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トライアングルパターン完全攻略

はじめに

はじめまして、Kayenです。エリオット波動の伝道師として15年活動をしています。(WEBはこちら:エリオット波動とフィボナッチ比率で相場を綱渡り)
みなさんは、このようなチャートの場面を見た事はありませんか?

相場に関わっている方なら、多くの方が見たことあるシチュエーションだと思います。このパターンは、「ペナント」と呼ばれるパターンで、エリオット波動モデルだと「トライアングル」と呼ばれるパターンです。(この記事では、トライアングル)と呼ぶことにします。)
では、この後の相場がどのように動くのか?については、ご存じでしょうか?

多くの場合において、このパターンが上昇中に現れた場合は、波形の収束の後で、上にブレイクして上昇が続くという事を言われています。
それがわかっているなら簡単に勝てるんじゃないの?と思った方も多いと思いますが、実際にそれをやろうとして多くの方が失敗しています。

本当のところは、このトライアングルのメカニズムをしっかりと理解すれば、勝てるようになります。しかし、理解せずに使うと負け続けてしまうことになります。
この記事では、このトライアングルについてかなり深いところまで掘り下げて分析し、その上でどのようなタイミングで、どのようなトレード戦略を立てればいいのか?について解説をしていきます。
この記事を最後まで読んでもらえれば、トライアングルが出現した時に、自分がすべきことが明確になり、「勝つべくして勝つ」という体験をすることができるようになります。それでは、本編に入っていきましょう。


トライアングルパターンの基本

トライアングルパターンは、推進波の途中に現れる横ばいの波形で、基本的には、徐々に上下の値幅が収束していく値動きのことを指します。

基本的には、この波形は、ABCDEの5波構成で完成すると言われています。
上昇トレンドが一旦止まり、そこからトライアングルがスタートします。上の図で、黄色のラインとなっている部分がトライアングルの部分です。
その前後の白色の値動きは、推進波と呼びます。
推進波とは、値動きが大きくトレンドを形成する波形です。逆にトレンドとトレンドの間で、値動きの調整をする波形を修正波と呼びます。トライアングルは、この修正波のひとつの波形パターンです。

トライアングルの内部構成

トライアングルのABCDE波のそれぞれは、基本的にはジグザグの3波で構成されています。

トライアングルのA波をより詳しく見てみると、上の03の図のように、下落→上昇→下落という波形を持っているという意味です。
基本形ということで、これを覚えてもらえるといいと思いますが、実際には、ここまできれいな形の波形になることはありません。

C波は複雑化しやすい

特にC波については、複雑になりやすく、複合的な修正波やトライアングルになるケースもあります。リアルタイムでC波が複雑化している時は、エリオット波動のカウントをすることは非常に難しく、また複数の可能性を想定した見方が必要になります。

E波は延長しやすい

トライアングルの最後の波であるE波については、A波終点とC波終点を結んだサポートライン(ピンクのライン)を抜けることがよくあります。
また、逆に届かないケースも見られます。

トライアングルを利用してトレードするのは、一見簡単に見えます。それは、E波の終点を予測して、エントリーすれば失敗することは無いように思えます。実際にいろいろなサイトや書籍ではそのように書かれている場合もあります。
しかし、実際にリアルタイムでE波の終点を特定してトレードするというのは、上記の2つの特徴があり、非常に困難なのです。
「E波だと思っていた波形が、実は複雑化したC波の一部だった」とか「E波の終点を捕まえたと思っていたら、延長して損切りをすることになった」とか「E波の終点を待ち構えていたら、届かずに上昇してしまった」のようなケースがあるからです。
(後半で、それらを克服する具体的な戦略を紹介します。)

トライアングルの出現場所

今度は、より大きな視点で見た時に、このトライアングルはどのような場所で出現するのか?について解説をします。

トライアングルは、トレンドの転換点の2つ前の修正波動として出現します。上の図04のようなインパルス波の場合であれば、最後の上昇となる第5波の前の第4波として出現することが多いです。第2波で見かけることはあまりありません。
トレード戦略にどう使うかは後で解説しますが、ここでは「トライアングルが完成した場合は、その後の上昇でトレンドが転換する」ということを覚えておいてください。

具体的な出現場所

インパルス波の場合は、5波構成となるので、トレンドの転換点の2つ前として4波で出現することになります。
ジグザグの場合は、ABCの3波構成となりますので、転換点の2つ前としてB波でトライアングルが出現することになります。フラットも同様にB波となります。

