Kayoko I.

10年間の気ままな教員生活を経て 2024.09.01 FREE school &am…

Kayoko I.

10年間の気ままな教員生活を経て 2024.09.01 FREE school & IBASHO~ start ~

最近の記事

笑い話にするための挑戦記

「大人は自分が子どもだったことを忘れている」 いや、頭ではもちろん分かっているんです。 母親から産まれ、幼少期、思春期、そして青春っぽいことを経て、今の自分があることを。 ただ、歳を重ねると、どうしても「ルール」や「協調性」、「いい大人だから」といった言葉に縛られて、いつの間にか窮屈な生き方をしてしまったり、都合のいい人間になってしまったりする。 だけど、子どもは感情に素直で、とても“人間らしい”。 1歳の子育てをしていると、その人間らしさに感動すら覚える。自分でやり

    • 育つ記憶、刻まれた瞬間

      日常のささいな出来事は、すぐに記憶の彼方へと消えていく。しかし、心に深く刻まれた大切な思い出は、歳月とともに輝きを増し、重みを持つようになる。それを脳科学者の茂木健一郎氏は「過去は育つ」と表現している。 この季節にしか漂わない特有の香り。その濃厚で甘い香りをかぐたびに、大学時代に一人暮らしをしていた頃の出来事が鮮明によみがえる。あの大変だった日々、そして全力で恋愛をした経験も思い出す。どちらかというと苦しかったはずの思い出だが、時が経つにつれて、貴重な宝物のように思えるよう

      • 今の心境

        もうダメだと思う時でも、まだベストを尽くせる。 本当に限界なのか?まだやれることは残っていないか? ここまで頑張ってきた自分だからこそ、 最後まで持てる力を全部出し切りたい。 「未来」には、必ず希望がある。 さあ、今日も一日、がんばりましょうか

        • 嫉妬という感情との向き合い方

          最近、立命館大学の山本圭准教授が「嫉妬」について語る記事を読んだ。嫉妬という感情は、多くの人にとってネガティブなイメージを持たれているのではないか。私自身、嫉妬心を抱いたとき、自分を醜く感じ、恥ずかしさを覚え、可能な限りこの感情を誰にも見られないように隠してしまいたいと思う。 しかし、この記事を通じて、嫉妬は人間社会にとって無視できない感情であることを認識した。特に、現代の民主主義社会においては、嫉妬がどのように影響しているのかを考えることは重要なのかもしれない。 嫉妬と

        笑い話にするための挑戦記

          【読書ノート】どうして自分だけが

           人生には、自分で選ぶことはできない悲しい出来事が起きる。そのとき、「どうしてこんなに苦しまなければならないんだ」と思う。「どうして自分だけがこんな思いをしなければならないんだ」と。つらくて、苦しくて、心が痛い。  人間が痛みを感じる器官は神経。神経は「神を経る」と書くけど、まさに神様は痛みを通して私たちに大事なことを伝えている。人は、痛いと感じるからこそ、やり方を変えられる。また、筋肉痛のように、痛みを経ることで成長して前よりも強くなることができる。目には見えないけれど、

          【読書ノート】どうして自分だけが

          一番大事な人を一番ぞんざいに扱う矛盾

          『人間というのは不思議な生き物で、自分にとってどうでもいい人には気を遣うくせに、一番お世話になった人や一番自分を好きでいてくれる人、つまり、自分にとって一番大事な人を一番ぞんざいに扱う。』 たとえば、家族 理不尽なクレームを何度も言ってくるお客には時間をかけて丁寧に対応しているのに、母親がスマホの使い方を聞いてくると「前にも説明したやん」とか言いながら面倒くさそうに冷たく接してしまう。お客になら何度でも「こちらの説明が足りておらず申し訳ありません」と言えるのに、家族にはそ

          一番大事な人を一番ぞんざいに扱う矛盾

          【読書ノート】色あせた日常に彩りを取り戻す方法

          毎朝、同じ時間にスマートフォンのアラームが鳴る。無意識にオフにしても、5分後には再び鳴り響く。顔を洗って、朝ごはんを急いで食べると、もう仕事に遅れそうだ。慌てて家を飛び出すと、毎日すれ違う見知らぬ人たちも、同じようにせわしなく歩いている。一度も話したことはないが、顔はよく知っている。なんとも不思議な関係だ。 慌ただしさにただ押し流されるような日々。毎日が同じことの繰り返しで、まるで何かに追い立てられているように感じる。これがいつまで続くのだろうか。そんなことを考えると、気持

          【読書ノート】色あせた日常に彩りを取り戻す方法

          自己肯定感を見直す:本当の自分を知るための比較

          自己肯定感が高いことは、仕事や人間関係、そして人生全体に大きな利点をもたらす。教育現場でも、よく耳にするようになった「自己肯定感」という言葉。「自分を他人と比べることなく、ありのままの自分を肯定できる感覚」と説明されることが多いが、この定義にはあまり納得がいかなかった。 物体が二つあれば自然と比較が生まれるように、人は本当に他人と比べずに生きることができるのだろうか?こう考えるのは、私の自己肯定感が低いからか。「自分らしさを大切に」という言葉は私をさらに迷子にする。奇抜なフ

          自己肯定感を見直す:本当の自分を知るための比較

          進化をとめて生き残れ!

