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『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか?』/小林剛

今回読んだ本は、麻雀プロが書いた本なのに、麻雀牌の絵が一切出てこないという斬新な本。麻雀プロの中で一番目標にしている小林剛プロ(以下、こばごー)が執筆した本です。こばごー、同い年の麻雀プロで、2019年にはU-NEXTパイレーツのキャプテンとしてチームをMリーグ優勝に導いています。

こばごーの麻雀は麻雀プロの中でもかなり異質と言っても過言ではないでしょう。鳴きを駆使してアガリ率を極限まで高め、手数で圧倒するスタイル。鳴くことで平均アガリ点を下げるだけでなく、「一発」や「裏ドラ」などの懸賞役も失いますが、何が起きようとも顔色一つ変えずに淡々と自分の麻雀を打ち続け、結果を残しているのです。そこにシビれるあこがれるゥ!(ジョジョネタ)
ABEMAの運営会社、サイバーエージェントの藤田晋社長に「鋼のメンタル」と評される、理不尽が多く起こる麻雀というゲームにおいても決して最適解の選択を間違えないメンタルの強さは、いったいどこにあるのでしょうか?冒頭にも書いた通り、麻雀牌の絵はまったく出てこないので、むしろ麻雀をよく知らない方にこそ読んでほしいと思います。麻雀トッププロの「確率思考」に、ぜひ触れてみて下さい。

(※以下多少のネタバレを含みます。ご注意ください。)

「思考を止めるな」。
人生も麻雀も選択の連続。51対49で優劣が決まる選択もザラにある。うまくいかなかった時、ツイてなかった、流れが悪かったで終わらせない。そして不必要に落ち込まない(常に正解を選び続けるなんて確率的に無理)。うまくいったとき、ツイてたよかったで終わらせない。なぜうまくいったのか、次はもっとスマートにいけるのか、考える。そして次回以降の選択で、よりよい選択ができる確率を高めていく

自分も周りからは比較的メンタルが安定していて落ち着いていると思われている気がします。結婚や転職、マイホーム購入など、一般的な人生の岐路に立った経験は一度もないのでとても偉そうなことは言えませんが、喉に穴を開けるかどうか、いい選択が出来たかなと今でも思っています。父親も相当頭を悩ませたそうですが、息子のあまりにもあっさりとした決断と、その決断をするまでの思考に驚いたそうです。
若い頃からどっぷりを麻雀にのめりこんで、知らず知らずのうちにこばごー流の「起きうる事象は想定の範囲内」思考が身についていたのかも知れませんね。まあ病気が分かった時点で気管切開は想定できた事象でしたから。思ってたよりだーいぶ早くやってきましたけどね(笑)。

さて以降は麻雀の話を。

たかはる(最速最強:多井隆晴プロ)が、「麻雀戦術本1冊読んで、1つか2つ自分のためになれば御の字」と言ってました。今回読んだ本の中で、自分の麻雀メンタル安定に繋がりそうだなと思ったのは以下の2つ。

①ギリギリの勝負、勝った時こそ牌譜を見直す。
めくりあいに負けた時などは悔しくて牌譜を見直すことはあれど、勝った時はあまり見直すことはありませんでした。うまくいったときほど、次回の選択時によりよい選択ができるヒントがたくさん詰まっている、確かにそうですね。

②親番のテーマは基本的に「高い手を作る」or「安全な親流し」
自分は本当に親被り(親番時にツモられた場合子の倍の点数を支払う)が多いと思っていて、雀魂牌譜屋を見ても愕然とするばかり。

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今までは漠然と「親だし連荘していこ!」の精神でしたが、「高い打点が見込めない時は安全な親流しも視野に入れる(無理に安手をアガらない)」、これを意識して手牌選択をしてみようかなと思います。それでもカブったら、「まあそういうこともあるよね」。

最後に、本書でも紹介されていた、朱子学の「六然」という教え。

自処超然(何事にもとらわれず平然とし)
処人藹然(人と接するときは穏やかな気持ちで)
有事斬然(有事にはグズグズせずテキパキと)
無事澄然(無事には水のような澄んだ気持ちで)
得意澹然(うまくいっているときはあっさりと謙虚に)
失意泰然(失意の時には堂々としてゆったり構える)

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