スラスト

スラストは、トライアングル完成後に短時間で形成される強いトレンド方向への波形です。

トライアングルは、トレンドの転換点の2つ前に現れるパターンです。そして、その後に現れるトレンドの最後の波形は、強い波形となることがあります。それをスラストと呼びます。
このスラストは、トライアングルのA波の値幅と同じ値幅になることが多いです。
トライアングルのE波が完成し、再び上昇が始まり、その上昇がBDの延長となるサポートラインを抜けたときに大きく伸びることが良くあります。その上昇は大体において、副次構成波動の第3波となります。しかし、ここでそのトレンドに強さに騙されてはいけません。
なぜなら、トライアングルで出現している時点で大きな波形では、トレンドの転換を迎える時期が近付いているからです。ポジションを持っている場合は、このスラストの特徴を踏まえて、A波と同じ値幅になるところで、利益を確定させることをおすすめします。ただ、時としてスラストの値幅を超えるような延長波形が出ることもあります、これについては、後段の実践編で説明いたします。

トライアングルの種類

ここまで、トライアングルとしての基本的な説明をしてきましたが、今までの説明は、収束型のトライアングルパターンについての説明です。少しづつ上下の値動きが小さくなっていくものです。
実はそれ以外にもトライアングルの種類がありますので、ご紹介をしておきます。ただし、注意点としては、これらのトライアングルをリアルの値動きの中で見つけて、トレード戦略に活用するのは、ほぼ不可能と言っていいと思います。興味がない方はここの説明は飛ばしてもらっても構いません。


収束型トライアングル

これがこれまで説明してきた収束型のトライアングルです。

【ルール】
・トライアングルは、常に5つの波動で構成される。
・ABCDE波の少なくても4つの波動は、ジグザグ又はジグザグ複合波で構成される。
・C波は決してA波の終点を超えない、D波は決してB波の終点を超えない、E波は決してC波の終点を超えない。その結果、時間が経つにつれて、B波とD波の終点を結ぶラインとA波とC波の終点を結ぶラインは、ある地点で交わる。
・トライアングルは、決して2つ以上の複合した副次波を持たない。複合波となる場合は常にジグザグ複合波又はトライアングルとなる。

【ガイドライン】
・大抵、C波はジグザグ複合波で構成され、それはより長く継続し、他の副次波より深い割合のリトレイスを含んでいる。
・時々、D波はジグザグ複合波で構成され、それはより長く継続し、他の副次波より深い割合のリトレイスを含んでいる。
・時々、C波D波E波のうちのひとつの波は、縮小型トライアングル又はバリアトライアングルによって構成される。その結果としてしばしば全体のトライアングルが9つのジグザグで構成されるように見える。

拡大型トライアングル

こちらは、収束型とは反対に、徐々に上下の波形が大きくなっていくパターンです。

【ルール】
・C波、D波、E波は、先行する同じ方向の副次波の終点を越えて動きます。(C波は、A波の終点を超える。D波は、B波の終点を超える。E波は、C波の終点を越える。)
その結果として、B波とD波の終点を結んだラインとA波とC波を結んだラインは、時間の経過に連れて、広がっていくことになります。
・B波、C波、D波は、少なくても100%リトレイスするが、150%以上はリトレイスしない。

【ガイドライン】
・B波、C波、D波は、大抵105%から125%リトレイスする。
・副次波が、トライングルで構成されることはない。

ランニングトライアングル

これは、推進波としての直近の高値を修正波であるトライアングルのB波が超えているパターンです。
このトライアングルを実際の動いているチャートの中でリアルタイムに見つけることは不可能です。それは、上の図のB波の終点が最も高値となるので、そこまでを一つの推進波として判断するのが一般的であり、上の図のC波から修正波が始まったと判断してしまうからです。
逆にこれがランニングトライアングルだとわかるのは、もっとチャートが時間を経過し、様々な可能性が否定された後で、これはもしかしてランニングトライアングルとカウントするしか前後のカウントの整合性が取れないとなった時点です。

以上のように、トライアングルの種類について説明をさせていただきましたが、基本的に実際のトレードで使うには、収束型のトライアングルを狙うのがベストだと考えてください。

ここから有料部分となりますが、
「トライアングルが4波で出現する理由」
「本に書かれないトライアングルの真実」
「実践編:エントリーポイント」
「実践編:損切りターゲット」
「実践編:利益確定」
「トライアングルのE波終点を狙うべからず」
「トライアングルのブレイクアウトを狙うべからず」
についてを解説しています。これを読んでもらえればトライアングルという波を上手に乗っていけることができると思います。

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