とか、どこから湧いて出たの?というぐらいスタッフが声をかけてくれました。
自身の取り組みに対して社内からあんなに反応もらったの、15年ペパボにいますが、入社して間もなく「IT企業広報界の歌姫(ディーバ)爆誕!」ってエイプリルフールのウソ企画で自分のデモ曲作って音楽ニュースサイトに取り上げられた黒歴史以来!!初の白歴史だーーー!
これ以降今日まで、社内にいる数十人のゲーマーがブレーンとして協力してくれていて、感謝しかありません。
本当に本当にありがとう!!それから、みんなと一緒にゲームができて楽しい!!!

チームや選手と接して感じた圧倒的既視感

この公募がきっかけで業界のさまざまな方と縁がつながり、直接お話をしたり聞いたりする機会ができたのも大きな成果でした。DetonatioN Gamingの梅崎さん、戦国ゲーミングの岩元さん、AXIZの佐々木さん・岡本さん、DETONATORの江尻さん、JUPITERの西原さん・みずイロさん、父ノ背中のけんきさん、キャスターのシンイチロォさん、業界アナリストの但木さん、それからそれから…とここには到底書ききれませんが、eスポーツ業界のみなさんの、さまざまな視点のeスポーツを体感できたことは大きな財産です。きっと1年で100人はお会いしたと思います。
お話しする機会をくださったみなさま、ありがとうございます。また色々ご一緒できたら嬉しいです!

そして少しの間eスポーツ界隈に身を置いて感じた、素人なりの既視感がありました。
15年前まで働いていたモータースポーツ業界と、つい最近まで関わっていたハンドメイド業界、eスポーツ業界と似ているところが割とある!

モータースポーツで言うと資金力のあるチームはどんどん強くなり、逆にお金のないチームは実力があってもなかなか勝てない状況とか、「ただ手を動かしてるだけなんだからスポーツ名乗るのおかしくない?」って言われる問題とか。

ハンドメイド作家さんが抱く、ファン作りの苦悩とか本業が忙しくて作品作りに打ち込めない問題とか。

あーあーあーあーこれ見たことあるー聞いたことあるーーーというツラい既視感で目と耳を覆いたくなることもしばしば。

でも、eスポーツは車のようにバカ高い道具がいらないし、免許がいらないからプレイするだけなら年齢も制限されない。家に居ながらにして一流のプロのプレイをリアルタイムで観ることもできる。たまに一緒に遊べることもある!!
あれ、eスポーツ最高では?

全裸クソNoobだった私も、うっわ、eスポーツめちゃくちゃいいじゃん!というのを肌で感じることができるまでには成長しました。

モータースポーツもハンドメイドもeスポーツも、どれもプロが研鑽し続けることでファンが楽しめる世界、似ているところもあるし、それぞれの魅力もある。これからは他ジャンルから来たプロNoobとして、他業界のノウハウもフルに活かしていきたい所存です。

1年を経ての総括 ―「信頼できる大人」になりたい

ペパボのeスポーツ支援は、チームや選手、ストリーマーの方が自活、自走してやりたいゲームを思い切り楽しめる、打ち込める生活基盤づくりをお手伝いしたいです。

鹿児島ユナイテッドFCやアビスパ福岡のスポンサードをしているように、金銭的スポンサードはもちろん不可能ではないのですが、ゲーム界隈の業種ではないだけに、残念ながらeスポーツに継続的スポンサーとして参入する広告価値を現在は見出すことができていません。そのような状況なので、一過性の金銭的サポートよりも、まずは各チーム、選手、ストリーマーのみなさんを長く下支えしていける道を選びました。
長く、共にファンを熱狂させられるしくみ作りをしていきたいです。

審査により支援内容は異なりますが、公式サイトを開設するためのレンタルサーバー・独自ドメイン費用、公式ショップ開設・運営ツールなどを無償で提供します。
公式サイトで自身が活躍する模様を発信し、ショップでのグッズ販売で収益を得る、そんな活動を応援します。
こういった形のサポートを歓迎してくださるみなさま、ぜひご応募ください!

2020年度GMOペパボeスポーツ支援 応募フォーム

まだまだeスポーツに触れて1年経ったばかりの私ですが、次の1年は個人的に小さな目標ができました。
炎上や不祥事が目立ってしまうことも多いこの業界で、「この人なら信じてもいいかな」と思ってもらえる大人になれるといいなと思っています。支援するチームや選手、ストリーマーの方々が困ったときに、ダメ元であいつに相談してみるか…と少しだけでも思ってもらえる存在になれたらいいな。

この支援が実り、いつしかスポンサーとしても参入できるようになりますように、というのも私の目標です。
あとはPUBGmobileでは安置外で死なないようにしたいです。切実。

2020年も、どうぞよろしくお願いします!

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