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タイの旅⑤バーンラックタイ【北の最果ての村で幻想の朝】

2017年の夏、移動中に機内紙を何気なく見ていて一枚の写真に釘付けになった。なだらかな茶畑の中に並ぶ中華風の建物。どうやらホテルらしい。ここはタイ?どうしても行ってみたい。色々調べていくと、そこはタイ北部メーホンソンから更に北上したミャンマー国境にある村だと分かった。バーン・ラック・タイ。タイを愛する家? 不思議な名前の村です。

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メーホンソンは2年前に一度行ってすっかり気に入ってしまった場所。それだけでもう行く気満々。しかし、難関が。当時、泊まりたかったこのお宿は電話でしか予約ができませんでした。もちろんタイ語のみ。何年たってもタイ語がさっぱり身につかない私。仕方なく会社の部下にランチをおごるからと、代わりに電話してもらうことに。代金は全額前払いの銀行振り込み。これが宿泊の約4か月前のことです。

そして2018年1月、満を持して出かけたのでした。当時はバンコクエアウェイズがチェンマイ⇒メーホンソンを運航しておりました。メーホンソンからバーンラックタイまでは車で約2時間。地図をみると険しそうな山道。タイの道路はガードレールがほとんどなく、カーブで突然減速なしのトラックと出くわすことなどもあって自分で運転するのは諦めて車を手配しました。これは行ってみて正解。途中から携帯の電波が入らなくなり、Google Mapが使用不能に。自力で出かける方は事前に地図のダウンロードをしましょう。私は自分で運転しないと決めた時点で何も準備していませんでした。反省。

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何にもない山道から突然小さな村が現れて到着。いやいや、思った通りの情景に気分も高まります。

バーンラックタイは小さな湖(池と言った方がいいくらいのサイズ)の周辺に食堂、お土産店、ゲストハウスが建つ村です。中国雲南省の国民軍が国境を越えて住み着いた地だそうで、村全体が中国の雰囲気を醸し出しています。

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早速ホテルにチェックイン。リーワインルックタイというのがホテル名。ここに泊まりたくてこんな最果ての地まではるばるやってきました。茶畑の中にコテージタイプの客室があります。

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なかなか素敵です。わくわくしますね。

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室内もなんとなく中華スタイル。

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設備は整っています。この時期は朝晩の気温が20度を下回るので寝具は昔懐かしい重たい綿布団。子供の頃を思い出しました。

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日中は観光客が茶畑の見学をしているので客室にいても結構騒がしい。時間もあるので村の散策に出かけました。お土産屋とお茶屋さんが並んでいます。

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湖と瓦屋根の建物。この風景はもはや東南アジアではありません。日本の田舎に来ているみたい。不思議な懐かしさで和みます。

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湖は1周ゆっくり歩いても1時間弱。北側の山道を登っていくとすぐそこはミャンマー国境です。

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日本です、と言われても何の疑問も持たない風景。

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湖に張り出したお茶屋さんのテラスでまったり。風が涼しくて気持ちがいい。

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店の人にどこの国の人? と聞かれたので日本人ですと答えたら「そんな遠くからきてくれてありがとう」とお茶うけに山盛りのドライフルーツをサービスしてくれました。こんなにたくさん、多すぎでしょ。😅 お茶はすごく美味しい。淹れ方を観察して家で真似してやってみたけれど同じ味にはならない。

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申し訳ないのでここでお土産のお茶の葉と自家製ドライフルーツを購入。

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この村の中国語の名前。何と読むのでしょうか。絵馬は日本風。書いてあるお願い事はタイ語。なんだかカオスだなぁ。

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夕刻になると日帰り観光客が去って徐々に静かになってきました。夕飯は宿の向かいにある雲南食堂で。

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一人旅で中華式の食事をすると難儀なのが一皿の量の多さ。肉団子と岩海苔のスープとチャーハンを頼んだらどちらも洗面器のような大きな丼で来た。注文するときにこれは一人分なのか、と聞いたつもりだけど店員さんとはほとんど意思の疎通はできなかったようでした。

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満腹でフラフラ食堂を出るともう日はとっぷり暮れていました。

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提灯の明りを頼りに自分の部屋へ戻ります。これがなかったら真っ暗闇でたどり着けません。空には満点の星。天の川を久しぶりに見ました。

翌朝、夜明け前に起きだして外へ。

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ここに来たもう一つの目的、それはこの湖で早朝に起こる現象を見ることです。

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気温がぐっと下がる夜明け、日の出と共に湖面の水が暖められて水蒸気となり、村全体が靄に包まれるのです。その光景が見られるのが12月~2月のみ。自然現象なので運頼みです。

湖に行ってみると少しずつ湯気のようなものが立ち始めていました。湖面が鏡のようです。

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日が昇るにしたがって靄が濃くなっていく。

おおお~、すごい。

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自分の写真技術(スマホで撮っているだけ)ではこの神秘的な情景を伝えきれないのがもどかしい。言葉にならない幻想的な光景が広がっています。

日が高くなるとまたクリアな空に戻りました。この間約30分程。この30分のために飛行機を乗り継ぎ、車をチャーターして2時間以上山道を越えて来たのでした。しかし、本当に来てよかった。何とも言えない達成感です。(自己満足ですが)

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興奮気味で朝ごはん。雲南スタイルのメニューです。また食べ過ぎた。

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今後再びこのタイ最北の小さな村に来ることはないだろうけれども、ここで見た景色、とにかく親切で優しかった人達、香り高いお茶の味はこの先何度も思い出すであろうな、と思います。

おまけ。メーホンソンに戻る途中で温泉を利用したスパに立ち寄って全身泥パックとマッサージしてきました。北タイ旅行はこれだからやめられないのです。❤

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