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わたしが帰る家

いまの自分はかりそめの自分である、という気が常にしていました。

それは私の人生に通奏低音のようにつきまとっていました。

何処に居ても、そこはほんとうの居場所ではないような気がしていたし、誰と一緒にいても、この人は私のほんとうの相手ではないような気がしていました。

ほんとうの居場所とは何処なんだろう?ほんとうの相手とは誰なんだろう?

ふらふらと漂泊する私は、根付く大地を失って危機的な状況にありました。


これはほんとうの自分ではない、かりそめの自分だと分かっていながら、その時はその人と、その場所で、その事をやっているしかありませんでした。

ほんとうの自分は、自分の身体からの遊離してお空の何処かを彷徨っていました。

ほんとうの自分を捕まえて、ほんとうの自分の本音の願いを聞きました。


ほんとうの私が望んでいたもの。

それは帰る家と私を愛してくれる家族がほしいという、ただ当たり前の幸せだったのでした。

私に帰る家と愛する家族をください、


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