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さらば花粉症!重度の花粉症持ちがスギ・ヒノキ花粉のない北海道でリモートワークした結果…

各地に雪をもたらした極寒の冬がようやく収束気味になり、季節はようやく春。

そう、花粉の季節ですね〜〜〜!!!

こんにちは、京都でライターをしているおかんと申します。

私はもともとアレルギー体質でして、この時期はいつもクシャミ鼻水鼻づまり、酷いときには熱が出るなど重度のスギ・ヒノキ花粉症…で……



すぁ、ふぁ……。





ぅえっくしょーーーーい!!!!



50回も100回もクシャミを放ち、鼻の下をガサガサにしながら鼻水かみまくって、思春期の男子学生のごとくティッシュを消費する時間が1日の大半を占める日々。
もう、冗談じゃなく仕事にならないんです。ただでさえ集中力がないのに!

Twitterでアンケートを取ってみると、実に57%の人が花粉症で仕事に影響が出ると答え、そのなかの25%は「マジで仕事にならない」と重症な模様

いっそ花粉症のシーズンだけでも、スギ花粉のない世界に行けたなら……。



行けたなら……。





来ちゃった〜〜〜〜!!!

花粉を回避すべく、北海道・下川町にやってきました。

下川町は北海道の北部に位置する、スギ花粉とは無縁の北国。真冬には-30°にもなる寒い地域で、雪も降ることからウインタースポーツも有名。スキージャンプのレジェンド・葛西紀明さんは、この下川町の出身なんですって。環境に優しい町づくりを進めていて、移住者が増えている町でもあります。


一緒に下川町に来た面白法人カヤックのみなさん。

今回、実はカヤックさんの「旅する支社」プロジェクトで下川町にやってきています。

旅する支社とは、働き方について多くの議論がされている昨今、鎌倉に本社を置くカヤックが、いろんな地方に短期間のオフィス(旅する支社)を作り、“場所を変える”という切り口で働き方に関する課題を解決(実験)し、レポートをしていくという企画だそうです。

今回は「花粉症と生産性」をテーマに、春に仕事のパフォーマンスが落ち込む花粉症持ちの人が、シーズン中にスギ花粉のない場所で仕事をすれば、症状に悩まされることなく、集中して仕事ができるのでは?という実験をすることになったそう。

そこで重度の花粉症である私に白羽の矢が立ったのでした。

花粉症でよかった〜!!本質的には全然よくないけど〜!!


酷い人は発熱も!逃げられるに越したことない花粉症のツラさ

旅する支社の言い出しっぺのひとり、みよしさん。

みよし:そもそも僕が花粉症じゃないからわかんないんだけど、やっぱり辛いの?

おかん:その質問は「死ぬときってやっぱり死ぬの?」くらいのレベルですけど、よろしいですか……?

みよし:ちょっと何言ってるかわからない……

おかん:花粉症って、単純にクシャミや鼻水が出て「しんど〜い!」で終わるような代物じゃないんですよ。クシャミしすぎで喉から血が出るわ、鼻かみすぎて鼻の穴が切れるわ、常に頭が重くてダルくて、脳みそに霞がかったみたいにダウナーになるし、なんなら38度くらい熱が出るときもあるんです。それがシーズン中ずっと続くんですよ!

みよし:それ結構、花粉症のなかでもキツい方なのでは……

おかん:しかも花粉はいろんな種類が年間を通して飛んでます。その年の飛散量や地域によっても差異があるので、詳細な期間はメディアごとにバラつきがありますが、だいたいこんなかんじ。

おかん:ちなみに私はスギ、ヒノキ、ブタクサ、ハルガヤの4種持ちです。

みよし:多すぎ!

おかん:さらにはハウスダストアレルギーもあるので、なんのムズムズも感じない時期はほぼありません。

みよし:もう、ナウシカみたいなマスクをつけるしかないのでは…

おかん:しかもですね。花粉症の人は、果物や野菜の生食に対してもアレルギーを起こしやすいんですよ。

みよし:え?どういうこと?

おかん:花粉症っていうのは、花粉に含まれるタンパク質(アレルゲン)に反応して起こるんです。で、果物や野菜のなかには花粉に似たタンパク質の構造を持った種がいくつかあるんですね。
スギならトマト。ブタクサならキュウリやメロンとか。タンパク質の構造が似たものを食べると、身体に花粉が入ってきたと勘違いして、喉のイガイガや蕁麻疹などのアレルギー症状がでることがあります。
最悪アナフィラキシーショックのように重篤化することも。花粉症持ちは、日々の食卓にもそういう危険が隠れてるんですよ……!

