TP4056充電モジュールを自分で作ろう!
みなさん、お久しぶりです!
もう年末ですね!本当に時間が経つのが早いですね。
一回寝ればもう2024年ですね!(笑)
さて、今日のnoteはTP4056充電モジュールを自作する話をしたいと思います!
このあと、回路図も共有します。年末のプレゼントとして、100円の定価ですが、最後まで記事を全部読めます!
注意:
noteを購入した場合でも、このnoteの内容による発生するあらゆる事故、怪我などあらゆる損害、損失の責任は一切負いません。このnoteの内容に関して動作の保証は致しません。noteの内容についてすべてが無保証です。読者のご自身の責任で制作、実験をしてください。あくまでも趣味の電子工作のネタの一つとしてご参照程度で購入してお読みになれば幸いです。
それでは始めましょう!
はじめ
TP4056充電モジュールというと使ったことのある人も多いかもしれません。AmazonやAliExpressでTP4056というキーワードで検索すればたくさん結果がヒットします。
私もたくさん買って使ってみたことがありますので、とてもいい印象だったので、自分の電子工作プロジェクトの中で、自分の回路の組めたら便利だなと思いました。
その前にまず実験と勉強の意味合いを込めて、まずこのボードのクローンを作ろうと考えていました。
自作の話に入る前に、まずこの充電モジュールの構成を簡単に見ていきましょう!
TP4056チップ
まず、TP4056 チップについてですが、TP4056 チップは、単一セル・バッテリ用のリチウムイオン・バッテリ充電器で、過充電や充電不足からセルを保護します。充電中と充電完了を示す2つのステータス出力(LEDで示す)と、最大1Aのプログラム可能な充電電流を備えています。これは後で詳しく説明します。
この充電モジュールの入力電圧範囲は4V~8Vなので、USBポートから直接バッテリーを充電することができる。ただし、USBポートからの最大電流は500mAなので、気を付けてください。
このチップの一般的なブレークアウトボードには2種類あります:
1つは充電器チップのみを搭載したもの。
1つは、3つのチップを搭載したものです。
ここでは、3チップのブレークアウト・ボード(TP4056-中央、DW01A-右上、8205AデュアルMOSFET-右下)を見ていきます。
(よく見ると、とても洗練されたPCBのレイアウトになっていますね。私も自分のバージョンのPCBのレイアウトをするときにこれを参考しました。部品の位置や向きも似たような構成にしました。)
リチウム電池は適切に充電されないと危険な場合があるため、TP4056は特定の電圧条件を検出することで過電圧・過電流充電を停止させる便利な製品です。
TP4056 特長
定電流/定電圧充電方式
C/10で充電停止。
2.9Vトリクル充電しきい値(過放電したバッテリー用)。
充電上限電圧:4.2V
ソフトスタート突入電流制限
自動再充電(充電器に接続されたバッテリーを最適充電状態に保ちます)。
TP4056 モジュールのデータシート
こちらにあります。https://datasheet.lcsc.com/lcsc/1912111437_TPOWER-TP4056_C382139.pdf
TP4056 の主要な仕様
パラメータ 値
電源電圧 (Vs) 4V0 ~ 8V0
充電電圧終端(精度) 4.2V(1.5%)
消費電流 (Rprog=1.2k: 1A chrg) 150uA (typ)
消費電流(Chrg終了/シャットダウン) 55uA(typ)
Ibat (Rprog=1.2k: 1A chrg ) 1050mA (max)
Ibat (スタンバイモード; Vbat = 4.2V) -6uA (max)
Vtrckl(Rprog=1.2k:Vbat:立ち上がり) 2.9V (typ)
Itrckl(Rprog=1.2k:Vbat<Vtrckl)最大 140mA)
Vtrhsy(Rprog=1.2k) 80mV typ.
動作温度 -40°C ~ 85°C
TP4056 電流プログラミング抵抗
プログラミング抵抗 (R3 または Rprog) はデフォルト値 1k2 に設定されており、1A のプログラミング充電率または 1C を提供します。お使いのバッテリーが 1000mAh (1Ah) でない場合は、R3 を取り外し、以下の表の情報に従って正しいものと交換する必要があります。
ブレークアウトボードの RPROG は R3 です。
RGRPOG (k) IBAT (mA)
10 130
5 250
4 300
3 400
2 580
1.66 690
1.5 780
1.33 900
1.2 1000
TP4056 ステータスインジケータ LED
下の表は、さまざまな充電状態における LED の状態を示しています:
充電状態 赤色 LED CHRG 緑色 LED STDBY
充電中 点灯 消灯
充電終了 消灯 点灯
Vin が低すぎる
バッテリーの温度が低すぎるか高すぎる
バッテリーがない。 消灯 消灯
BATに10uFコンデンサを接続 点滅 点灯
TP4056 チャージャーモジュールの回路図
これは、良くある(ラベル 03962A の)ブレイクアウトボードの回路図であり、ブレイクアウトボードの TP4056 ピン配置を示している。
上記ボードを使用してバッテリーを充電する場合は、バッテリーをB+とB-に接続し、OUT+とOUT-を回路から切り離す。バッテリーを使用するときは、5V入力を切り離し、OUT+とOUT-から出力電圧を回路に取り込む。
充電とバッテリの使用は同時に行わないことをお勧めします。
TP4056 の接続
次の図は典型的なセットアップを示している(データシートより)。ブロック図は、8 ピン SMD デバイスの TP4056 ピン番号も示しています。
ここでは、2つのステータスLED(CHRGn、STDBYn)、バッテリー接続(BAT)、電流制御接続(PROG)、TEMP接続を確認できます。LIバッテリーの中にはサーミスタを内蔵しているものがあり、上記のように接続することができます。一般的に販売されているブレークアウトボードでは、TEMPは使用されず、グラウンドに接続されています。
TP4056 逆極性保護
TP4056には逆極性保護機能がないので、バッテリーを間違った方法で配線すると煙が出ます!これだけは気を付けてください!
