ヨーロッパ旅行〜カーディフ編1〜


2003年12月16日

★ロンドン→カーディフ

前日と同様、身支度をしてホテルのレストランで朝食。お昼はどうなるか分からないので、またしっかり食べました。

朝食後、ケンジントン宮殿脇の広~い公園へ散歩に。またしても快晴で、湿気のある空気がキーンと冷えていて非常に気持ちの良い朝でした。


ジョギングのおじさん(やっぱり半袖にピチピチ短パン)や散歩の犬が白い息を吐きながら猛スピードで走っていました。こちらに向かって突進してきて「撫でろ」とアピールしたかと思えば、リスを見つけてピューッと矢のように駆けていってしまう犬もいてかわいかった。ちょっと太めの柴犬がいたのも、イギリスで見るとなんだか新鮮でかわいかったなぁ。
ゴミ箱の横にはDOG WASTE ONLYと書かれた郵便ポストのような箱があったりして、さすが愛犬家の国イギリスです。でも投入口がちょっと狭いような気が…。
中央の池には白鳥やガンがたくさんいて、なんとも美しい光景でした。

ホテルへ戻る途中、URBAN OUTFITTERSという大きな雑貨屋さんに入ってみました。広々とした1階から3階までの店内には、カラフルで魅力的な品物がいっぱい。しかもお手ごろ価格!スーツケースの容量問題は、諦めの良い理由でした…。
チェ・ゲバラのコースターとかマグカップとか、欲しかったなぁ!たかちゃんは「マフラーを買う」という旅の目的その3を果たしました。

ホテルに戻ってチェック・アウトをして、地下鉄に乗ってパディントン駅へ。ここもまた、ホームがズラーッと並んだ大きな駅でした。
カーディフ・セントラル駅までの切符を買って、電光掲示板を見ながら乗り場の案内が出るまで待つ、が出発時間が迫ってきてもなかなか表示されません。時間ギリギリになってようやく出た乗り場は端の方!急いで向かって列車に駆け込みました。他の乗客もみんな走っていたけど、それでも時間通りに出発するんだもんなぁ。

パディントンからカーディフまでは2時間の旅です。途中に通ったレディング駅では、ブルドッグを連れた若者がホームで腕立て伏せをしているという光景を目の当たりにして、たかちゃんと大笑いでした。
車窓から見える景色はどんどん田舎の風景になってきて、羊・羊・馬・羊・牛・羊・羊…。この列車から見える景色を、私はかなり楽しみにしていたのです。
そして『Wales/Cymru』と書かれた看板を通過していよいよウェールズ入り!Cymruとはウェールズ語でウェールズのこと。


ウェールズでは英語とウェールズ語が公用語になっているので、看板、標識等すべて二カ国語で書かれているのです。以前ウェールズ語をちょっと勉強しようとしたのですが、あまりにもつかみどころが無く、難解な言語で頭から煙りが出ました。「毎日ウェールズ語を話そう」という本も買ってはみたものの、まだ1ページも読んでません…。ウェールズでもウェールズ語を喋れるのは人口の20%ぐらいらしいですが。

そうこうするうちにウェールズの地ビールとして名高いBRAINSの煙突が見えてきて、ついにカーディフ・セントラル駅に到着!憧れ続けて早…何年だろう、とにかく念願のカーディフ、ウェールズ!!!

そもそもウェールズに興味を持ち始めたきっかけは、SUPER FURRY ANIMALSやGORKY'S ZYGOTIC MYNCIなどのバンドが好きで、彼らのオリジナリティ溢れる音楽のバックグラウンドを知りたい、一体どんなところなんだろうという理由からでした。
そして本やネットで調べれば調べるほど、その土地柄や国民性、美しい自然に興味津々になっていって、いつか絶対行ってみたいと夢を膨らませていたのでした。
ウェールズについて知りたいと思う方には、まず『ウェールズの山』という映画と、「ウェールズ人のまっかなホント」という本をオススメします。どっちもほんとにおもしろいですよ!
そして「ウェールズ人のまっかなホント」に書かれていたウェールズ人の特性のいくつか…*人なつっこくてバス停で会った人から身の上話を聞かされる、*歌が大好きで3人集まれば歌い出す、*イングランド人の悪口を言うのが大好き、*とにかくビールをよく飲む、*議論が大好き…などが、これからの数日間で実証されることになるのでした。

