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【縦割り保育】子ども1人ひとりが先生になっちゃう保育?

 タイトルにありますように、業務上『縦割り保育』についてのメリットやデメリットをまとめておく必要に駆られましたので、今回はそこをテーマに書いてみたいと思います。

縦割り保育とは

 ひとまずネットで調べてみますと、

縦割り保育(異年齢保育)とは、一般的な保育園のように0歳児クラス・1歳児クラス…と年齢ごとにクラス分けをするのではなく、さまざまな年齢の子どもでグループやクラスを作って一緒に保育を行うこと。縦割り保育のほか、『異年齢保育育』や『混合保育』などとも呼ばれています。 

と出てきました。概ねその通りだと思います。さらにその実践の方法まで踏み込みますと、

①年齢関係なくクラスを決めて完全縦割り保育(異年齢保育)をする保育園や幼稚園 
②1週間のうちの何日か、年齢を混ぜて行動を一緒にする形態を取っている保育園や幼稚園。
ほとんどの縦割り保育(異年齢保育)を行っている保育園は、年齢ごとに教室を分けるのではなく、ロッカーなどを使用して仕切りを作っている。

ということです。

私は以前働いていた園では、縦割り保育を実施していましたが↑のような定義にやや当てはまるかな?という形でした。

ここからはその時、行なっていた様子を振り返りながら書いてみたいと思います。

2つのクラス

 当時は年長・年中が半々ずつ混ざったクラスが2つあり、その形態を縦割り保育としていました。普段の遊びをはじめ、朝夕のお集まり、給食、午睡などを4・5歳児が混ざったクラス単位で生活するというものです。

 当然、学年単位での活動もあるので、そこは担任間で連携を図り、時間を確保するようにしました。

 ここでコロナがやってきて完全に学年が分断され、縦割り保育は終わったのですが、実施している時点で先生方からは不満が出ていたことは確かです。

 学年で、連続して取り組みたいことに、取り組みにくい

これが全てだったように思います。1日の中でクラスが大きく変化することもありました。こうなると、わざわざ縦割り保育の意味ってあるの?となってもしょうがなかったように感じます。

 ただ、その頃は年間の行事が多かったのも事実。そのスケジュールの中で縦割りをするのはもしかしたらしんどかったかもしれない。けれど、コロナで行事が見直された今、保育に余裕が出てきたタイミングであれば縦割り保育は輝くかもしれません。(あくまでも以前の園であったらの話です)

結論:全員が先生

 こういうのってデメリットを挙げればキリがないのですが、その最たるが学年で、連続して取り組みたいことに、取り組みにくいということでしょう。けれど、これも学年という考えを取っ払えば可能なのかもしません。このあたりは園の方針に左右されるので、明確な答えは出しにくいと思います。

 では逆にメリットは?

 これも項目を細分化していけば、たくさん出てきます。そのいずれの項目にもあるのは、刺激し合いまくりの環境が待っているということです。

 保育者が1つひとつ言葉にして伝えようとしていたことを、子どもたち同士が代弁し合ってくれる。それは単に言葉だけではなく、身振り手振り、視線、テレパシー(?)…と多岐に渡ります。

 これらを発信する側、受け取る側がどのように伝えるか、どのように受け止めるかを関わりの中で身につけていく。まさに1人ひとりが先生になるわけです。

 子どもたちの中には、先生に言われても聞こうとしないのに、少し上のお兄さん・お姉さんの話だったらすんなり聞いちゃうという子もいたりします。

 子どもたちの刺激し、刺激されるという相互関係を上手く使えるのが、縦割り保育のメリットだったかな〜と思い出します。

メリットの例

 遊びの仕方を例にとっても、本当に幅が広がるのが見てても分かりました。

例)年中児がブロックで作った武器。かっこいいのを作ったと思っていたのに、もっとカッコよくて、機能的な武器を年長さんが作っていた。

 そこで年中児は、
「ねぇねぇ、同じのを作って欲しい」とお願いする力で出てくる。作ってもらえる時もあれば、作ってもらえない時もある。そこでお願いする方法を模索しようとする。それでも作ってもらえない時がやってくる。

 すると、今度は「それ見せて〜」と完成品を見て、真似しようとする力が湧いてくる。形はもちろん、色もこだわろうとすれば、ブロックが足りない場合もある。そしたら今度は交渉しなければならない。交渉が実らなければ、妥協しなくてはならない場面にも遭遇する。でもそこで、「これでもいいじゃん!」と新しい視点に気づく。

 そうこうしているうちに、年中児の彼はその“カッコイイ武器“を自分で作れるようになっている。同時に彼は年中児の中でカッコイイ武器を作れる子認定されて、今度は同学年の子たちにせがまれる。「しょうがないなぁ〜」と作ってあげるけれど、それが徐々にめんどくさく感じてくるから、相手にどう断ったらいいのかを考え始める…。

 これは自分が担任していた子の姿を思い出しながら書きました。これらの葛藤や経験が文章にしてみるとこんなにも繰り広げられていたんですね。(もちろんもっといっぱいあるはず)

 こういう状況が生まれやすいのが縦割りなんじゃないかな〜。これって結局は生きる力にも繋がってくるわけで。

 ここまで書いてきたことを、もう少し削って、他の先生にプレゼンしようと思いまーす。

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