DW01A バッテリープロテクターチップ
今回クローンしようとするモジュールには、TP4056 以外に二つのチップが搭載しています。
DW01A
デュアルNチャンネルMOSFETの8205A
DW01Aは、リチウムイオンおよびリチウムポリマーバッテリーの保護IC(Integrated Circuit)として使用される一般的なデバイスです。以下は、DW01Aの主な機能の概要です。
(データシート:https://hmsemi.com/downfile/DW01A.PDF)
電圧保護: バッテリーの過充電や過放電から保護するための機能が組み込まれています。バッテリーの電圧が安全な範囲を超えると、DW01Aはシステムへの電力供給を制限し、バッテリーを保護します。
電流保護: 過大な充電および放電電流からバッテリーを保護する機能があります。これにより、バッテリーが安全に充電および放電されることが確保されます。
ショートサーキット保護: バッテリー端子間やバッテリー内部での短絡を検出し、対応する保護機能を提供します。これはバッテリーの安全性を向上させます。
温度保護: 過度な温度上昇からバッテリーを保護するための機能が備わっています。高温状態ではDW01Aが制御を行い、バッテリーへの損傷を防ぎます。
バランス機能: 複数セルからなるバッテリーパックの場合、セル間の電圧バランスを取る機能があります。これにより、各セルが均等に充電および放電され、寿命を延ばすことができます。
これらの機能は、バッテリーの安全性と寿命を向上させ、リチウムイオンバッテリーを効果的かつ安全に使用するために重要です。
8205A
もう一つ部品があります。8205Aです。
(データシート:https://datasheet.lcsc.com/lcsc/1810151911_Guangdong-Hottech-8205A_C181100.pdf)
FS8205Aは、リチウムイオンバッテリーの保護回路や電源回路、モータードライバなどのアプリケーションで使われることがあります。これらの回路では、MOSFETはスイッチング機能や電力の制御に使用され、安全な動作や省エネルギー機能を提供します。
自作TP4056 チャージャーモジュール
自作ボードの回路
上の内容を踏まえて、これから、自作ボードを紹介します。
自作とはいえ、上も言ったようにクローンとなっています。ほぼまったく同じ構成で、まず同様な動作ができるかどうかが目的なので、あんまり新しいアレンジはありません。
まずは、自作ボードの回路図です。上の「TP4056 チャージャーモジュールの回路図」と同じです。自分でKiCadで描きました。
自作ボードのPCBデザイン
レイアウトはなるべく、本家のレイアウトを踏襲しています。部品の配置位置も似ています。出力のところはテストポイントのフットプリントを使いました。
PCBの3Dレンダリング
PCB半田付け
PCBのメーカーから、約一週間ほど、PCBが届いて、早速半田付けをしました。
細かい部品はホットエアガンと半田ごての合わせ技で半田付けをします。
完成後はこんな感じです。半田つけのプロセスでやりやすくするために、フラックスはやや多めに使っています。この後洗浄します。
クリーンアップ
IPAを使って、固めのブラッシュで「掃除」して、フラックスをとります。こんな感じに仕上がりました。また対処残っている箇所がありますが、気にならない程度なので、これをよしとします。
問題
しかし、いつものことですが、なぜか毎回何かしらやらかしますね。いつもの痛恨のミスですね!
(笑)
あんなにチェックしているのに、とてもありえないミスをしてしまいます。
LEDのラベルが逆(チャージ中とスタンバイのラベルが逆になっていた)
LEDの接続が間違った(LEDが5Vのほうに接続するはずなのに、GNDに接続してしまった)幸いなことに、煙を上げずに済んだからよかったです。
修正
上野問題点を修して、こちらは修正後の回路図です。
修正後のPCBデザイン
修正後のPCBレンダリング
ところが、すでに発注し製造してもらったPCBは間違ったほうなので、ワークアラウンドで問題を回避します。
まず、上のように、二つのLEDのGNDを外します。横になっていたLEDを縦にします。(でもLEDの色が逆になっていますが)
その後、上の写真のように、二つのLEDのアノード(+)をPCBのVBUSのところとワイヤーで半田付けします。
これで解決です。ちなみに、LEDの発光色が逆になっていたので、それもついでに直しました!
充電テスト
電池を用意して、USB-Cから5V電力を供給して、充電テスト開始します!
煙もなく、順調に動作しています!よかったです!(^^)/
出力(OUT+)のほうも4.2Vが出ていますので、本家のモジュールと同様に使えるかと思います。
また、細かいテストや、これの改良も次のネタにしたいと考えています。
終わりに
既にあるものをクローンするだけで、簡単に終わると思いましたが、なかなか一直線に行けませんね。
まだまだ修行が足りません!
まぁ、最終的に問題なく動作しましたので、経験値もあがったことで一応成功だと考えたいと思います。(笑)
これで今年最後の電子工作かな。
来年2024年もいろいろたくさん作っていきたいと思います!引き続きよろしくお願い致します!
改良版も作りましたので、こちらのnoteもお読みください
https://note.com/kawashimaken/n/ne343b94c6f3a
Xもよろしくお願いします。
インスタグラムもよろしくお願いします!
それでは良いお年をお過ごしください!
皆さんが2024年も素敵な収穫の多い一年になりますように!
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