モンテッソーリ教育・運動会・経営方針

うちの子どもは2人ともモンテッソーリ教育の幼稚園に通っていた。

モンテッソーリ教育とは、どういうものなのか、Wikipediaで読んだ程度の知識しかないので詳しいことは書けない。モンテッソーリ教育そのものの善し悪しの話も書かない(基本めちゃ良いと思ってます)。今回は運動会のことを書きたいんです。この幼稚園の運動会が衝撃的でいまだに忘れられず、たまに思い出し、なんだったら、ZIZOの会社運営・経営方針の根幹に組み込まれてたりする話です。

「運動会」と呼んでますが、正しい名前は「スポーツ・デイ」。2013年。僕は3歳の息子とともに「スポーツ・デイ」に参加しました。そこで見たものは・・・

・お遊戯とか出し物とか、決められたプログラムがない。

・グラウンドが白線で仕切られていて「ダンスする場所」「輪投げする場所」「グラウンドをぐるぐる歩いて1周するごとにスタンプおす場所」「ドッジボールする場所」「50mのタイムを測定する場所」みたいなイベントが用意されているだけ

開会式と閉会式のあいだの行動は自由。先生は危なくないかだけは見てるっぽい。

卒園生も参加自由。体育のコーチと卒園生が本気でドッジボール。

父兄も参加自由。50m走はお父さん同士が本気の競走になる。

2014年の秋に僕がFacebookにあげた写真を発掘してきました。「次は年中さんの可愛いお遊戯です!」みたいなのがないから、園児・父兄・先生・ボランティア学生が広いグラウンドに入り混じってて、ダラダラと時間が過ぎます。なんの仕切りも入らない運動会・・・ちょっとしたカオスです。

で、上で「2013年に初参加した」って書いたのに、写真がなんで2014年なのかってことなんですが(そんなん気づかんわってね)・・・

2013年のスポーツ・デーは、開始直後に帰ったから」です。

経緯はすごい簡単で

僕「なんか変わった運動会だねー。さぁ、どれからやってみる?」息子「うん。どれもやりたくない。いますぐ家に帰りたい。」

さすがに僕も奥さんも困って正直に先生に「あの、この子、帰りたいって言ってるんですよ・・・」と相談してみたところ。

先生「あー、そうなのね。はーい。気をつけてね。また園で会おうね。」


と、あっさり承認されてしまったんです。なんじゃこりゃ。すべてのイベントが参加自由なだけでも自由すぎるのに、不参加まで自由とは・・・。

ただ、この「なにに参加しても自由&やらないのも自由」のというコンセプト、ずーっと気になってて、ボディーブローのように会社の方針にも影響してきました。そして、いまではZIZOでの仕事の色んな場面での決定的な考え方になっている気がします。

具体的に書くと「新規案件を誰が担当するか」「社内プロジェクトや行事にどうコミットするか」は、オープンな挙手制です。新規案件がきたら、全員参加のSlackチャンネルに投げてスレッドで担当を決めて、もし誰も興味がなかったら高予算プロジェクトでも依頼そのものを断ります。

あと、毎月のフェス・毎年の海外研修旅行は、不参加もぜんぜんある。もうちょっと付け足すと、不参加のやつを消極的と責めないムード。あと、みんなで楽しくやろうと工夫する人を称えるムード。このあたりは自分としてはかなり大事なZIZOらしさだと思ってます。

「やるかやらんかは自分で主体的に決める」は「やるって決めたら、本気を出して真剣にやれよ!」っていうのとセットなんですが、それ以上にコインの裏側みたいに「やらない自由・やめる自由」があると思うんですね。「幼稚園の運動会を会社に持ち込むなよ!」と言われるかも知れませんが、ごめんなさい、まぁそんなもんです。

で、いまのZIZOは、この感じ(=Feeling)になんとなく共感してくれる人が集まっているかなと思うし、このままキープしていきたいなと思うわけなんです。「決めないって決める」みたいな禅問答のような方針なので明文化したらアウトですよね。「お前らは自由だ!絶対に自由にしろ!」って矛盾してるし。なので感じ(=Feeling)しかないんです。僕はモンテッソーリの運動会「スポーツ・デー」からその意思を感じたんですね。この感じ(=Feeling)は、ZIZOの社員の持ってる共通感覚として、例えば、僕がいきなり死んでも残ってほしいなと思ってます。まぁ、ZIZOにそんな「共通感覚」があること自体、僕の幻想かも知れないですが・・・。採用面接とか、入社してきて半年とかで、うまく伝えられる方法があったらいいなー。

中途半端なまま、おしまい。


追記&思ったこと:
そもそも、当時3歳の長男に「やりたくないし、帰りたい」って意見を言わせる状況をつくってた幼稚園がすごいなと思いました。この幼稚園では危ないことをしない限り絶対に園児のやることを止めないし、もちろん怒らない。先生が叱ったり大きな声を出したりするところを、園児も保護者も見たことはないそうです。そんな環境だと自然とそうなるのかな。大人も子どもも、遠慮するし、空気読むし、意見が違ったり、何か足りない所があると怒っちゃうから。全員一致でムードをつくるために相当がんばらないと、この環境は作れないと思うんですね。幼稚園だと「先生が上、先生が教える」みたいな価値観は絶対あるし、それは社会にも確実に存在するので。やはり、モンテッソーリすごい。しらんけど。

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