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畑を借りました。

お話ししたかもしれませんが、うちに通ってきてくれている子どもたちは、よその通所施設よりも年齢層が高いです。
うちには、放課後等デイサービスと日中一時支援の二つの事業所があります。
その二つの事業のおかげで、全ての年齢層の方々が、利用できているのですが、療育手帳や精神障害者福祉手帳をもっていないと日中一時支援は、利用することができません。
そう、手帳を持ってない人も何人かいるのです。

知的障害がない人…
Tくんは、運動と言語発達の遅れがあり、幼児期から通ってきていました。歩けるようにはなったし、しゃべることもできるようにはなったけど、身体が極端に柔らかく、耐久性に乏しいのです。大学も卒業して一般就労しましたが、その仕事が合っているとは思えません。知的に高いので療育手帳は持てませんし、病院に行くのを拒否しているので、精神障害福祉手帳もとれません。身体が柔らかい(低緊張=身体の筋肉の張りが弱い)人も、発達障害の方々には多いのですが、整形外科的にきちんとした診断がつかないので、身体障害の手帳も交付されません。家では、「なんでこんな身体に生んだ」「死にたい」ということもあって、お母さんはとてもしんどい思いをしています。相談には通ってこられるのですが、福祉的にも利用できるサービスがありません。

重度の知的障害
Mくんは、精神運動発達遅滞との診断名で、幼児期から通ってきていました。歩けるようにはなりましたが、言語と知的障害は残っています。特別支援学校の後頭部を卒業して、生活介護の事業所に通っていました。小学校の時からチックがはじまり、中学生になったからから、突然動かなくなるようなことがあったり、お母さんに対しての暴力が始まりました。高等部になるにつれ暴力は、エスカレートしていきました。うちに通ってきているときには、おとなしくとても可愛いのですが、スタッフへのこだわりがあり、お決まりのスタッフが揃っているか、自分をみていてくれるかを常に気にします。特にわたしがいないときに、火災報知器を押すとか、トイレに閉じこもるとかいうような悪戯をすることで気をひこうとします。私が不在の時は、「ちょっと,買い物に行ってるけどすぐ帰るよ」などと、誤魔化し電話をかけたりして「もうすぐかえるよー」というような工夫で乗り切っていました。それでも、階段の下で動けなくなったり、廊下で倒れ込んでしまったり(身体がものすごく大きいので、廊下を塞いでしまいます)して動けるようになるまで、かなりな時間を費やすことがたくさんありました。一度は、私が不在の時に大暴れしてスタッフを傷つけていたので、将来についておかあさんと、よくおはなしさせてもらっていました。(動けなくなること、突然の暴力はチックが関係しているのではないかと思っていますが、病院で処方される薬では変化はありませんでした。)家庭での暴力で何回も、精神科には入院しましたが、病院では普通に過ごせるのですぐ帰宅することになります。
生活介護の事業所に対しては、情報を共有したいとおかあさんを通して連絡したのですが、お返事は帰ってきませんでした。1年後そこの事業所で、暴れてしまって他の利用者さんを傷つけてしまったので、そこに通うことを諦めることになってしまいました。本来ならうちにかよってきて欲しかったのですが、日中一時支援は、月8日しか使えないことと、拘っていたスタッフが地元に帰ってしまったことと、現在のうちのスタッフが女性ばかりなので、暴れた時に対処できないのでは?とのおかあさんとわたしの考えから、利用を見合わせていました。
家庭では、おかあさんと二人きりの時間が多いので、とても心配していたのですが、卒業した学校からの進めでグループホームに入所することになりました。わたしもおかあさんも、かなり不安があったのです。グループホームとの面接には、私も参加させてもらって不安定になりやすい状況と工夫の仕方をかなり詳しく(グループホームのスタッフさんは怖がっておられましたが)、彼の好きなことも全てお話しして、あちらに託すことにしました。その席には、生活介護の事業所からもスタッフが来られていましたが、その方のはなしは、「○○日にこんなふうに暴れた、○○日には、こんなふうに暴れた」という話ばかりでした。
そして1ヶ月ほど経ったときに、そこでも暴れてスタッフさんを傷つけてしまいました。次の日入院になりましたが、早く退院してほしいとのこと。グループホームからは、何も言ってこないとのこと「やめてほしいということでしょうね」と、おかあさんからの電話です。
ご両親はとても可愛がっておられます。いつかは施設に入所した方がいいのだろうとも思っておられます。しかし、いまのような暴力がある限り心が休まることはないのです。暴れる原因をさがすこと、また,もし暴れてもすぐに対処できるような場所(病院とか)が、あるところでないとむずかしいですよね。

それより明日からどうするのでしょう。

他にも、難しい人をたくさん抱えています。

畑を借りました。
なにか、できたらいいのですが。
おかあさんと、大きくなったこどもたちのために。
畑で。
草取りしながら、お弁当たべるだけでも。
水やりしながら、笑うだけでも…



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