ひとまず駅の近くのビジター・センターへ行き、ホテルの場所などを聞くことに。ウェールズ訛り全開の受け付けのおじさんに「ホリデー・インに行きたいんだけど」と言うと、「え、どこ?」と聞き返されてしまい、もう一度「ホリデー・イン」と言っても「???」な表情。試しにたかちゃんが「オリデー・イン」と言ってみたら、「あ~、オリデー・インね」だって…。道を教えてもらってカーディフ中心部の地図をもらい、オリデー・インへ向かう。

少し歩くといきなりミレニアム・スタジアムがどーんとありました。1999年のラグビーW杯時に建設された、スライド式の屋根を持つこの巨大なスタジアム(収容人員は72,500人!)、白と青と赤の色合いがガンダムみたい…。試合が開催されるときはスタジアム周辺も賑わうのでしょうが、このときは閑散としてました。カモメが鳴きながら飛んでいて、あぁ、港町なんだなぁ。


タフ川沿いに歩いているとホリデー・インが見えてきました。なんとカーディフ城の目の前です。駅から何もかもこんなに近くて、本当にこぢんまりとした町だこと。

チェック・インして部屋に入ると、広い!キレイ!わ~い!ミラノ、ロンドンで泊まったホテルは、ロケーションと安さで選んだのでちょっと狭かったり薄暗かったりで陰気な感じがしたのでした。でもこの部屋は大きな窓があって明るい、しかも窓からカーディフ城が見えるし!

テレビをつけてチャンネルをザッピングしていると、太ったおじさん2人がウェールズ語を喋りながらウィスキーの飲み比べをしている番組があったのでとりあえずしばらく見てみる。昼間っからなんて勢いで酒を飲んでいるんだ…。しかもその後、ケロッとした顔をして対談なんてしていてさらにビックリ。

散歩に出かけることに。ホテルから出て5分も歩かないうちにClwb Ifor Bachを発見!SUPER FURRY ANIMALSはかつてこの小さなクラブでよく演奏していたのです。BEATLESにとってのキャバーンみたいな感じかなぁ。
某ウェールズ観光サイトにはIf you haven't been to Clwb then you haven't really visited Cardiff. と書いてありました。それだけカーディフっ子イチオシのスポットなのですね。このときはまだ夕方だったので、周りには人っ子一人いませんでしたが…。

そしてカーディフの目抜き通り、High StreetからSt. Mary Streetを歩く。思っていたよりも都会だなぁと感じました。それでもとてもこぢんまりとしたかわいらしい街で、特にミラノやロンドンなどの大都会を経てここへやってきたのでなおさらです。

それにしても小さな街ゆえ歩いていても人々の視線が突き刺さる…。自分がよそ者なんだなぁと思うと次第に緊張してきてしまいました。そしてオオハシの顔がアップになった、Toucan Clubのかわいい看板を見つけたとき、私の緊張はピークに…。

話はさかのぼること1ケ月前…SUPER FURRY ANIMALSの来日公演の際、ギタリストのバンフ(ちなみにたかちゃんはバンフの大ファン)に「来月、ウェールズに旅行に行くんだけど、ライヴとかDJとかやる予定はないの?」と聞いてみたのです。すると「毎週木曜に、ギト(ベーシスト)とToucan ClubでDJしてるよ」と教えてくれたので、18日のToucan Clubを旅のメイン・イベントにして計画を立てたのでした。
イタリア在住で、今回の来日公演に行けなかったたかちゃんのモチベーションはそれはそれは高かったです。「私、バンフに会ったら緊張してしゃべれないかもー!」なんて。そして私が東京で撮影したバンフの写真を、毎晩枕元に飾っていました。
その来日公演のときは、私も手足が冷たくなって心臓が口から飛び出すかと思うほど緊張したものでした。でもいざメンバーを前にすると、馴れ馴れしく「Hello~」なんて言ったりしている自分にちょっと驚いたなぁ。年の功というやつかもしれません。

