見て!触って!学ぶ!「生理カップ」イベントレポート~後編
インテグロ株式会社が主催する「大人の月経講座&はじめての生理カップワークショップ」レポート後編です!(前編はこちら)
軽食のお昼を挟んで午後は「生理カップ講座」です。テーブルに並べられていた生理カップの中からお気に入りを選んでひとりひとつ手に取ります。可愛らしい色と可愛らしい形、程よい弾力とやわらかさ…癖になります。皆さん手の中でコネコネ(笑)
インテグロの生理カップアドバイザー、木下さんの元気な声で始まりました。
講師 木下 綾乃さん
生理ケア&生理カップアドバイザー。水泳を3才から始め、約20年間泳ぎ続ける中で、2017年生理カップと出会い、生理中の過ごし方や生理に対する捉え方が大きく変わったと実感。女性がより快適で自由に過ごせる生理カップをサポートしたいと思うようになり、生理ケア&生理カップアドバイザーとして、アドバイスやワークショップを開催している。
講師 梅 つま子さん
フリーライター&ブロガー。2児の母。こころとからだと生活が明るくなるようなシンプルライフを目指し、家事・育児の合間にライター&ブロガーの仕事をしている。生理カップユーザー。
木下さん「生理カップについて私に語らせたら日が暮れてしまうので(笑)、今日は
生理カップのメリットトップ3
スムーズに挿入するためのカップの折り方
腟への入れ方練習!
お手入れの仕方
に絞って話します!
<生理カップのメリットトップ3>
これは、
⑴快適
⑵安心
⑶エコ&クリーン
⑴快適
12時間腟に入れっぱなしでも変質や菌の繁殖の心配がなく快適に過ごせます。やわらかいので使用中の違和感も少ないです。
今日ご用意しているスーパージェニーとエヴァカップは、医療用シリコン製です。アメリカ製で、アメリカの厚生労働省に当たるFDAの認可を受けており、外部からの熱、衝撃、摩擦に強く、変形しないとお墨付きです。
⑵安心
生理カップは子宮から体内に入ってしまうことは「ありません」。経血のニオイが「減ります」。トキシックショック症候群(TSS)の発生は「ほぼゼロ」です。
先ほどの月経講座でも聞いた通り、子宮口は腟の入り口から指が届く距離にあるひとが多いこと(個人差があります)、子宮口はしっかり締まっているので、生理カップが入り込んでしまったりはしません。
経血のニオイについては、これは空気に触れて雑菌が繁殖することでニオイが発生しています。さらにナプキンやタンポンは繊維質なので空気に触れやすく、菌も繁殖しやすくなっています。生理カップは経血を腟の中に閉じ込めているので、空気に触れず菌も繁殖せず、ニオイのストレスが軽減します。
TSSというのは、黄色ブドウ球菌と言う菌が繁殖して起こる命の危機がある急性疾患です。タンポン使用者に多いとされていますが、生理カップは?と調べてみたら、シリコン製のカップが発売されてから15年間で2件のみ報告がありました。
ただ、これはカップを入れたのを忘れて1週間経ってしまって発症、という例です。普通に使っていれば起こらない病気だと考えられます。安心してください。
⑶エコ&クリーン
生理カップを使うとナプキンを使わなくなります。使わないのでゴミになりません。環境にやさしいです。エコですね。
それとお財布にもエコです。カップは5千円くらいしますが、10年使えます。一方ナプキンを使っていると月に500~600円の出費をしていると統計があります。1年も使えば元が取れちゃいます。
女性は一生のうち生理で7年間出血しているそうです。そして一生で生理用品に30万円使っているとの統計もあり、長い目で見れば生理カップはお財布にとてもやさしいです。
一点デメリットがあるとすれば、「練習が必要」という点かなと思います。ということで、生理カップの使い方を学んでいきましょう!
