ドリアンは切るのではなく「剥く」

ドリアンを初めて扱う方が直面する「切り方がわからない」という非常に深刻な問題があります。

弊社の生ドリアンを購入していただいた方には、紙の説明書きに加え、QRコードを読み込むとYoutubeで剥き方の動画が見られるので、少しでもお力添えができていればと思っていたのですが、なにぶんなじみのない果物の上に、特殊な構造の果実ですから、「おいしかったです!」というメッセージに添えられている写真は果肉が真っ二つということも少なからずあります。

同封している説明書きでは文字数の関係で書き切れていないところがあり、剥き方の動画だと音声はありませんので、致し方ないかもしれませんが、もし今後ドリアンを食べる予定があり、綺麗に果肉を取り出せるか不安な方はご一読いただけると幸いです。

ドリアン果実の構造

そもそも果肉が真っ二つになるように切ってしまう原因には、構造があまり理解されていないということが挙げられそうです。日本でよく食べられる果物でカットが必要なものは、リンゴ、カキ、オレンジ、ナシ、メロンなど、とりあえずえいっとくし切りにするのが一般的なので、ラグビーボール型のドリアンを見ると同様にズドンといってしまいたくなる気持ちは理解できます。しかし、かわいいかわいい果肉をいかに傷つけず、ぽろんと取り出すかがドリアンラバーとしては追及したいところです。そこで、ドリアンの果実の構造を是非知っておいてください。

画像1

ドリアン構造図改訂版

ドリアンの果実の構造は大まかにはこんな感じです。可食部とするところは「仮種皮(種衣)」と呼ばれる部分で、種の周りを覆っています。熱帯の果物に比較的多く見られる特徴で、マンゴスチンなども同じような構造をしています。日本でよく食べられる果物で言うとザクロやライチでしょうか。この特殊な構造と果実の大きさが人心を惑わしてしまっているのだと思います。
また、別の角度からドリアンを見ると以下のようになっています。

スライド7 (2)

図の黄色で塗りつぶしている楕円の部分が果肉の詰まっている場所のイメージです。ドリアンは果肉が非常に柔らかいので、輪切りにして綺麗な状態で写真を撮ることができませんでした。

ドリアンを「剥く」

ドリアンの構造はなんとなくわかっていただけましたでしょうか。
やはりドリアンは「切る」というよりも「剥く」という方が適している気がしてきますね。

最重要ポイントを先に示しておきます。
必ず、刃先のみを使って切ってください。
正確には刃先の3cmが目安です。ドリアンの構造上、がっつり刃を入れてしまうと、果肉や種子まで切れてしまいます。

さて、コツをおさえた上で、ドリアンを剥くときに注目するのは2点、お尻の模様トゲの向きです。
特に猫山王ではお尻の星形の模様が顕著なので、☆の5つの先端の延長線上に刃をいれていくと果肉がある場所に切れ込みが入ります。
雷神(D24)も星形の模様がありますが、少しわかりづらいことがあるので、トゲの向きを注視しながら刃を入れていきます。

スライド9 (2)

刃の先を使って、丁寧に外側の殻にだけ切れ込みを入れ、最後はお尻の部分から手でぱかっと開くとあとは至福の時間です。
口いっぱいにほおばるなり、ちびちびとアイスクリームのように食べていくなり自由にお楽しみください。

剥くのには初めは時間がかかりますが、慣れてくると1つあたり1分ほどで剥けるようになります。
おそらく現地のドリアン屋台の方々はさらに速いですが、大量に剥くこともそうないと思いますので、ケガのないよう、ゆっくりと行なってください。殻付きのドリアンを剥くライブ感は丸々1玉手に入れたときにしか味わえない貴重な体験です。
ドリアンの楽しみは剥くところから始まっているのです。


最後にドリアンを剥くところから体験したいという方に朗報です。
2022年2月18日まで、マレーシア産生ドリアンの予約注文を受付中です。おそらく今シーズン最後の輸入となります。ドリアンを剥いて食べる非日常体験をしてみてはいかがでしょうか。
ご注文は以下のリンクから。
https://kaworiorchard.stores.jp/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?