書きだすこと

しばらくの間書くことをしていなかった。いつも頭に浮かぶことを留めておきたいと思いつつ、SNSでもいいような気もするので入力までしてみて一体これを誰に伝えたいのか?備忘録ならいらないのではないか、とか悶々しているまに結局時間だけがすぎて、浮かんだこととかが取り残されている。たいてい、数分後にはさっきまで浮かんだことは綺麗に跡形もなく消えていることが多い。

この前久々にゆっくりお風呂に入れたので適当に本を一緒に持って入った。
村上春樹の短編小説を読んだ。本棚に入っていた本なので必ず一度は読んだことがある本なのに、ページをめくっても全くと言っていいほど新鮮だった。
読み進めてみても記憶に一切残っていなかった。得をした気持ちのような、そうでもないような、私は新しい気持ちで本を読んだ。新鮮な気持ちで読むのに、なぜか村上春樹文調は心地いい懐かしさみたいなのが感じられて、ただただ夢中で読んだ。お風呂にはちょうどいい短編集だった。

浮かんだことを記憶したいのは写真だったり、文章だったり、絵だったりするのだと思う.おおよそ私たちが記憶したいことは記録できることで、それは視覚の情報が多いような気がする。

例えば、においをとどめて記録しておきたい場合にも嗅覚の記憶をなんとか字にして言葉にして残してくことしかできない。そうなると、もうそれは本当の匂いの記憶になるのか、なんて思う。においの記憶がにおいのまま保存され切り取られることはなかなか難しい。香水のように自分の好きなにおいや大切にしたいにおいを残せたら素敵なことだと思う。
残したいのは、だしのいいにおい、酒と醤油がカーーっとにたつ匂い、赤ちゃんの匂い、朝の匂い、夜の匂い、雨が降る前のにおい、寒い日のにおい、キリがない。
食べ物に関しては料理をすればある程度は再現される、
においの再現性ということは、料理はできるけど、さわったり、手にしたりできないものの再現、つまり、朝とか夜とか、は難しそうだ。

どうでもいいことをこうやって書くことはとてもいい。
だれにかいているわけでもないけれど、だれかが読むかもしれないと思おうと文章もある程度は読めるように書いておける。

今日は怖い夢を見た。
寝る前は怖い夢を見ないように何か優しそうなにおいをかいで寝ようと思う。

#におい #夢 #村上春樹 #お風呂

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