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紙粘土はコーナー遊びには向かない?〜前編〜

 先週から保育室内のコーナー遊びの一画に“紙粘土遊び“のコーナーを設けてみました。子どもたちの遊びの様子、発展していく様を色々と期待したのですが、私が思っているようにはいきませんでした。今の段階では私は“紙粘土は常駐コーナー遊びには向かないな“が結論です。

 なぜ、紙粘土をコーナー遊びとして取り入れたのか。そして、なぜ向かないなと判断しているのかを順を追って書いていきたいと思います。

LaQ(ラキュー)

 紙粘土を使った遊びをコーナーに置く以前は、LaQ(ラキュー)というパズルが代わりに置いてありました。子どもたちはとても親しみを持っていて、登園してくると8人くらいはすぐにLaQで遊び始めるほどでした。ブロックのような、パズルのようなおもちゃで、細かな作業が得意な子で1時間以上じっくりやっている子もいました。
 このLaQは①自分で作りたいものイメージして作り上げていく遊び方と、②見本を見て作り上げていく遊び方がメインになると思います。今のクラスの子たちは圧倒的に②の傾向が強く、毎日見本が載っている冊子を見ては必要なパーツを集めて作っていました。
 そんな姿を見て私は、LaQでベイブレードを模したものを作って見本として置いておきました。その時期はとにかく男児たちはベイブレードに夢中で、積み木だろうがブロックだろうが何でもベイブレードに見立てて回しまくり。笑 
“じゃあそれをよりリアルに作れるLaQでやってみたらいいじゃない“ということで、私が作ってみたんです。
 これが瞬く間に流行りまして、それぞれが好きな形、色のベイブレードを作っていました。LaQにはパーツによってジョイント箇所が多いものがあり、そこにオリジナルで武器のようなものをつけられるのが、カスタムしがいがあって面白かったのだと思います。2ヶ月ほど、毎日毎日やってました。

新たな刺激を

 2ヶ月間、毎日同じものを作り上げて、友だちと戦い、また修繕して…の繰り返し。とんでもなく夢中になっていると捉えることができます。けれど、少なくともこの男児たちはベイブレード以外にも作れるものがたくさんあるのに、ベイブレードしか作らなかった。要するに、遊びに発展が一切見られなかったんですよね。

 みなさんだったらこの状況、どう捉えますか?

私は遊びの発展がない状況を見て、ちょっと勿体無いなと思ったんですね。脳みそがやわらかーいこの時期に、同じ刺激しか得られない遊びだけをしているように映ったんです。

 “これは意図的にLaQを一度撤去し、新たな遊びを入れてみたい“となったのです。せっかくだから新たな刺激を受けてもらいたかったのです。

手先・指先を使う点では同じ遊びだけど

 LaQで遊ぶ子どもたちを観察していて感じたのは、

・色合いへのこだわりが強い
・手先や指先を使った活動が好きだったり、得意だったりする

という長所でした。そんな彼らの長所に沿いながらも、LaQとは違う刺激を与えられることはないかな?と思っていた時に、ふと降りてきたのが“紙粘土“だったんです。

・LaQは色合いが濃い→紙粘土は混ぜる絵の具の量にもよるが、パステルカラーのような淡い色を再現できる
・LaQはつまむ、はめる、つかむなどの手の動きを多く行う→粘土はこねる、押し伸ばすなどの動きも必要になってくる

このようにLaQとは明らかに得られる刺激が違うだろうということが予想されたので、紙粘土コーナーを設けることにしたんです。


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