みよし:全然知らなかった……!でも、花粉症の薬とか飲めばなんとかならないの?

おかん:薬の強さにもよるんですけど、口がめちゃくちゃ乾いたり、頭が重くなって眠気に襲われたりといった副作用があります。なかには、うつ状態や精神に変調をきたす副作用が挙げられてる薬もあります。ヤバくない?

みよし:やばすぎ……

おかん:症状が辛いのを回避したくて薬を飲んでもまた辛い。この時期「花粉があるところから逃げたい」と思う人は少なくないはず。「花粉のないところに行ってもいいよ」って言われたら、私ならその日じゅうに荷物をまとめますね。


Wi-Fiビュンビュン 雪景色で雑念ゼロの仕事場

さて、花粉症から逃げても、リモートワークができなきゃ意味がありません。遠隔作業に必須なのはネット回線です。

下川町は滞在場所の「森のなか ヨックル」や、移住相談窓口のタウンプロモーション推進部や、しもかわ観光協会などが入居しているコミュニケーションスペース「コモレビ」などで仕事が可能。

いつも会社で仕事をしているのと変わらないくらい、ネットはサクサクです。滞在中に執筆作業もしましたが、不便を感じませんでした。

それに、窓の外から見える景色は雪で常に真っ白。周囲もとても静かです。一緒に来ていたカヤックのエンジニアの人たちからは「雑念を起こすものが視界に入ってこないので、作業効率がいいかも」との意見が!

それに街だと、ちょっと集中力が切れたら、すぐに作業を中断してしまう要素がたくさんありますよね。コンビニだのコーヒーショップだの。ある意味そういう“安易な逃げ場”がない分、やることが作業しかなくていい。

詰め込み合宿的にこもれば、お尻に火がついた案件もシュルシュルーっと片付いていくように感じました。


疲れたらスノートレッキングでリフレッシュ

特別豪雪地帯の下川町では、雪の時期を利用したスノートレッキングも開催されています。

デスクワークで目や身体が疲れたら、雪山を歩いて気分転換に。滞在場所から車で10分ちょっとのところにある雪原と林を散歩してきました。

スノーシューを履いて、ガイドさんのナビでトレッキング。

取材時の積雪はだいたい1m。安定感のない雪の上を歩くのは全身運動です。普段なかなか運動をしないデスクワーカーゆえに、身体が重い!!

無音の雪原に、モッサモッサと自分の足音だけが響く。


みよし:あ〜、これはマインドフルネスですね。

おかん:ま、マインドフルネス……?

みよし:“いま起こっていることに注意を向けて、現実をあるがままに受け止めること”がマインドフルネス。あるがままの現実を受け止めることで心のバランスが整うので、自分の視界が見通せて、仕事効率が上がるって言われていて。

おかん:確かビジネスマンに人気なんですよね。就業中に瞑想や座禅の時間を設けてる企業が増えてるってのも聞いたことがあります。

みよし:雪原を歩くこの作業って、瞑想感ない?

おかん:確かに、わかるかも……。どこまでも続く真っ白な景色、やることは雪を踏みしめ歩くのみ、ずっと歩いてると自分と世界との境界が曖昧になりそう。

みよし:雪深い場所だから得られる瞑想効果だよね。

おかん:情報の整理に疲れた脳みそのキャッシュがクリアになっていくわ〜。

マインド(心)がフルネス(満たされ)すぎて、ガイドが引いたルートを無視して独自の気持ちいいルートを進むエンジニアさん。

おかん:見てください、あの出で立ち。絶対に「雪の進軍」を歌ってます。

みよし:ガルパンかよ!

