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関係人口となれるまちの数の上限。そして会社にとって「どこでやるか」の意味【鎌倉に会社を移転して考えたこと】

この8月、会社を鎌倉に移転した。

そもそもの話を先にすると、私は米国西海岸のポートランドに居住している。そして会社は日本にあり、日本で事業をしている。そしてメンバーも国内外にいるためほぼリモートの会社だ。事業は、竹のトイレットペーパーの定期便サービスと、コンポストのメディア。いわゆる環境、サスティナブル領域で事業を展開している。

形態をお聞きになった方は、どこに置いてもいっしょだろ、と思うだろう。そう言われることも承知だ。そして、都市部には私たちのような形態のためのシェアオフィスは点在するし、登記用に住所と1チェアだけを貸している事業者も少なくはない。競争が激しい都内は、価格だって安くなる。連携できるパートナーとなる会社も多いのは都内だろう。よって、経営的な効率性を考えればオフィスの場所は都内という選択になる。

けれど、その選択はしなかった。神奈川県の鎌倉市に拠点を置くことにした。

会社はどこでやるかが大事な時代になっている。サスティナブル事業領域は特に。

私は会社はどこでやるか、はとても大事だと思っている(もちろん、どこに住むかもだけど)。インターネット全盛期は終わりを迎え、これからは生産製造、土地、自然と、どんな業種も切り離せないことは明白だ。

とりわけ私たちが事業を展開している「サスティナブル」「環境保全」という領域においては、2年間やってきたが、企業だけが孤軍奮闘しても変化を起こすことは難しく、コミュニティや自治体(行政)、生活者と三位一体で協力していかなければ間に合わないし、変わらない、ということを確信している。

さらにサスティナブルというテーマを進める上では、やはり守りたい、一緒に何かしたい、大事なひとがいること。これはモチベーションの原点になる。だからそういう場所を選びたい。

そうした時に、私の候補となる土地は、2箇所だった。

生まれ育った富山。
もうひとつは大人になってからいちばん長く住んだまち、鎌倉。

逆に言えば、それ以外の選択肢はなかった。それは、人が関係できるまち、つまり関係人口でなれるまちは最大3つまでだと思うからだ。ただ納税するような形ではなく、そのまちに日常的に思いを馳せたり、よくなって欲しいと何かしらの活動に加担するような関わり方をするならの話だ。そして、もちろん、地方活性化や行政に関連する事業などを生業としている人の場合は、関われるまちの数はこの限りではない。

関係人口になれるまちは3つまで

関係人口についてちょっと書くと、ふるさと納税、出身者、二拠点、仕事場がある・・・など、関わり方はいろいろだが、みんなまとめて「関係人口」と呼ばれる。関係人口は、さも日本の総人口とは関係なく無限に数を増やせるようなマジックワードで、自治体は定住人口だけではなく関係人口の増加も模索しているのが昨今だ。が、そこにも上限はあるのではないか。

ひとり3ヶ所。それぐらいが適正だと思えてきた。日本の労働人口と未来を作る人口が1億人だとして、3億人を取り合いしていると仮定すると、1800自治体があるから、割ってみると16万/自治体。人数としては程よい数に落ち着き良い塩梅。別の視点で見ると、定住人口の3倍以上関係人口をもつ自治体は多いと言えるかもしれないし、3倍以下だともう少し頑張ろう、という風に考えられるかもしれない。つらつら書いたが、関係人口になれるまちは3つまで、が現在の持論だったりする。

そして鎌倉に決めた理由

私の話に戻すと、まずポートランドは住んでいる暮らしの場所として、まちと関わりを持っている。そして、富山。今も成長戦略会議のウェルビーイングの委員をしていたりと、ポートランドにいながらにして、仕事を中心に関わる機会をいただいている。最後は鎌倉。こどもたちが生まれ育ったまちでもあり、大事な友人や知人、大好きなレストランやお店がたくさんあり、まちを歩けば知り合いに会い、今も帰国すると必ず過ごす場所だ。

今回の移転では、共同創業者も鎌倉に長く住んでいて、私たちはそこで会ったことから共通の場として鎌倉に決めた。

ちなみに決め手となったのは、春に帰国時に訪れたシェアオフィスが良かったからだ。関係案内所「はつひので」という鎌倉・材木座に古くからある「日の出屋商店」という商店の跡地を預かり、まちのひとの交差点となること、そしてそこに集まってきた人が、新しい何かを生み出していくことを目指して運営されている。鎌倉の佐助で、共同ファームを運営していたり、「循環を、つくろう。」をビジョンにしている私たちとしては、運営者であるななみさんとコウヘイさんと場所のあり方が、ひととまちの循環を志しているようで共感する部分があり、ここに置かせてもらうことにした。

というわけで、鎌倉のみなさん、こんにちは。

やりたいことは?と問われたら、
鎌倉のまちから、循環をつくっていきたい。これに限る。

私たちの今のキーワードは「竹」「コンポスト」「トイレットペーパー」だ。何かご一緒できそうな方はぜひご一緒しませんか?あと「コミュニティ・コンポスト」の実現と、個人的には「コンポスト・フェス」やりたいなぁと思っている。

そして、こんにちは、のご挨拶に、私たちの会社おかえり株式会社 から、鎌倉のまちの皆さんにバンブーロールを贈ることにした。

鎌倉で店舗、カフェ・レストラン、シェアオフィス、宿を運営する事業者の皆さんに、竹トイレットペーパー「BambooRoll」を引越のご挨拶に1箱ずつプレゼントさせてください(100拠点分まで用意しています)。

お店のトイレに設置していただけると嬉しいし、おともだちにプレゼントしてもらうのもウェルカム。

詳細はこちらをどうぞ。

もしバンブーロールを販売したいという方がいたら、フェローストアという卸販売の仕組みもありますので、そちらを覗いてみてください。

鎌倉のみなさま、これからどうぞよろしくお願いいたします!


関連リンクを最後に。
おかえり株式会社のコーポレートサイト https://okaeri.company/

竹のトイレットペーパーの定期便BambooRoll

コンポストマガジン

はつひので


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