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群れるのは人の弱さですか

空前の登山ブーム、山好きが増えるのは良いが、登山者の数が凄い事になっている。
富士は日本一だ、眺めるには。富士に一度も登らないバカに二度登るバカ。
そんなに群れてまで登るのは人の弱さかな。

私は山が好きだ。だから同じ様に思う人が増えるのは嬉しい。他意は無い。
山が賑わって関連施設やショップが増えるのも有難い。
山の話が出来るのも楽しい。何より、山に魅了される気持ちは共感できる。自然にはそれほどの魅力が有るからだ。

例えば山頂近くのテント場で、眼下に雲がずっと先まで広がっている。
雲の波がうねりを上げている雲海にオレンジが沈んでいくと、空との境界が赤く染まり、乱反射した光がその海をピンク色に染めだす。
光に照らされた稜線が浮かび上がる。隆々とした尾根が力強く存在感を見せつける。天を突くほどの尖った岩が眩い光を跳ね返す。
鮮やかなコントラストの光は、やがて深い藍色の闇が呑込んでいく。
何とも例えようの無い幻想的な光景。自然が見せるこの色は、デジタルで加工の必要もない。こんなの見てしまえば、もう山の虜だよ。

富士山近くの愛鷹山塊の越前岳へ登る十里木登山道は、手軽で人気の登山道だ。
以前は足首程度の深さの一本道だったが、今は数えるのも難しい程に複雑に複線化している。雨風や土壌によるものも当然あるが、完全にオーバーユースによる踏圧が大きな原因だ。
越前岳から富士見峠への登山道も場所によって1M以上も深く削れてしまっている。
このような登山道の荒廃は全国の山で起きている。
愛鷹山の場合は、それが凄い短期間で荒れてしまいました。

一つのエリアに人が集中する事で自然環境に悪影響がでる。大人数よる圧力が自然の許容範囲を超えてしまうと、あっという間に自然は壊れていく。

じゃあどうする、どうすればいい。

「自然環境に影響を与えるので登山はするな」それは違う。
山に人が入らないのも自然環境には良くない事だと言われている。
人の営みも生態系の一部という考えで、自然が保たれる「保全」で人の手によって自然が枯渇しない様に護る。人の強さ。

個人で大きな事をするのは難しいけど、意識する事は出来る。
山に入る人が自然環境を意識しながら登山を、自然を楽しむのが大事ではないだろうか。
「自然を意識して登山する」これが「未来のために出来る事」の最初の一歩で、持続的に出来る事の一つだろう。

この一歩は小さな一歩だが、自然にとって最大の一歩である と信じる。


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