ついでに、思いっきり身体を使って薪を割る体験も

(パッカーン!と薪が割れたときの気持ちよさったるや)

おかん:瞑想とか、座禅とか苦手なんですよね。都会だと、目を閉じても耳からの情報が入ってくるじゃないですか。せっかく意識が張りつめてきたのに「バー●ラ、●ニラ、●ニラ求人!」って聞こえてきた瞬間に全てが台無しになる。

みよし:雑念の権化みたいな音声を例えに出すな。

おかん:行為そのものじゃなくて、雑念を取り払うための雑念を取り払うための雑念を……っていう余計な意識のループが嫌で。

みよし:スノートレッキングは真っ白な雪の中を「ミシッミシッ」と雪を踏む音だけ聞きながら歩くと無心になれるし、薪割りもただひたすらに薪を割ることだけに集中しちゃうから、ホントすごい没頭体験になる!これやってオフィスに戻ったら、最高に集中した状態で仕事を始められるね!!!
花粉症回避なら暖かい沖縄のほうがいいじゃん…って思ってたけど、こんなところに寒さの効用があったなんて!

ストレスを丸太にぶつけた結果、大量の薪が完成した。

みよし:ところでさ、花粉症の症状はどうなの?

おかん:あっ!!

みよし:ん!?

おかん:やばい!!!

おかん:全っっっっ然出てない!!!!

みよし:マジか!

おかん:この時期だと毎日100回以上はクシャミしてるし、ティッシュひと箱3日くらいで使っちゃうんですが、全く症状が出てない!

みよし:やっぱり意味あるんだ。

おかん:これは意味ありますね!!そもそも「花粉に悩まされることがない」とい前提があるだけで心の持ちようが断然違います。空気がきれいだから、鼻もスースー通るし頭もシャキシャキ!


あ〜〜〜〜〜〜〜ッ


ボサッ!!


帰りたくねえ〜〜〜〜〜!!!!!

花粉症が酷い人たち全員シーズン中は北海道に来るべき!こんなに快適な春を過ごすなんて何年ぶりかよ……!正直いま戻って京都でこの記事を書いてますが、今すぐに逃げだしたいくらい毎日しんどいです。

みよし:あーでも北海道にもシラカバ花粉があるらしいんだよね。重度のアレルギー体質のおかんなら、いずれはかかっちゃいそう…

おかん:そ、そしたら今度は沖縄に逃げます!!


終わりに

厄介でたまらない花粉症。なかでもスギ花粉症、続いてヒノキ花粉症は国民病ともいわれるほど、罹患者が多いことで知られています。本来は草花が芽吹き、新しい四季の到来を喜ぶ春なのに、いつしか憂鬱なものでしかなくなった……というみなさんに伝えたい。

雪国に行けばいいんです!!

スギ花粉とは無縁な下川町はまさに奇跡レベルの過ごしやすさでした。ニルヴァーナはここにあった。ただ、アクセスが東京などの都心部からは遠いといった面もあるので、率直に感じた、いい点悪い点を以下にまとめています。

花粉シーズンに下川町に行くメリット

・花粉症とは無縁の生活が送れる
・症状が出ないのでキツい薬がいらない。薬漬けに悩む重度の人は超うれしい
・これで花粉に悩まされなくて済む…という気持ちだけで心が明るくなる
・視界が雪ばかりだし静かだから、雑念に悩まされにくい
・近くに雪原があるので、雪を堪能しながらリフレッシュができる

花粉シーズンに下川町に行くデメリット

・移動が半日レベルで面倒(旭川空港→旭川駅→名寄駅→車移動)
・ショッピングや映画館などのような外遊びするところがない
・雪がとにかく大変
・やっぱり車があったほうが便利
・コンビニが町にひとつしかないので夜のちょっとした買い物が大変

ただ、アクセスの悪さは長期滞在することで緩和できますし、複数人のチームでまとまって行けば、運転手係を分担したり、仕事以外の時間にみんなで温泉に行ったり飲みに行ったりできます(実際に毎日温泉行ったり、スナック行ったりしました)

コンビニや飲食店の数など、外遊びの要素が限られている分、おいしいコーヒー豆とミル、プロジェクターなどを持ち込んでちょっと上質な「おこもり」を楽しめば「なにもない」のも解決できそう。

要は「ものは考えよう」

マスクの着用や投薬、食生活の改善でマシにはなるものの、一度発症すれば一生治ることはない花粉症。今回みたいな新しい働き方で、全国の悩める人たちにステキな春がやってくればいいな〜!

そんなカヤックさんが花粉症回避のためのサテライトオフィスを作るとのことなので、もし興味があったらイベントに参加してみてくださいー


サポートを検討いただいた方、それよりもこの記事を読んだら良さそうな方に広めていただけると助かります!!ありがとうございます!