Toucan Club入り口に貼ってあるスケジュール表を見ると明後日のところに確かに“Super Furry DJ Set”と!私もたかちゃんも静かに大興奮。ここでバンフとギトに会えるんだよ~!…そしておなかが空いてきました。そういえば朝ご飯を食べたっきりだった。

とにかくそこかしこにパブがあるのだけど、どうも入りにくい雰囲気…。しかしパブに入らないことにはBRAINSも飲めないしフィッシュ・アンド・チップスも食べられない。
ちょっとウロウロしてからClwb Ifor Bach近くの比較的入りやすいお店に入りました。カウンターには様々な銘柄のビールのラベルが付いたサービング・ハンドルが並んでいて、テイスティングもさせてもらえます。でもここはやはりBRAINSを1パイントで!そしてたかちゃんはフィッシュ・アンド・チップスを、私はベジタブル・サンドを注文しました。ベジタリアン向けのメニューの横にはVマークがついています。
ビールを持って席に戻り、「Iechyd da!」で乾杯。期待のBRAINSの味は…ほどよい苦みと軽やかな喉ごしでとても飲みやすい!おいしーい!ビールを飲んだらようやく緊張が解けて元気になってきました。フィッシュ・アンド・チップスもサンドイッチもなかなかでした。ポテトはビネガーをバシャバシャにかけるとおいしい。
店内はそれほど混んでいるわけではないのだけどとても賑やかで、ずっとけたたましく笑い続けている女性がいるし、歌い出す男性がいるかと思えば、それにハモる人がいて合唱になるし。この人たちはクリスマス前だからこうなんでしょうか、それとも普段からこうなんでしょうか…。だいたいまだ宵の口なんですけど。

ホテルに戻ってまたテレビをつけると、先ほどのウェールズ語チャンネルでオーディション番組をやっていました。大勢の候補者による長い予選の模様のダイジェストが流され、勝ち残った3人の少女エイミー、リサ、ベスがスタジオに登場。司会者も審査員も観客もエイミーもリサもベスも、みんなウェールズ語で喋っています。若い女の子がウェールズ語を喋っているのを見るのは何だか不思議な感じでした。
1曲ずつ歌って、最年少のベスが落選してしまい、エイミーとリサの一騎打ちに。私もたかちゃんも、キルスティン・ダンスト似で元気のいいエイミーを応援しました。リサはバーバラ・ストライサンドみたいで辛気くさかったし。2人がまた1曲ずつ歌い、最終審査は視聴者による電話投票に。
結果が出るまで番組は一時中断、ドラマが始まりました。冒頭で「この番組には、子どもには不適当な描写が含まれています」みたいな断りが出たので、ワクワクしながら見ていたのに普通の時代劇でした。
でもリル・エヴァンスが出演していてビックリ!リル・エヴァンスとは『ノッティング・ヒルの恋人』に出演して一躍脚光を浴びたリス・エヴァンスの弟。ウェールズのスウォンジーを舞台にした『ツイン・タウン』では2人で共演していました。その後リルは地元のテレビドラマで活躍していると聞いていたけど、偶然見ることができて得した気分でした。 


ドラマが終わっていよいよ先ほどの投票の結果が!勝者は…リサでした。たかちゃんと2人で「絶対、出来レースだ」と大ブーイング。

部屋の冷蔵庫のアルコール類が飲みたかったのに、どうしても開けられず。仕方ないのでご就寝…。
公園の白鳥

カーディフへ向かう列車の車窓から

カーディフの街並み

ミレニアム・スタジアム!

ホテルの窓から見えるカーディフ城

Clwb Ifor Bach前で

カーディフ城前のクリスマス・ツリー

ドラマに出演中のリル・エヴァンス

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