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我が子の英語教育

公立中学1年から英語の勉強を始め、コツコツ努力して(一応)英語を習得したものとして、我が子には早めに英語を学ぶ機会を与えたかった。
周りからはよく「せっかく英語話せるんだから、赤ちゃんのときからずーっと英語で話しかければいいじゃん!」などと言われたが、ネイティブスピーカーでない限りそれは難しいし、中途半端にそんなことをしたら何となく弊害がある気がする。ベビー英会話などに通わせる手もあったが、お値段を見るとちょっと気が引けた。

そんなわけで、特に何をするわけでもなく幼児期は終わってしまった。ただ、単なる私の好みでアメリカのティーン向けSitcomや海外ドラマはよく見せていたし、車中で聴く音楽も洋楽だった。お風呂に世界地図を貼って、「あの映画の舞台はここだよ」などと教えたりした。

8年ほど前から、私は自宅で小さな英語教室を運営している。フランチャイズで始めたが、いろいろあって個人経営となり、残ってくれた数人の子たちに引き続き英語を教えている。小2から長女も一緒に教え始めた。市販の英語教材を使って、読む・聞く・書く・話すを一通り教える。
週1で6年続けた今、その成果は…?

結論から言うと、やらないよりは遥かに良かった。
数年前から小学校から英語の授業を取り入れるようになったが、子どもたちから話を聞く限り、まだまだ遊びのレベルだ。ところが中学1年の英語の教科書を見ると、基本的な名詞や動詞は「小学校で学習した単語」とされ、改めて習う対象ではない。つまり小学校で遊びのような英語の授業を受けただけの子は、いきなりちんぷんかんぷんな単語を読める前提で授業を進められ、英語嫌いになる可能性が高い。そういう意味では、小学校のうちにある程度教えておいてよかった。
とは言え、週1で1時間教えたところで、英会話スクールのCMに出てくる子どもたちみたいには到底ならない。日本人の、ましてや母親が教えると、英語で発話は難しいのではないか。長女を含め、私が教えた子たちに関して言えば、リスニングが最も成果が出た。読みもかなり上達してきた。書く方は、スペリングを覚えるのが得意か苦手かで差が出る。また定型の文章は書けても、それをアレンジして自分の意見を書くのは難しい。

教える側の能力の問題もあるが、やはりひとつの言語を習得するのはとても難しいことなのだ。私も試行錯誤しながら、子どもたちの勉強の成果を見守ってきた。ひとつひとつの成果はとても小さいが、それを積み重ねていくと、ある時、「え?こんなの読めるの?」「もしかして、今の歌詞聴きとれた?」なんてことが出てくる。

試行錯誤と言ったが、結局は文法が一番手っ取り早いような気もしている。中学生の生徒さんには試験対策として学校の教科書を使ったレッスンもするが、やはり学校の教科書というのはよくできているのだ。教科書に書いてあることをひとつも落とさず3年間勉強すれば、かなりの実力になるだろう。
と言うわけで、我が子にチャンスを、と思っていた私だが、結局、40年前の自分と同じ地味な勉強法を薦めることになってしまった。
幸い、今のところ長女は英語が好きな科目だと言っている。基礎を学んだあとは、この「好き」を原動力に自分の勉強法を見つけていくだろう。


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