マガジンのカバー画像

みずたまPublicRelationsラボ●○

12
その時々に日本国内のパブリック・リレーションズの関係者と一緒に考えたいテーマについて綴っています。 byみずたまラボラトリー https://www.mztm.company/
運営しているクリエイター

記事一覧

恋愛体質のひとは、広報に向いているかもしれない。その5つの共通項。

広報PRの育成や組織づくりをお手伝いしているときに、よく広報の仕事を恋愛にたとえて話していることに最近気づいた。私は、広報に必要な特性は、恋愛体質の人が持つ特性とちょっと似ていると思っている。 「広報に必要な特性」と「恋愛体質の特徴」との共通項は5つだ(2024年3月現在の私の仮説)。 とにかく、恋に落ちやすい恋愛体質の代名詞みたいなコピーになったが、これこそ、広報に必須の素養ではないかと思っている。なぜなら社内にあるさまざまな情報だったり、リリース予定の新プロダクトだった

スタートアップの広報に必要なスキルを考える【フェーズ別】2024年版

ここ近年、スタートアップが上場を急ぐことなく、早期上場よりも確実に成長をという傾向が高まっている。市場の不透明感、変動の激しさもあれば、一方で、上場せずとも資金を集められるようになっているという背景に起因しているという。このスタートアップの環境変化から、2024年のスタートア ップ広報に求められるスキルも変化してきたと感じている。 ちなみに私自身は広報を20年ぐらい生業としており、スタートアップ広報の支援、顧問などもやっているものです。 というわけで、2024年版・フェー

広報はひとの心に「存在感」を醸成する仕事。

「ステークスホルダーと企業の間に中長期にわたって良好な関係性を構築すること」というのが、一般的に定義されている企業広報におけるゴールだと認識している。 前回の「広報の資質」に関する記事でちょっとだけ触れたのだけど、最近、私は広報の仕事は「相手の中に存在感を醸成する仕事」と伝えるようにしてる。 「どんな」存在感か。その「どんな」の部分がいわゆる「ブランドイメージ」などと称されるものではあるが、それは広報活動の結果として相手が抱くものであり、の複雑極まりなく未来が不確定で、消

「広報の資質ってなんですか?」よく問われる質問の解を考えてみた。

スタートアップ/ベンチャー広報の採用や育成に関わる機会をしばしばいただく。そんな時、幾度となく話題になるのが「広報の資質」みたいな話。人変わりゆくもので、固定観念というものに縛られるべきではないと、つい昨日とある人間関係で実感したばかりだし、「資質」だけで論じることはしたくない。ただよく聞かれるから一度は書いておこうと思う。 広報ってなんぞや?という話がその上段にはあるわけだけど、そこはここでは割愛させていただき(数多ある書籍に委ねるとして)2022年の私の見解を残しておく

この自然は未来にあるのか?環境課題への取り組みは、社会への責任。【Public Relationsと気候変動】

いま住んでいるポートランドの近くにはマウント・フッドというオレゴン を象徴する山がある。富士山に少しだけ似た3400メートルの山だ。市街地から車で1時間ちょっとという近さで、夏はキャンプやトレイル、冬はウィンタースポーツを楽しむことができる。 日本の各地にも素晴らしい自然があり、春はさまざまな動植物の息吹を、夏には深緑を、秋には紅葉を、そして冬には雪景色を楽しむことができるだろう。が、日本とは少し異なる景色がこのマウントフッド周辺の山々にはある。 それは地球の気候変動、つ

スタートアップ広報は自分の言葉を見失うことがある。私が取り戻した方法。

ここ1ヶ月家の事が忙しいことを理由に更新が空いてしまっていたnote。年初に毎月1本は必ず(可能なら2週間に1本)必ずnoteを更新すると決めたのに!いや、ギリギリ守れている(前回の更新は10月だった)。この記事にはその決意のワケを書きたい。noteは、私に自分の言葉を取り戻させてくれた。 共感が深く長くなるほどに、自分の言葉を見失った私は26歳の時から10年間、ひとつのベンチャー企業で広報をやっていた。そのあと独立し、スタートアップのPR支援を事業とする会社をつくった。が