          楽しみにしていた本が届き、さっそく読み始めてみた。しかし、どうも期待していた内容とは少し違う。小難しい言葉が並び、まるで説教を受けているかのような気分だ。肩書のある偉い人たちのありがたいお言葉だからと、無理にでも読み進めようとしたが、途中からは流し読みになっている。心にモヤモヤとしたやり切れない気持ちが残る。活字で埋め尽くされたページから目をそらすと、ふと目に入った児童書に手が伸びた。大きな文字とカラフルなイラストが、まるで冷たい麦茶のように体に染み渡る。 ぱらぱらと見るだ

          進化をとめて生き残れ!

          学びをもっと自由に-スタディカフェ(自習室)とフリースクールの挑戦

          いまの時代、学生だけでなく社会に出てからも学び続けることが求められている。時代の変化に対応しながら、自身のスキルを更新する「Reskilling(学び直し)」が必要不可欠だ。 それにもかかわらず、大人が集中して勉強できる場所は意外と少ないように感じた。子どもがいる家で勉強するのはほぼ不可能だし、働き盛りの1人暮らしの家は休む場所としての機能を優先していることが多い。図書館に行けば、読書専用の注意書きが目に入り、休日は学生で溢れかえる。美味しいコーヒーでも飲みながら…と、カフ

          学びをもっと自由に-スタディカフェ(自習室)とフリースクールの挑戦

          【フリースクール】暑い夏のご挨拶-学校と教育委員会へ

          今週は、近隣の各学校と教育委員会へご挨拶回り。小回りがきくのがバイクのメリットだが、赤信号待ちでじりじりと太陽に焼かれていると、車の中で涼しそうにしている人たちが心底うらやましくなる…。 初めて行く場所もあり、道路の渋滞も考慮して、Googleマップが示す時間にさらに30分追加して出発。案の定、約束の時間より大幅に早く到着したので、まずバイクだけ校内にそっと停め、門から少し離れたところで時間が経つのを待つ。遅れるよりずっといいと自分に言い聞かせる。汗がどんどん噴き出してくる

          【フリースクール】暑い夏のご挨拶-学校と教育委員会へ

          【読書ノート】「ここじゃない世界に行きたかった 塩谷舞 著」を読んで③~ final ~

          本が集まる場所には思わぬ出あいがある。整理整頓された空間と静けさが漂う図書館。そこにある蔵書は、いわば膨大な時間と知識の蓄積で、そこにいるだけで、眠っている知性が覚醒してくる気がする。無数にある本の中から1冊を手に取る。それが自分にとっての「良書」となれば、それはもはや奇跡だ。デジタル本が主流になりつつあるが、やっぱり本は紙で読むのがいい。 これは、私が本に線を引きながら読む習慣があることが大きい。あとから見返したとき、その時の自分が共感したり、いいなと思った箇所が一目でわ

          【読書ノート】「ここじゃない世界に行きたかった 塩谷舞 著」を読んで③~ final ~

          【読書ノート】「ここじゃない世界に行きたかった 塩谷舞 著」を読んで②

          『“雨の多い街、ダブリン”-。  なんと心地よい響きだろう。雨は嫌われ者かもしれないが、雨がもたらす効果は潤いだけではない。雨のせいで多くの人が家の中でじっと時間を過ごし、頭の中で思考を巡らせているとしたら…それはとても魅力的だ。』  1924年以来100年ぶりに花の都で、パリ五輪が開催される。今日がなんと開会式らしい。フランスの首都パリとアイルランドの首都ダブリン。どちらも訪れたことがない場所だが、“美しい街並みパリ”と“雨の多い街ダブリン”を想像しながら、「私はダブリン

          【読書ノート】「ここじゃない世界に行きたかった 塩谷舞 著」を読んで②

          【読書ノート】「ここじゃない世界に行きたかった 塩谷舞 著」を読んで①

          毎月スタディカフェに置く新しい本を選ぶ。夫からは新書のベストセラーを頼まれるが、自分の心が躍らない本を買う気にはどうもなれない。とはいっても、お客様が読みたい本もきっとそういった本のはずで、最近の人気本と自分の興味をすり合わせていく。 ある日の朝、気になる記事はないかと新聞をぺらぺらめくっていると、塩谷舞著の「ここじゃない世界に行きたかった」(文藝春秋)が小さく紹介されていた。初版は2021年に発行されていて、文庫本が今年(2024年)の5月に発売されたらしい。本の紹介文と

          【読書ノート】「ここじゃない世界に行きたかった 塩谷舞 著」を読んで①