<スムーズに挿入するためのカップの折り方>
こんな小さくてシンプルなカップですが、折り方は20種類くらいかな?あるんですよ。
初心者向けは二つ折りをずらして先端が細くできる”7ホールド”、もっと細いのは内側へ折りこむ”パンチダウンホールド”あたりかな。慣れてきたらばっちり二つ折りの”Cホールド”が楽かもしれません」
<腟への入れ方練習!>
梅さん「左手を膣に見立てて練習する方法を見つけたのでやってみましょう!お好きな折り方でスタンバイ!左手を輪にして…入りにくかったら水でカップを濡らすのも滑りがよくなるので◎です。
折ったまま入れたら腟の中で開くのが分かります。そうしたら、カップを1回転して、リム(縁)を腟壁に密着させます。折れたままうまく開かなかったら、一度引き出してやり直すのがいいかもです」
会場が盛り上がってきました。「引き出す時にこぼれないかしら?」という声に木下さんが「初めはお風呂場で挑戦するのがおすすめです!」とアドバイス。「カップにどのくらい経血が入っているのか気になりますが(笑)、初めはこぼしてもよいと思ってリラックスです」
「外出先での交換はうまくできるかな?」には「ナプキンを併用すると安心です。慣れてくるとウエットティッシュだけで事足りてしまいます」と梅さん。「慣れないうちは、カップは家の中だけ、外出時はナプキンと使い分けしても◎」
<お手入れの仕方>
梅さん「月に1回煮沸消毒をしましょう!他にこれと言った特別なお手入れは必要ありません。ちょっと面倒な気がしますが、月に1回10分ぐつぐつ!です。お鍋の中で浮き上がってくるので百均のミニ泡だて器の中にカップを入れて鍋に入れるのがいいです。浮いてこないし、そのまま乾かせるし◎」
わいわいと盛り上がる会場の空気のまま、閉会となりました。
閉会後はインテグロが扱う生理カップ(スーパージェニーとエヴァカップ)、ナプキン要らずのショーツ(エヴァウエア)、汚れがすぐ落ちるショーツ(ステインフリーショーツ)の販売があり、カラフルなカップを前にお気に入りをどれにしようかと悩む参加者…
私は10年使ったカップの後継者を探したくて参加したのですが、生理2日目くらいは子宮が下りてくる感じでカップのステム(持ち手)が腟の外に出る感触に悩んでいました。どのカップがいいかなあ…
生理カップのサイズはSMALLとLARGEの2種類。しかし、腟のサイズは体格とは関係なく個人差が大きいとのこと。初心者や若い女性はSMALL、出産経験があるひとはLARGEが目安とのこと。しかし、木下さんは「どちらも使っていますよ。経血量で使い分けています」とのこと。
悩みに悩んだけれど、カップを裏返して使える(裏技!)と聞いたので、スーパージェニーのLARGE、ティール(エメラルドグリーン?)を選びました。なんだか嬉しくてルンルン帰宅。まるでワンピースでも買ったような気分(笑)。そして開封。
ナプキンを「可愛いなー」と思うことはなかった気がするけれど、生理カップって可愛いんです。コロンとしてやわらかくて、弾力があって。ほぐほぐ手遊びしても壊れないし、いつまででも遊んでいられます。
ところが!練習に3日かかりました!後日談をどうぞ。
1日目:
生理ではないけれどやっぱり試してみたくって、お風呂に持ち込んで練習してみました。不安要素はこれまで使っていたカップよりも直径が1センチほど大きいこと。いやいやこのくらい大丈夫!と思うのと裏腹に、「がんばって買ったのに(やっぱりちょっと高いお買い物)、使えなかったらどうしよう?」
お風呂場でしゃがんでカップを畳んで腟に挿入。開いたカップをくるっと…あれれ?開かない!指で触れるとカップが畳まれたままだとわかります。一度引き出して、もう一度挿入!だめだ…開かない!
身体は正直です。不安と心配が腟周辺の筋肉を収縮させてしまったようです。これは日を改めて練習した方がよいと判断して、この日は終了しました。
2日目:
前回から1日空けて再チャレンジ!「大丈夫だよ!きっと!」と心の中で唱えながらトライしましたが、あえなく撃沈。中でカップが開くどころか、入れることもつらくなりました。どうにか入れた後、引き出せなくなった時はまさにパニック。断念しました。
2日目から3日目の間にやったこと:
以前のカップと新しいカップをとことん比べました。直径の違い、柔らかさ、長さ…このくらいの違いで入らなくなったり、取り出せなくなったりはしないことを、散々観察しました。
3日目:
「入らないはずはない。取り出せなくなるはずもない」と深呼吸。にゅっと挿入して、パカッと開いた感触、くるっと回す…できた!安堵!!これなら大丈夫!生理早く来い!(笑)
じめじめしない、からりと過ごせて快適な生理カップ。ぜひぜひおすすめです!
前編はこちら↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?