原点回帰?ニュースレター型メディアに見るメールを使ったコミュニケーションの可能性。

昨年からメールを使ったコミュニケーション、つまりメルマガ、ニュースレターに注目をしている。きっかけはnoteでも何回か紹介している、ポートランドの地元のスーパーNewSesonsMarketからのメールに出会ったことだった。 事例はこちらに書いているので興味があればどうぞ。 ここでも紹介したサンクス・ギビングの休業のお知らせ、COVID−19への対策など、お知らせであっても型にはまるものではなく、自分たちの方針や考え方を明確に提示してくる。お客様に迎合することはなく、でも

これからは「愛される企業」ではなく「愛することができる企業」に。

エーリッヒ・フロムの「愛するということ」という名著がある。 冒頭も冒頭、1ページ目に、愛に飢えているにも関わらず、能動的に学ぶ人がいない状況を生み出す理由について たいていの人は愛の問題を、愛するという問題、愛する能力の問題としてではなく、愛されるという問題として捉えている。つまり、人びとにとって重要なのは、どうすれば愛されるか、どうすれば愛される人間になれるか、ということなのだ。 と述べられている。 そうだ、そうなのだ。「愛されること」が目標になってしまうのは、人の

これからのPRパーソンに求められること。繋がり(コミュニティ)の質と意義の見直しと再構築。

先日、久しぶりにPRのイベントに参加した。参加したイベントはこちら。 25,000人もの人が視聴し、みんなでこれからの時代のPRを考える2時間半を過ごす、という貴重な体験をさせてもらった(主催のPR Tableのみなさん、ありがとうございました)。 イベントのレポートは上がると思うのでそこで話された事は置いておいて、このイベントを迎えるにあたり、私なりに考えたことを備忘録として2回に分けて綴っておきたい(一部イベントの中でも話したこともある)。 1回目のテーマは「繋がり

COVID–19時の企業ステートメントに見る、これからのパブリックコミュニケーション

新型コロナウィルスは多くの企業に何らかしらの影響を与えている。 在宅勤務への移行、それに伴う仕組みの整備といったMUSTで優先される社内事項の話はここではしない。企業として外部に発信された、新型コロナウィルスに対する企業の姿勢や考えを伝えるステートメントの事例をいくつか紹介したい。久しぶりのPR視点の記事であり、私の琴線に触れた個人的なピックアップだ。 移住して顧客とのコミュニケーションの在り方を再考した米国に移住して、企業や店舗が休業日に出す顧客へのお知らせのコミュニケ

社会における「政治」(官)と「企業」(民)と「メディア」の役割ってなんだっけ?備忘録

先日こちらのPRのカンファレンスに参加して考えたこと、話したことを備忘録として残しておきたい。 2点あり、そのひとつめはこちらにまとめた。 https://note.com/kayom/n/n83880cd78623 私がこれをしたい、ではなく彼らのためにやる。Giveの精神から始まる繋がりだ。これが「コミュニティ」の本来のあり方だったよな、と改めて思ったのだった。 PRパーソンが個人、事業、そして企業と何かの繋がりをつくる時、その主体のためではなく、社会のため、見え

鎌倉御成の「おえかき氷」に見た、ローカルイベントの抑えるべきツボ

昨日、鎌倉御成通りのぼんぼり祭り。 台風一過によるあまりの暑さ、そして我が家は長男のピアノの発表会があり、完全に出遅れ。夕涼みに少し見に行こうかなと思っていたところ、Facebookでこの投稿が。 これ知ってる!ポスター貼ってあった。これ↓ その時は「ふーん」ぐらいだったのだけど、なんとなくこのFacebookポストに熱量を感じて夫を誘う。 「面白そうじゃん」 だよね! そもそもカヤックがやってたんだね(わたしカヤック子会社の代表やっています。が、知らなかったw)。