2021/07/31 『無名』を再読

やっと落ち着いて本を読む気になったはいいが、視力の低下。
文庫本はほぼあきらめているこの頃、電子書籍が一番だが、単行本並みに高いものも多いので、そうそうたくさんは買えない。
単行本を図書館で借りる。
ところがこの単行本も、モノによっては、なかなか辛くなってきた。
構わずなんでも読めたころはよかったな、と思っても仕方がない、こぼれたミルクを嘆くより、残ったミルクを味わおう。

少し前から再読したいと思っていた沢木耕太郎著『無名』。

昔読んだのも図書館で借りてだったはずで、今回もそうしたが、これが読みにくくてかなり苦労した。
内容は難しくなく読みやすいのだ、そうではなく、字が小さく明朝体が薄いと感じるのは著者や出版社のせいではなく、私の都合です。

父上のことを書いた、味わいのある本で、あまり読んだ本のことを覚えていない私も、この本は印象深かったようで、断片的ではあるが覚えている。
父上だけではなく、周りの人へのやさしい眼差しにあふれていて、希代のノンフィクション作家はまた、人間観察でも一流の目を持っているのだなと思った。

残念ながら電子書籍にはなっていないが、是非してもらいたい。
その時はきっと買って再々読したい。