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【うつ・AC】ダメンズたち

一般的に
子どもは親を内面化しているものです。
気づかないうちに親の人生をなぞっている
ことがあります。
特に異性の親はパートナーとリンクしている
ことがあります。


私は幼少期から
不安定な親の感情の面倒をみてきた
典型的なアダルトチルドレンでしたから、
対人関係において人から甘えられたり
親的な役割を荷なうことを
自覚なく無意識にやっていました。

ですから、かつてのパートナーとの関係は
ぜんぶ共依存になっていたのです。
どこか弱い男を背負い込んでは潰れる
という事を繰り返していました。

つまり、みんなダメンズだったわけですが、
つい最近ふと思ったのです。

私のダメンズ遍歴の原型は、
父じゃないのかという事です。

二十歳のころ初めて付き合った彼氏は
まさにダメ男でした。
いま振り返ると二人の関係は
彼がわがままな息子で、私がお母さん役だったかもしれません。

だんだん増長してきて
手に負えなくなってきた彼は「女はバカ」発言までするようになりました。
そのあと彼の母親に会った時に、
なるほどと思いました。
自分の母親に対する怒りを
私にぶつけて来ていたのでした。

そのてん元夫は、
彼の母親との関係は良好で、
女性に対するリスペクトがありました。
おまけに一回り年上の包容力がある人でしたから、
私にとって夫であり、同時にお父さんであり、お母さんでもあるような有り難い存在でした。

彼は事業をしていたのですが、情があり過ぎるところが弱点でした。連鎖倒産に追い込まれ、取らなくてもいい他人の責任まで取ったり、自分と自分の家族を守りきれない優柔さがありました。

いまから十年前。
再婚相手の候補として考えていた人がいましたが、相手の行動や発言に
この人もしかしたらダメンズかも、
とその頃には心理学をやっていたおかげで
すぐに判別できるようになっていたから、
付き合う前にやめました。


最後に父です。
父は理不尽に切れやすい人でした。 
凄まじい怒りの人でしたが、それは祖父(父の父)によってずっとコントロールされてきた怒りだと察しがつきます。

父は仕事は祖父に言われた仕事に就き、周りから押し付けられた人と結婚し、相手に逃げられて離婚しました。
どこに自分の意志があるのでしょう。
私の母とお見合いで再婚して三人の子どもを持ちましたが、家の中と子どもに対する権限はことごとく母に奪われ、父は働くばかりで蚊帳の外に放り出された状態でした。

父が健康なこころと身体をもつ人だったら、離婚を選んだと思います。
心地悪くて母との結婚にとどまる事はできなかったでしょう。
晩年は半ば人生を諦めたような形で生きて死にました。

父は弱い立場に自分を置いていたのです。

養育者から支配とコントロールを受けてきた人は、他人からのコントロールも受け入れやすくなって、自分で人生の舵取りをすることを放棄するようになります。

常に誰かからコントロールされてきた父は、激しい怒りと虚無感、無力感があったでしょう。

父は仕事をしていた時だけは機嫌が良かったのですが、その事だけは幸いでした。
お酒を飲まないし遊びにも行かなかった父は、仕事が家庭からの唯一の逃げ場だったのかもしれません。

父は人生の満足感を知らないまま旅立ってしまいました。
生前に父と話したかったのだけど、もし今会えるとしたら言いたい事は何だろうと考えると、なんともやりきれない思いで一杯になります。


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