透明な夜の匂いを、いつも求めてる。日が落ちたばかりの住宅街で、真夜中の、海の底みたいに静まり返ったベランダで、毎日その香りを求めて匂いにいく。朝と夜の空気の匂…
kaya
2024年3月8日 18:05
透明な夜の匂いを、いつも求めてる。日が落ちたばかりの住宅街で、真夜中の、海の底みたいに静まり返ったベランダで、毎日その香りを求めて匂いにいく。朝と夜の空気の匂いが違うことに気付いたのは、もう随分前。たぶん子供の頃。淡くて、甘くて、そんな透明な空気の塊に癒やされることに気付いたのも、たぶん同じ頃。 一度絡まり始めた糸が中々解けないのと同じように、幸せだと思うことが出来たはずの日常の欠片ですら、