見出し画像

芸術は言葉を超えるのか

昨日、友達のインスタ投稿写真を見て、「えっ」と思った。

自作プリントTシャツの写真。
なかなかスタイリッシュにできている。
だが、それよりも、私はそこに書かれていたドイツ語が間違っているのに気づき、「こ、これは……」となってしまって、今ココである。

投稿主の友達は、ドイツが好きで、ベルリンにも遊びに来たことがある。
だからこそ、ドイツ語を使ったのだろうが、ドイツ語の知識は皆無なので、
非常に初歩的な、だが非常に痛い間違いを犯していた。

このご時世、言葉をプリントする前に念のためチャットGPTに、「このドイツ語で意味が通じるか」とか「このドイツ語文はおかしくないか」と聞けば、きっと「間違ってますよー」と教えてくれたはずだ。

だが、堂々とそこに変なドイツ語が載っているのは、たぶん、友達がその用法が正しいと信じて疑わず、調べなかったからに違いない。

それか、その文字の羅列は、ドイツ語単語ではあるがメッセージ性は全くなく、デザインの一つとして使用してます、というなら、まぁ……うーん。

前置きが長くなった。
では一体、その言葉の何が問題なのか。
ググるとヒットしそうなので、あくまで例を挙げて、この違和感をお伝えしてみよう。

英語で『No Music, No Life』というキャッチフレーズはよく見かけるし、意味もわかる。

でも、ドイツ語では上と同じ意味にしようとして『Nicht Musik, Nicht Leben』や、『Nein Musik, Nein Leben』という使い方は誤りだ。
(頑張ってニュアンスは掴める)
もう、初級ドイツ語学習者さんでも、私が次に何が言いたいかわかると思う。

ドイツ語では、名詞に直接かかる否定語はkein, Keine, Keinen…(名詞の性、活用によって変化がある)なので、『No Music, No Life』なら、『Keine Musik, Kein Leben』にならなければいけない。
これは『not Music, not Life』で、「ん?」って感じるのに近いと思う。

でも、友達は否定語はおそらくNeinしか知らなかったのだろう。
名詞にしっかりそれがドッキングされていた。
えー。と思わぬか? 全世界のドイツ語学習者さんたちよ。
ネイティブなら、苦笑して許しそうだけど。

まあね、これが『アートです』って胸はって言われたら、それはそれでいいのよ。
でもなあ。言葉を連ねられたら、そこにメッセージ性を探してしまうのが人間だと思うの。
バラバラに書かれてたら、まあ、ドイツ語のデザイン?って認識するかもだけど。

結局、『なんだ、外国語を使った変なロゴ、あるある』の話かよ。 
なんですけど、それが友達だから困ってしまったわけです。
あとは、デザインと文字の力関係にも改めて気が付かされました。

文字がデザインを際立たせるのか。
デザインが文字(メッセージ)を際立たせるのか。
または、両者の調和が取れるのか。
個人的な好みでは、わたしはロゴTはあまり好きじゃないかな。

で、あなたなら友達に間違いを指摘します?
言ったところで『あ、そうなんだ、あははー。ま、これはこれで』ってなりそうな気もする。
すっごい微妙な問題じゃないですか?

「わかって使ってると思うけど……」って前置きして、周りくどく指摘した方がいいかしら?
なんか、追加生産しそうなことも書いてあったし……。
もし、誰か見かけたらコメントで指摘してあげてください。(責任転嫁)
もう、アートで括ってもいいか。

ドイツ語って、かっこいいイメージあるんで、色々小説やアニメに使われていますが、ちょっとした間違いが、意図せず、すっごくカッコ悪くなることもあるので、皆様、ご利用の際にはお気をつけください。
(どんな言語でもそうだけど)

サポートありがとうございます!こちらのサポートは三倍になってあなたに返りますよ!