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かがくいひろしさんの回顧展に行ってきた

 保育の現場で働いていると目にしたことがあると思います。“だるまさん“シリーズ。

「だるまさんが…トテッ」と読み聞かせをしながら、一緒に私も転ぶと、子どもたちも転ぶんですよね。これが本当に可愛い。

 特に乳児クラスの子達は内容を覚えちゃうくらい好きな絵本なんじゃないかな。出てくるだるまさんがすごく愛らしいんですよね。

 このだるまさんシリーズには個人的に思い出があって、2年前担任していた年長クラスの子達が大好きだったんですよ。好きならば何度も読み聞かせしちゃうのが私なのですが、なぜか他のクラスの先生には「この年齢でこの絵本で笑えちゃうのはちょっと幼稚だよね」とか言われましたけど。

 好きなら別にそれでいいと思うけどね。

 むしろその発言があまりにも稚拙過ぎて、何の返事もしてやりませんでしたが。笑

あ、これはちょっとイラッとした思い出です。笑

で、このだるまさんが好きだった子たちなので、当時作ってた誕生日表をだるまさんにしてあげたんです。ただし、用意したのはあくまでだるまの型のみ。

渡した型を横にしようが、ひっくり返そうが構いません。自分が“このポーズだ!!“と思ったところで、自分の名前と生年月日を書き入れる。すると、クラスの壁にはいろんなポーズをしただるまさんが並ぶことになるんですよ。あの子たち、すごく大事にしてくれていたなぁ。

 卒園の日には1つひとつのだるまの裏にメッセージを書いて返しました。それもいい思い出です。

笑顔にしたいという思い

 かがくいさんはすでに亡くなっています。私もこの個展にきて初めて知りました。だるまさんシリーズがヒットしたのが50歳で、そこから4年後には亡くなってしまったそうです。その間、世に出した作品は16作品。そのどれにも、根底には“子どもたちを笑顔にしたい“という思いがあったそうです。

 私はこの回顧展のかがくいさんの言葉や作品を見る中で、今の自分がやっている保育に“笑顔にしたい“という思いを持っているかな?と考えたんです。

 もちろんその思いはあるし、子どもたちは笑ってくれています。でも、昨今の私が身を置く保育の環境って、保育者が目立ちすぎるのが良くない部分があると思ってるんですよね。

子どもたちの主体性を大事にする
子どもたちの発言を大事にする

そんなことは分かってるんですが、そうなると保育者があんまり口出すことって…ない?
こうしたら面白くなるだろうと想像できるのに、それはあくまで大人の考え方だから。子どもたちが考えたこと、やりたいことを第一にすると、失敗することだってある。けれど、それはその子らの学びだから良しとする。うん、実に素晴らしいことだ。

でも、それって子どもたちを笑顔にしてあげられてるのかな?と思うんです。なんかここ最近、ずっとそれが頭にある。

多分、私は子どもたちに色々としてあげたいんだろうし、「先生すげーっ!」って言われたい。こんな変な大人もいるんだよって見せてあげたい。笑

 私はずっと先生が前に立って、子どもたちと向かいあって関わることの方が多かった。けれど今は輪になって関わり合っている。輪になったとしても子どもたちを笑顔にする方法はあるんだろうし、自分の努力が足りていないんだと思いますが…。

 今は本当に“子どもをただ見守る人“になっちゃってるんだよね。

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