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『さんかく展』

『さんかく展』
2021/10/9〜2021/10/11
@高架画廊
茅野カヤ川口ヱリーyの3日間だけの3人展

同級生3人で展示をしようと話が持ち上がり、安直に3人だから三角で『さんかく展』、自由度の高い展示、ということで始まった数年前。
当初の予定では昨年の秋に開催される予定だったのが、このコロナ禍で1年延期。
今年10月9日〜11日の3日間に無事開催され、無事閉廊しました。
この記事では展示の様子や作品の感想を、茅野カヤが独断と偏見で書き記しておこうというものです。
(作品写真の掲載や記事にすることは展示メンバーに許可をいただいています)

まずは1階、2階の全体的な展示の様子。
1階はyちゃんの可愛い作品と川口ヱリーの作品、旧作を中心に展示し、2階はちょっとアクの強めなyちゃんの作品と茅野カヤのメイン作品を。
結果的に1階は可愛い作品・ポップな作品・さっぱりめな茅野カヤの作品が並び、2階はまたガラッと雰囲気が変わり神仏的なyちゃんの作品を始めとし、茅野カヤのダークめな作品が並びました。
高架画廊のスタッフの方のアドバイスをいただきつつ構成したのですが、なかなかいい具合に収まったのでは……と思います。

次からは個々の作品を茅野カヤの独断と偏見で感想を交えながらご紹介したいと思います。

まず入り口で迎え入れてくれるのはyちゃんのレアな!可愛い作品。
本人が言うには「茅野カヤと川口ヱリーを混ぜて花に例えると紫陽花」だそうで、紫陽花をイメージした球体関節人形です。
儚げな、でも意思の強さも感じるこの作品、とても美しく可愛らしい。
結果的にですが『さんかく展』の導入にぴったりなのでは……と感じました。

次は川口ヱリーの作品から特にお気に入りな2点を紹介いたします。
まずはピンクの背景がピンと立つこの作品。
バミューダトライアングルをテーマに制作したそう。
一見すると裸体の女の子がプールで遊んでいる……というものですが、さすがは川口ヱリー、色んな要素を詰め込みつつポップに可愛く仕上げています。

この絵が秀逸だなあと思ったのは、まずはセクシーなのにいやらしくないところ。
目の細かい描き方や髪の毛、頭上の船の描き込み、そしてリボンがアクセントになって画面を引き締めているところ。
ヱリーの作品を見始めて長い私ですが、年々ポップになって可愛さも増して、でもセクシーさは失われない、毎回見るのが楽しみになって更に大好きになりました。

次は川口ヱリーの「安珍と清姫」をテーマとしたこの作品。
パッと見て惹かれる青い髪と美しい炎の情景。

この作品は悲しいテーマのはずなのにヱリーらしいポップさを残しつつ、しっとり激しく、そして女性が可愛く描かれているところが好きです。
それから本人が苦労したと言っていた炎の表現!古風な印象もありつつヱリーの絵柄に見事にマッチした炎と、青髪のバランス!見事……と唸りました。

次は茅野カヤの「こころのかたち(首の標本/耳の標本/眼の標本)」です。
うさぎの方は旧作で、今回対で出したくて猫も描きました。
感情や感覚、大切なものを標本のように心に留め置ければ……という思いから生まれた作品です。

こちらは「ないものねだり」2012年の作品です。
身体、自己(うさぎ)・理想(指さされた見えない月)・本質、ただ此処に在る自己(赤い月)の3点を繋いで三角を成している、ないものねだりをする自分の感情から生まれた作品です。
本当に大切なことは見逃している足元にあるのかも、と。


さて、お次は2階へ参ります。
1階の可愛らしい球体関節人形とは正反対のyちゃんの神仏たち3点です。

yちゃんの奇妙に長い手指の表現や精密に描かれた模様、大好きです。
いつも見るたび圧倒され、溜息が出ます。
yちゃん曰く、丸、四角、三角だと、丸は生きた人間、四角は棺桶のイメージから死んだ人間、三角は神のイメージだそう。
今回2階は神々の圧倒的な存在感に出会える場所になりました。

こちらは茅野カヤの「ゆめの死覚醒」
実際に寝て見た夢をテーマに「ゆめの」シリーズとして3作描きました。
「死覚醒」は天使の死がテーマ。首を吊って死んでいる天使の周りで悲しむ仲間の天使たち。
この作品は怖いという印象を持たれるだろうなあと思って描いていたのですが、蓋を開けてみれば意外すぎる高評価を多くいただき、有り難い限りです。
羽根や顔の模様など写真では見ていただけないのですが、無駄に細かく描き込んでおります。

次は「ゆめの傘覚」、ゆめのさんかくと読みます。
傘を被ったうさぎを始めとして、死んだ烏の死骸を持って涙を流す影や、ヒトガタから羽化するように出てくるうさぎの骨、うさぎの飛び石など、過去に見た夢の要素を詰め込みました。
こちらも細かい毛並みや写真には写らない砂浜の線など、原画ならではの表現をしています。

「ゆめの」シリーズ最後は「ゆめの円卓」
占いの館のようなところに招かれ、重たい幕の隙間から出てきた真っ白い手に何か重大な選択を迫られる、という夢でした。それに私を構成する好きなもの(うさぎ、サーカス、灯台、月など)を盛り込みました。
私は不完全な(不確かな)ものに惹かれていて、頭のないうさぎや欠けた椅子などを描きつつ、なにか呪い(まじない)のような雰囲気も出せたらと思いながら描きました。

最後は「蚕核」
高校生以来に油絵に挑戦してみました。

幼虫→蛹(繭)→成虫の三角、そして成虫から降り注ぐ蚕の卵。蚕の生をループするように描きたかった作品です。
水彩画とは勝手が違いすぎて四苦八苦しながら、なんとか完成したこの作品はご予約をいただけて嬉しい限りです。
油絵でも毛並みが描きたいと思いつつ何度も塗り重ねました。
油絵1作目にしては良い滑り出しとの言葉もいただけてもっと精進しようと思えました。


さてこれで作品紹介を終わりたいと思います。
だいぶ偏りのあるご紹介でしたが、展示の様子や作品を少しでも体験していただけていたら嬉しい限りです。

今回3日間という短い期間にも関わらず沢山の方が足を運んでくださって、とてもとても嬉しかったです。
お越しくださった皆様、誠にありがとうございました!
Twitterで宣伝や反応をくださり応援してくださった皆様にも感謝です。

そして会場となった高架画廊様には沢山お世話になり、感謝してもしきれません。ありがとうございました!

最後に、今回ご一緒してくれた川口ヱリーとyちゃんに大きな感謝を。
お疲れさま、本当にありがとう!

最後まで読んでくださって誠にありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけていたら幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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