「メンやば本かじり」番外編
番外編である。
今日、五月五日は文豪中島敦の生まれた日だ。
ま、それとは関係なく、私のメンタルがただれておる。
よって、関係ないけど無理矢理こじつけて、中島敦生誕祭にのっかりたいという、かなり短絡的な発想だ。
とはいえ、中島敦の作品はすきである。
とくに『悟浄出世』が。
悟浄、めっちゃメンタルやばいな。なんだか仲間に思えてくるわ。
自己否定ばかりをし、心の弱い悟浄。だが、彼はただうじうじ独り言で自分をいじめるだけではなく、きちんと行動するのだ。
自分は罹患しているからもう駄目だ、ではなく、治療方法を自ら探しにいける力を待っているのだ。この時点で、すでに悟浄は私よりも立派だ。
だが
悟浄おおおお。ぶわって涙出たわ!
この子、つよい!(『ボボボーボ・ボーボボ』ビュティ)
え、めっちゃすごいやん。ばかでも駄目でもまったくないどころか、忍耐強く、行動力もあって、しかも非常に思慮深い。むしろ尊敬するところだらけですよ、悟浄さん。
嘲笑する奴らの話なんてまともに聞いてあげる必要はないでっせ。
──あれ。
あっそうか。自己否定をしているときって、周囲の声にとらわれすぎている、もしくは、周囲をまったく受け入れていない、というかなり極端な状況になっている気がする。
自分は駄目だとか、良いとか、決められるほど、私はこの世界のことも、自分のことすらも、わかっていないのだ。
みんなが私をばかにするからばかなのだと決めるには判断材料を待っておらず、みんなの言葉なんて聞く必要ないと決めるにも──。
そうか。だったら、ぐだぐだ愚痴ばかり言ってないで、ちょっとでも判断材料を集めていくか。
やっぱりいいな、中島敦の作品は。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?