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「不登校がわからない」というひとの質問に答えてみた。

先日、とあるコミュニティで不登校の話になった。そのコミュニティで少数ながら不登校の子の親がいたこと、我が家の子どもたち3人ともが不登校であることからそんな話題に。

不登校ってどうしてなるの?そもそも不登校ってどういう状態?という質問は、おそるおそる発せられた感じだったけれど、私は全然嫌じゃなかったし、傷ついたりもしなかった。

理解しよう、理解したいって気持ちは嬉しいし、ありがたい。

でも、「全然実状が知られていないんだなあ」という悔しさは、いつも感じる。知らないひとは知らない。けれど、子どもは誰でも不登校になる可能性がある。知っておくのは大切だと思う。

なので、「不登校を知らないひと」に向けて、よくもらう質問への答えを書いてみようと思う。

<目次>
「不登校ってどうやってなるの?」
「どうやって学校に行かせない選択ができたの?」
「子どもの「行きたくない」をどうして信じられたの?」
「不登校ってどうやったら防げるの?」
「勉強はどうするの?」
「子どもの将来が怖くない?」
「知らないから知りたい」は暖かい

*どの質問にも「我が家の場合」で答えています。

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◆「不登校ってどうやってなるの?」

息子①はわかりやすく倒れました。リンゴ病、風邪、軽い盲腸などを立て続けにして…でも治ったころに「すごいだるい、つらい」と布団から起き上がれなくなりました。

3才からサッカーをしていて、一日中外で走り回っている子だったので、異常事態だとすぐにわかりました。そのまま登校することはできなくなりました。

◆「どうやって学校に行かせない選択ができたの?」

息子①は起きられなくて行ける状態になかったです。小児科から小児神経科、心療内科、児童精神科といくつも回って、3ヶ月後にやっと「起立性調節障害」の診断が下りました。

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、思春期前後の小児に多く見られ、起立時にめまい、動悸、失神などが起きる自律神経の機能失調です。(中略)例えば、めまい、動悸、失神のほか、疲れやすい、腹痛、吐き気、嘔吐、頭痛、胸痛、食欲不振、朝起きられないなどの症状がよく見られます。 社会福祉法人恩賜財団済生会サイトより

娘も朝起きられなくて、検査したら軽めの起立性調節障害の診断が下りました。「学校に行かない」と選択したというよりも、「行けない」ということを受け入れた、という方が近いです。

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◆「子どもの「行きたくない」をどうして信じられたの?」

息子①が「だるい、起きられない」と言ったと話すと、相手の方からはよく「怠けていると思わずに信じられたのがすごい。自分なら無理やり起こしちゃう」と言われることが多いです。

なぜでしょう、私はすとん、と信じました。「この子が起きられないというなら起きられないのだ、この子がだるいというのなら相当だるいのだ」

息子②の時はまた様子が違って、朝起きぬけから憂鬱、のろのろ用意してランドセルを背負ったら、身体が硬直するようになりました。緊張している見た目だけでなく、触れても身体に異常に力が入っていて、カチコチなのがわかりました。

「どうする?行ける?」と聞くと、カチコチの顔に涙を一筋流しました。「今日は休んでね、行っちゃだめだよ」と話すと、少しずつ少しずつ力が抜けていく、毎日その繰り返し。見るからに異常事態でした。

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◆「不登校ってどうやったら防げるの?」

これは簡単には答えられないけれど、我が家に限って言えば「防ぎようがなかった」と考えています。

頑張り屋の子どもが心身に負荷をかけて過ごした結果、病気になって倒れたわけですが、前もって無理にでも「家に居なさい」と言えたか?というと、それは難しかった、と思います。

先を見通すのはほんとうに難しい。

子どもそれぞれの性質が、学校の場でどんな負荷を受けるのか?は千差万別で、推しはかることも難しいです。また、ストレスがどのタイミングでかかるか?も大きな違いを生みますし、予測不可能だと思います。

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◆「勉強はどうするの?」

「家でできることをする」がすべてです。この「できること」には、「まずは起きられるようになる」とか「笑えるようになる」とか「ゲームを楽しめるようになる」とかが入ります。

これらができて初めて、「家でできる勉強をする」の段階に入れます。病気やストレスで体力がほんとうに削られているので、「できること」と「やりたいこと」の中からも、優先順位を厳密につける必要があります。

我が家は最優先は漢字と算数、数学。これは学校でやっているように、ドリルや問題集を、参考書を見ながら自力で読み解きます。親のサポートが結構要ります。

理科と社会は教科書を離れて自由な発想でチャレンジしています。図鑑を読む、テレビで聞いた言葉を調べる、国会中継を見て議論する、興味のある記事をシェアする、など。

子どもそれぞれの好奇心のアンテナや興味の持ち方に合わせて、学び方をカスタマイズするのでたいへんと言えばたいへん、楽しいと言えば楽しくてやりがいがあります。

「ホームスクール」や「ホームエデュケーション」という言葉が広まっています。そこから得た方法や考え方は参考になりますし、心強いです。

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◆「子どもの将来が怖くない?」

怖くないわけないです。なによりも子ども自身が怖がっています。「みんなができることができない」というのは、子どもの心に常にのしかかっている恐怖です。それでも学校には行けない。

ただ、私自身はもともと「みんなと同じことをやっていても幸せになれるとは限らない」と考えて生きてきたので、「周りと違う」ことについてはそれほど不安になりません。

学校に行くことを最優先にして、体力気力に負荷をかけ、日々を笑って過ごせないのなら、学校には行かなくていいから笑って暮らそう、と思います。笑って暮らし、好きなこと得意なことを伸ばす生活の先に、必ず良い未来があると信じています。

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◆「知らないから知りたい」は暖かい

例えば、「お子さん、そろそろ下校じゃないですか?」とか尋ねられて、「うち不登校なので(^^♪」と答えると「すみません…」と言われることがよくあります。

大丈夫なんです。謝らないでください。

しばらく前に「不登校は不幸じゃない」というハッシュタグが流行りましたが、ほんとうにそう思います。だから、(不幸をつついてしまった、申し訳ない)とは思わなくて大丈夫です。ひとから「不幸だ」と思われる方が不幸です。

「私、不登校ってよくわからないんだけど訊いてもいい?」と質問された時私が感じるのは「ありがたい」という思いと「暖かさ」です。理解しようと手を差し伸べられるのは誰だって嬉しい。

だから、「どういうこと?」「どうしてそうなったの?」って、私は訊いてもらって大丈夫です。

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「かっかちゃんはぶっ飛んでるから」と子どもたちによく言われます。ぶっ飛んでる私だからこの答えかもしれません。たぶん汎用性はありませんが(笑)、参考までに。

最後まで読んでくださりありがとうございました!!


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