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アメリカだったら大問題!NTT社長のスピーチ

報道各社に公開された、NTTの澤田純社長の入社式での挨拶の記事にびっくりさせられました。もし、これが英語に翻訳されたならNTTがバッシングを受けるのは必須です。

問題発言1「私たちは女性と男性は違うと考えています。人間という意味ではもちろん一緒ですけれども、能力や特性の得意な分野が違うと思います」

女性と男性が違うといっている時点で、この会社に差別があることを示しています。男女で能力や特性の得意分野が違うという根拠は世界中どこを探してもありません。

例えば、AAMC、米国医科大学協会によると、2019年に医学部に在籍する46,878人の、50.5%が女性で、49.4%が男性、ほぼ同率です。

MIT、マサチューセッツ工科大学の学部生4,361人(2020年秋学期)の、52%が男性で48%が女性、ほぼ同率です。

つまり、医師やエンジニアになる特性は男女で差がありません

さらに、世界には女性総理、大統領、最高裁判事、CEOなど多く存在することから、リーダーになる特性にも男女差がないことがわかります。

しかも、社会的に女性と認識されていても、解剖学・生物学的には男性、男性として認識されていても、精神面は女性、あるいはトランジェンダー、トランスセックスという人もいます(詳しくはこちら)。アメリカではパスポートの性別を(X;未公開)にすることもできます。

私の友人夫婦の場合、両方ともトランスジェンダー、つまり、夫は解剖学的には女性、妻は解剖学的には男性です。彼らがこの発言を聞いたらどう思うでしょうか?

問題発言2「女性が得意な分野で男性も測定してしまうと、男性にとってはビハインドになりますし、逆に男性にとってのみ得意な分野で、女性が苦手な分野を強く評価してしまいますと、それは女性にとってはやはり難しい。女性には女性のよさ、男性には男性のよさがある」

そもそも性別の定義が曖昧なところで、女性の得意分野、男性の良さといっているところで論理的ではなく、偏見に基づいたスピーチであることが明らかです。

この発言の影の意味は、「女性はきめ細やかでよく気がつくが、論理的な考えが苦手」、「男性は気遣いは苦手でも大胆で論理的」といったところでしょうが、これを差別発言だと気づくことなく語っている時点で、グローバル企業のリーダー失格です。

さらに、社長自ら、「NTTは会社をあげてダブルスタンダードで査定をしている」と公言しているのです。

おそらく、最も嫌な思いをしているのは、NTTの女性役職者の方達だと思います。というのは、彼女たちがそのポジションを得たのは、「ジェンダーバイアスのおかげだ」と言われているのと同じだからです。

日本経済を牽引する皆さま、常識のアップデートをよろしくお願いします。

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