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ApoMはCOVID-19治療薬になるか!?

こんにちは。翡翠(https://twitter.com/KawaseminoHina)です。
記事に興味を持っていただき、ありがとうございます。

先日、前々回『新型コロナウイルスに関するデマをぶった斬る』の記事を、国立遺伝学研究所の川上浩一教授https://twitter.com/koichi_kawakami)が紹介してくださったことで、Twitter、noteのフォロワー数が増え、記事にもたくさん『いいね』をいただき、とても励みになりました!ありがとうございました!

前回の最後、次回は『PCRは、本当に信頼できる技術かどうか』について解説しますと予告しました。その記事を書くために、PCRの信頼性についてどういう意見があるのか、どういう切り口で解説していったらいいのか調べていましたが、TwitterでPCRについて語っている医師、専門家(?)、ブロガーその他諸々、あまりにもPCR(RT-PCR)の基本を知らなさ過ぎます!!

PCRの信頼性について語りたいのであれば、まずは、大学で分子生物学を学ぶ学生必携の(というか最初に買わされる)クッソ分厚い教科書THE CELL ─ 細胞の分子生物学』(定価約2万円)を読んでから語ること。
これが第一条件です!

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(今、最新が第6版なんですね。ちなみに私は第4版世代です。)

英単語を知らずに、英会話はできませんよね?
この教科書を読んだ上で、「Taqポリメラーゼ」「プライマー」「Tm値」「アニーリング温度」「サイクル数」「特異性」は、会話(議論)する上での最低レベルの必修単語として、「Real-Time PCR」「TaqManプローブ」「FAM-TAMRA」「SYBR Green」「プライマー設計の基本は、増幅サイズ100~150 bp、プライマーサイズ20塩基」「3’末端のミスマッチ」「BLAST検索」、これらの単語について、知らない・聞いたことがない・聞いても意味が分からないのであれば、PCRの信頼性について語らないでください!!!「動画で某名誉教授が言っていた・某国大統領が言っていたから」というのも禁止!!クソ迷惑です!デマを拡散するな!

Twitterは既にカオスです
中国語を学んでも英会話はできません。間違った情報を知識として取り入れてしまうと、どんどん分からなくなってしまいますよ。(だからまず教科書『THE CELL』を読め!ということです。)
中国語を学んで英会話をしようとしている人が多すぎます!もうどこから手をつけて行ったらいいか分からなくなってしまいました。

うわーーー!!!!!(発狂

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失礼。取り乱しました。

記事を期待していた方には本当に申し訳なく思います。もう少し時間をください!
定価2万のクソ分厚い本を買わなくても『PCRマスター』になれるような記事を必ず書きます!!(お金に余裕がある人は買ってください。分子生物学を理解する上で、必須の教科書です。バイブルです。本棚に入れておけば重みができて地震対策になりますし、漬物石としても使えます。もっとお金に余裕がある人は私のnoteに投げ銭を。)

というのが、今回の前置きで。(すみません。)
一旦『怒り』を収めて、『論文紹介』シリーズを始めていきたいと思います。
今後も、私が読んで「これおもろいんちゃう? 」と思った最新の研究を紹介していきたいと思います。

今回紹介するのはこちらです。Natureと並ぶトップジャーナル『Cell』の姉妹誌である『Developmental Cell』に、先月22日に掲載された論文になります。

Developmental Cell, VOLUME 53, ISSUE 6, P677-690.E4, JUNE 22, 2020
Aging Suppresses Sphingosine-1-Phosphate Chaperone ApoM in Circulation Resulting in Maladaptive Organ Repair.

PMID: 32544390 DOI: 10.1016/j.devcel.2020.05.024
https://doi.org/10.1016/j.devcel.2020.05.024

直訳すれば、「加齢は、スフィンゴシン-1-リン酸のシャペロンである『ApoM』の循環を抑制し、結果として臓器の修復が十分に行われなくなってしまう。」というタイトルの論文です。
うーん、難しいですね。できる限り分かりやすく解説していきます。

まずは、この論文の”登場人物”を紹介しましょう。

タイトルにある、スフィンゴシン-1-リン酸S1Pと略します)は、脂質(脂肪)のうちの一つです。血中を循環し、細胞表面に存在するS1Pの受容体(スフィンゴシン-1-リン酸受容体, S1PR)に結合し、その細胞の増殖を活性化させます

もう一つが、今回の”主役”『ApoM(アポエム)』です。
これは、Apolipoprotein M(アポリポプロテインM)の略で、肝臓から産生され、脂質に結合するアポリポタンパク質のうちの一つです。中でも、このApoMは先に紹介したS1Pに結合するアポリポタンパク質で、血中では、このS1Pを壊さないよう大切に運ぶカゴの役目をしています。(専門的にはこれをシャペロンと呼びます。)

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補足)より詳細な解説はこちら。
S1PシャペロンとしてのApoMの機能
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2018.900588/data/index.html

