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セミの鳴き声に耳をすまして

みなさんの夏の風物詩と言えばなんでしょうか?
ひまわりや海水浴、かき氷、そうめん、スイカ、ドリアンなど、夏といえばというものはたくさんありますが、私は個人的にはセミなんです。

セミは7月頃、早い年では6月の中旬ごろから鳴き声が聞こえてきますが、種類によってとても特徴的な鳴き声があり、地域や時間帯によって聞こえてくる鳴き声が違います。聞こえてきたときに、ああ、夏だ…と思いますし、旅行なんかに行くと違う鳴き声が聞こえてくるので、より一層遠くに来た実感がわきます。
種類によってどんな鳴き声になるのか種類別に紹介していきます。
あと鳴き声は全部聞こえたままなので、人によってはそんなの聞こえねえよ、っていうのはあるかもしれません。

アブラゼミ

鳴き声:ジーリルルジーリルルジーーーーーーリルリルリルリルリルリル

一般的に多くみられるセミです。
市街地から森の中までどこでも鳴いているような気がします。
世界的にみると、セミで羽に色がついていて不透明なのは珍しいそうですが、日本ではどこにでもいるので、レア感はありません。
茶色い羽根が木の色と同化して、高いところで鳴いていると見つかりにくい時もありますが、コンクリートにとまって鳴いているときもあるので、詰めが甘い天然キャラです。

ミンミンゼミ

鳴き声:ミーーンミミーンミーンミーンミ゛ィィィィィ

首都圏では多く見られるセミですが、関西出身の私はなかなか見られないセミと認識していました。実は森林が主な住処となっているようです。
おなかが短く、漏斗のような形をしていてずんぐりむっくり感がかわいらしいです。体色の緑色も翡翠のように澄んでいて、透明な羽がヴェールのように見える美しさがあります。
ミンミンゼミという名前の先入観でミーンと聞こえていますが、どちらかというとヴィーンなので、ヴィンヴィンゼミが最適なのではないかと思っています。

クマゼミ

鳴き声:シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン

関西圏の市街地に多く見られる大型のセミです。
黒いボディですが、光を反射して鈍いグレーにも見えます。羽の緑のラインがはっきりと映えるので、デコトラのような威圧感があります。
関東に来てからは経験したことがないのですが、大阪では爆音で鳴いています。地下鉄の出口を出ると音圧を感じるほどに爆音のシャンシャン大合唱が聞こえます。これはクマゼミは他のクマゼミの声が聞こえないと移動するため、お互いが近くにいる状態で鳴きまくっているからです。
孤独を愛せないセミ、それがクマゼミ。

ヒグラシ

鳴き声:カナカナカナカナカナカナカナカナ

和名に「セミ」がついていないタイプのセミです。
夏の終わりを告げるセミとして有名なヒグラシは、8月の下旬頃から姿をみせます。
特徴的な鳴き声は物悲しい雰囲気で、楽しかった夏の思い出や、最後の花火を楽しむときの情緒を演出してくれます。
ヒグラシの声を聞かなくなると本格的に秋になり、肌寒さを感じるので、季節の変わり目の使者のような立ち位置になっている、いわゆる「エモい」やつです。

ニイニイゼミ

鳴き声:ニ゛ッニ゛ニッニ゛ィィィィィニニ゛ッニッ ニ゛ィィィィィィィィ

見かけると嬉しいセミランキング1位のセミです。
全身土まみれになったようなざらっとした質感が特徴的な小さめのセミです。特に幼虫は殻に土がついていて、他のセミの抜け殻と簡単に見分けられるので、見つけた時は「ニイニイゼミだな」と思ってにやりとしてしまうような愛らしさがあります。
以前はなかなかお目にかかれないレアセミでしたが、最近は数も増えてきたようで、市街地でもときどき見かけるようになりました。
擬態が上手なくせにちょこちょこと動き回るので、意外とすぐに見つかります。

ツクツクボウシ

鳴き声:ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ ツクツクツクツク ァァァ ツクツクボーシ ツクツクボーシ ツクツクボーシ ツクツクィー ツクツクウィー ツクツクウィー ツクツクイーヨー ツクツクイーヨー ツクツクイーヨー グゥゥゥゥゥ

鳴き声が名前になったタイプのセミです。ミンミンゼミやチッチゼミと同じ発想ですね。
特徴的な鳴き声で、1セットで様々な鳴き声を出します。
実は他のセミもよく聞くと1セットになっている鳴き方のパターンがあるのですが、微妙な違いなのと、どこまでが1セットになっているかよくわからないので省略しています。
八丈島にはツクツクボウシしか生息しておらず、「ツクツクボウシの楽園」と呼ばれています。

セミは千差万別で面白い

日本に生息しているセミを数種類ご紹介しました。
世界にはまだまだ多くのセミがいて、日本国内でもこれらはまだその一部にすぎません。
春に生まれたり、秋に生まれたりするセミも国内には存在しますし、アメリカでは「素数ゼミ」と呼ばれる、13年または17年周期で大量発生するセミもいます。
また、セミの寿命は1週間という俗説がありますが、最近では成虫になってから1か月程度生きているということがわかっています。
そもそも短命の象徴となっていますが、幼虫期間を含めると6年程度って昆虫のなかではかなりの長寿なんですよ。

是非この記事を読んでいただいた方はセミの鳴き声に耳をすませてみてください。
私は今週末からマレーシア出張なので、マレーシアのセミを見てみたいと思います。

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