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住居は箱ではなく、人間関係のHUB。移住と住まいの選び方。

2019年に鎌倉からポートランドに引っ越したのを始まりとして、2020年、2021年と毎年夏に引っ越しをしている。理由は毎回異なれど、3年連続で3回引っ越しをするのは、決して引っ越し好きではない私にとっては、なかなか難儀だ。

学区や仕事を優先して引っ越しをする時、もっとも大事な要件は何はさておき間取りではないか。家族のライフステージに合わせた最適な住居空間をいかにつくるかが引っ越しの家族会議のテーマになる。

が、住む街を変えた時、いわゆる移住というものの時、それは国内外問わず、住居の果たす役割は拡張する。住居は家族にとっての箱ではなく、街との、人間関係の起点となるからだ。はじめての街に住む時、いかに住居を選ぶか?という話を、この2年の3回の引越しから忘れないうちに書いておく(賃貸での話)。

初めて住む街での住居選びのマイルールと、実際の引越し経験でわかった住居の探し方(ポートランド編)だ。

初めて住む街での住居選び 2つのマイルール

①人間関係が住んでるだけで生まれる場所を選ぶ

初めて住む街の時、じっくりと関係を紡いでいる知り合いはいないことの方が多い。下手すれば誰もいない。我が家は偶然に4階建てのアパートに住むことになったが、今思えばこの選択が、最初にポートランドで暮らしの基盤をつくる上で功を奏した。

共有スペースがあり、いつもマネジメントオフィスにマネージャーが常駐していた。そこに話に来る住民とコミュニケーションの機会が生まれ、マネージャーは出かける時、帰宅した時に声を必ずかけてくれた。

マネジメントオフィスのあるアパートの場合、部屋の設備の故障などは住居者だけがログインできるメンバーページで「メンテナンスリクエスト」を送ると翌日には見に来てくれる。エントランスに置かれた宅配物も時には部屋の前までスタッフの方が持ってきてくれる(米国はほとんどの不動産がオンラインでメンテナンスリクエスト/家賃支払いができる)。

我が家は家族住まいだったから、選択にはなかったけど、単身の場合にはシェアアパートを選ぶのもひとつだと思う。知らない街にひとり(家族)で乗り込むのは、実に心細いものだ。私も今だから言うけど、2年前はかなり不安だった。住まいは人間関係を自然と紡いでくれる装置になる。

②交通と生活の便利さを重視

アメリカの場合、最初はクレジットカードもつくれない。つまりはクレジットカードで買いたい、ちょっと高額なものは買えない。いくら以上が高額というかは人によって異なるだろうが、移動手段となる自転車や車はその対象だろう。つくれても上限が1万円とか、笑える。それだけ信用がゼロに等しいということだ。となると、公共交通機関や自分の足が大事な移動手段となる。信じられるのは自分の足だけ。だから、最初は交通の便がよい場所、つまりライフラインとなるスーパーマーケットなどへのアクセスが良いことはとても重要になる。日本国内移住であっても、ひとまず免許を取得し何かしら移動手段を手に入れるか、でも前述の人間関係のことも考えて、最初は人里離れたは避けるほうが賢明ではないかと個人的には思っている。

住居の探し方(米国ポートランド編)

我が家は1回目の引越しは、とても幸運で知り合い家族が日本に帰国するタイミングでスイッチしてもらって得ることができた。これは参考にならないいかもれいないが・・・私は知らない街への移住の時は「知り合いをつくること」「人とのつながりをつくること」がいちばん大事だと自分の体験からも思っている。

2回目、3回目は自力で探したので、この3回でわかったことを備忘録としてまとめておく。

①移住の場合は、一度は試住に来て住まいのエリア候補を吟味しておく

ポートランドと言っても広い。市街地だけでもSE,SW,NE,NWと4エリアがあり、SEの中だけでも環境はまったく異なる。海外移住の場合には何度も現地にいけないわけでオンラインで物件を決定するだろう。学校やオフィスなど決まっている生活圏の中でだいたいの場所の目星はつけておくのがよいと思う。

②契約期間は、必ず確認しておこう。痛い目にあうぞ!

最初の物件は、1年縛りを選ぶと解約金も高く、オンラインで決める場合にはリスキーだ。月ごとの更新の方が、いざ住んでみて問題があったときに移りいやすい。一方で年縛りの場合には1年間とりあえず住む場所を確保できる安心感はある。ただ、我が家の3回目の引越しは1年縛りだったにも関わらず、年度の途中で「売りたい」というオーナーの意向で追い出される事態に陥ったので、、、こればかりはなんとも言えない(3ヶ月の猶予は与えられた)。ポートランドのように地価があがっている地域に越す場合には「売る意思はない?」と聞いておくべきだと、今回知った。じゃないと我が家のように1年で引っ越しする羽目になる。

②物件探しはオンラインサイトで!

私が主に使ったサイトはこの3つ。

言わずと知れたCraigslist。何を探すにもまずはここ。あまりにも古いサイトでOGPすら表示されないけど、上はリンク(笑)

https://www.zillow.com/portland-or/

最終的には2回ともここにお世話になった Zillow 。そして、trulia

条件やエリアを登録しておくと、新規物件が出たらすぐ通知が来る。そこからは取りあいだ。

③気になる物件があったら、見学など悠長なことを言わずにapply。

これが日本との違いで、最初戸惑って、こっちの友人たちに教えてもらったことだ。新規物件が出て、これは良さそうだ!と思ったら、まずは申し込む。だいたいビザや収入チェックがあるので、一緒に住む大人は全員がひとりずつアプライをしなければならない(同居人として紐づけられる)。

その後審査がありオーナーが良しと思った人から順にオファーが来る。それから下見をして、気に入ったら改めて申し込みをして確定する。

ゆえに、数件同時にアプライをするのだが、その都度、ひとり3000円前後のアプライフィーがかかるのだから、それだけでもいい商売だなと思う(人気物件だと1時間で数名の申し込みが入っているから)。

この仕組みがわからない最初の引越しは数物件を逃した。律儀に日本のように、見学希望をメールしてみてから、、、なんて考えていたから。今年の引越しは、とりあえずすぐに申し込みを済ませ、1軒目で確定させることができて、2年で成長したもんだ!と自分で自分を褒めたくなった(笑)。

④おまけ。引越し屋からダンボールはもらえない。ダンボールは買うもの。

日本では引越し屋さんがダンボールをくれるものだったと記憶している。引越し業者を決めたところで、ダンボールは届かなかった(苦笑)。Homedepotや引越し屋さん、Amazonで必要なだけ購入する必要がある。まあそれがわりと高いのだ。ベースメントが広いので、もちろん前回の分を保管してあったし、大きめで使えそうだぞ!というダンボールは保存している。

いったんここまで。

あー、これからまた引っ越しの準備をしなければならない。今度の家は3年ぐらいは住みたいものだ。いまだ昨年引っ越した時の段ボールでまだ開けていないものが数個あるのだから。



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