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心温まる病院での出来事:性別適合手術に向けて

検査のための病院探しから始まった挑戦

先日、私は性別適合手術に向けた健康診断を受けるため、病院を探していました。タイの病院で指定された項目が細かく、更にデータで提出することなど…これまで通っていた病院では対応できない検査が必要だったため、新しい病院を見つけなければならなかったのです。しかし、何度も問い合わせても「そういうのはやっていません」と冷たく断られ、心が折れそうになっていました。

ようやく3件目で、親身に話を聞いてくれる病院に出会うことができました。「大丈夫ですよ。診察を受ければ保険が適用になるかもしれませんよ」と優しく対応してくださり、その場で予約を取りました。初めての病院に行くときはいつも緊張します。特に戸籍上の性と見た目が異なるため、保険証を出す際に生まれる「間」に今でも慣れません。

病院での温かい対応

その病院は小さな街の一角にありましたが、待合室は患者さんで賑わっていました。スマホで問診票を入力していると、性別欄に「その他」という選択肢があるのに気づき、少し驚きました。思い切って「トランスジェンダーなんですが、その他でいいですか?」と聞くと、受付の方が優しく「はい、もちろんです」と答えてくれました。その瞬間、とても配慮が行き届いた病院だと感じ、嬉しくなりました。

診察と先生の驚きの言葉

診察室に入ると、30代中盤くらいの優しそうな先生がいました。手術のことや必要な検査内容を説明すると、先生は「うん、ぜんぜん大丈夫」と自然に受け入れてくれました。この穏やかな対応にも、心が温まりました。

その後、検査室に案内された際、男性用の水色ガウンと女性用のピンクガウンが目に入りました。どちらを渡されるのか少し緊張していましたが、看護師さんがピンクのガウンを渡してくれた瞬間、気遣いに感謝し、安心感が広がりました。

検査が終わり、再び診察室に戻ると、先生が「データはCDロムで提供できますよ」と言ってくれました。至れり尽くせりの対応に感謝しつつ帰ろうとしたとき、先生が最後にこう言ったのです。「うちの妹も同じ手術を受けたんですよ。頑張ってきてくださいね」と。

「妹…?」と一瞬混乱しましたが、すぐに先生の意味に気づきました。生まれたときは弟だったけれど、今では「妹」として認識している。自然に話されるその姿勢に、私の心は震えました。

温かさに包まれた病院

病院全体が温かい雰囲気に包まれていて、看護師さんも帰り際に「頑張ってきてくださいね!」と声をかけてくれました。私も「す、すごく、いい病院です!」と感謝の気持ちを込めて伝えましたが、言葉では表しきれないほど素晴らしい場所でした。

この経験を通じて、私は世界が確実に良い方向へ向かっていると感じました。そして、性別適合手術に向けてさらに自信を持って進んでいけると思えるようになりました。準備は整いつつあり、あとは少し体重を落とすだけ。新しい未来への一歩が、今始まろうとしています。

この投稿は先月threadsでたくさんの反響をいただいたのでこちらでも投稿させていただきました。

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