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保育のあらゆる問題を解決するのは、結局〇〇

 今朝、大阪府堺市にある認定こども園で、職員が一斉に退職するというニュースを見ました。ソースはこちらです↓

 法人会長が保育士に対して「コマ」呼ばわりしたり、職員を増やして欲しいと訴えるも取り合ってくれなかったりしたことが原因とのことです。

 なるべくしてなった結末だと思いますが、最悪の事態は避けられたようにも思います。最悪の事態は溜まりまくった不満の矛先が、子どもに向けられて、保育者自身も罪悪感に苛まれること。

 通っている子どもたちをどうするつもりか?と言いたくなるでしょうが、保育士だって人間です。良い保育をするためには自分を守らなければならないと思います。先生方の心が壊れる寸前での決断に、私は賛同します。(そして先生方は子どもたちのことを気にしてないわけがないです。)

ヒューマンエラーはシステムエラー

 大量退職の原因となった、法人理事の差別的な発言。これはもうこの人の性格なんじゃないかと。現場を軽視している人になんか誰もついて行かないと思います。ここに関しては今回は言及しません。

 では問題のもう一つ。“新しい職員が増えないこと“について。

 今回は幸い起きなかったですが、もし保育者が子どもに手をあげるというヒューマンエラーが起きたとします。ここで保育者自体を責めても問題の本質の解決にはなりません。ヒューマンエラーはシステムエラーがあるから起こるからです。

 保育者が子どもに手をあげる(ヒューマンエラー)
 ↑
 職員不足で保育に余裕がない(システムエラー)
 ↑
 募集をかけても、人が集まってこない(システムエラー)
 ↑
【   】

この【】には何が入ると思いますか?

結局、行き着く先

 先に申し上げておくと、“ヒューマンエラーはシステムエラー“という言葉は、西野亮廣さん著「夢と金」に出てくるワードです。そちらでは知床観光船沈没事故を例に、“ヒューマンエラーはシステムエラー“を解説してくれています。

 あの悲劇が起きてしまったことも、そして今回の大量退職にも共通して不足していたもの、それはお金です。先の【】に入るのは給料が安い(=お金がない)になります。

 保育に関連する事故・事件が起きる際に、必ず問題提起されるのが保育士の給与問題。“生命を預かってくれているのに給与が安すぎる“と声高に言ってくれる人がいることを知っています。

 けれど、それはいつ実現するのか。事件の瞬間には取り上げられるが、少しずつ下火になって意識から消えていき、今回のような事件が起きてまたクローズアップされる…この繰り返しじゃないでしょうか。

 こうなってくると状況が変わるのを待つのではなく、自分から変化していくしかないと考えるのは当然でしょう。

 保育者とは、保育者の働き方とはこうあるべきという考え方に囚われていてはいつかやっていけなくなるだろうと危惧しているのです。

 最後に、今回退職する決断をした先生方が心穏やかに過ごせる日がくることを願っております。

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