細胞の増殖を活性化させるために必要なS1Pと、それを運ぶApoMタンパク質ですが、実は、加齢によって血中のApoMタンパク質の量が減少してしまうことが分かっています

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血中のApoMタンパク質の量が減ってしまうと、S1Pを細胞表面の受容体S1PRに十分に届けることができませんので、細胞の増殖を活性化させることができません。細胞が増殖しなければ、傷ついた臓器は治りませんね。

このApoM量の減少が、加齢によって、臓器の修復(再生)が十分に行われなくなってしまう原因であるということを示した論文になります。

論文では、若いマウス年寄りマウスの気管支に塩酸を注入し、肺にダメージを与えた後、肺が再生するかそれとも再生せずに重症化(”線維化”)してしまうかを調べました。

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注)『線維化』は聴き慣れない言葉かもしれませんが、肝臓では、線維化が進んだ状態を肝硬変と呼びます。多少、馴染みが出てきましたか?

こちらが実験結果になります。まず、酸素分圧(pO2)を調べました。

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若いマウス(Young)は、塩酸でダメージを与えてから1ヶ月で、元の肺の機能を取り戻しましたが、年寄りマウス(Old)は重症化してしまい、同じ1ヶ月でも十分に肺の機能が回復しませんでした

肺を摘出して観察すると、重症化(線維化)によって肺が詰まったようになってしまっているのが分かります。

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では、この肺にダメージを負ってしまった、ApoMの少ない年寄りマウスに、合成したApoMタンパク質を外から補ってあげるとどうなるでしょうか?

なんと!!
ApoMを投与した年寄りマウスで、肺機能の改善が見られました!
肺の線維化も見られません。

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すごいですね!劇的です!

補足)論文では、年寄りマウスに、別のマウスから採取した『ApoMを含んだ血漿』を投与する実験も行なっています。血漿でも肺機能の改善が見られました。

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まだまだ説明し足りないところがたくさんありますが、大まかには、『加齢によって血中のApoM量が減少すると、S1Pを肺の細胞に届けることができないため、再生が十分に行われずに重症化してしまいますが、そのApoMを外から補ってあげるとS1Pを受け取った肺の細胞が増殖し、再生が進み、肺の機能が改善される』という内容の論文でした。

ここで、「加齢」「肺」「重症」と聞いて思いつくのが、そう、『新型コロナウイルス』ですね。

現在、日本では、新型コロナウイルスの死者は、1,000人を超え、そのうち8割が70代以上高齢者が重症化しやすいのはご存知の通りです。

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国内コロナ死者1千人、8割が70代以上 致死率も高く
https://www.asahi.com/articles/ASN7M6RWTN7MULZU00S.html

新型コロナウイルスの重症化の原因として、よく「基礎疾患が〜」と言われますが、あれはほとんど何もわかっていないのと同義です。

私は、この新型コロナウイルス感染で、高齢者が重症化しやすい原因の一つが、血中のApoM量が少ないからではないかと思っています。
ApoM量が少ないから、新型コロナウイルス感染で生じた肺のダメージを修復できず、症状が悪化し、最終的には死に至ってしまうのではないでしょうか?
ApoMは肝臓から産生されます。高齢者に限らず、アルコールなどで肝臓にダメージのある人はApoM量が少なく、若い人であっても重症化しやすくなってしまうかもしれません。(あるいは遺伝的に元々ApoM量が少ない人も?)

検査によって血中のApoM量を調べ、COVID-19の重症化リスクを明確にすることを提案します!

PCR検査、抗体検査、そして『ApoM検査』をしましょう!

ナ○タスクリニックが、一回6,600円の抗体検査(原価半額)でボロ儲けしているように、ApoM検査は、新しいビジネスチャンスです!

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自分が新型コロナウイルス感染で重症化するかどうか分かる検査は、みんなやりたいと思います。

ApoM検査キットは、81,000円で販売されています。196サンプル分です。給付金10万でお釣りが来ますね。

Mabtech社のApoM検査キット(apoM ELISA PRO kit)
https://search.cosmobio.co.jp/view/p_view.asp?PrimaryKeyValue=16312830&ServerKey=Primary&selPrice=1

というのは冗談で(いや、ガチで本気でやるならコンサルティング料を私に払ってください!お願いします!泣)、おそらく一般人は購入できません。結局、またナ○タスとか医者連中の金儲けの道具に使われるだけかも。ぐぬぬ。一般人ができることはMabtech社の株を買うくらいでしょうか?

すみません。最近ちょっと金欠で、お金の方に話が逸れてしまいましたが、ApoM検査によって、ApoM量の少ない=重症化リスクの高い人を選別できれば、ワクチン接種を優先させ、将来的な重症患者を予防したり、既に症状のある入院患者の場合には、ECMO装着を優先させたり、医療現場と患者の双方にとってメリットとなることは間違いないと思います。期待しています!

COVID-19の症状改善のため、外からApoMを投与することによる副作用に関しては、まだ分かりません。ただ、加齢により減ってしまった分を外から補うだけなので、そこまで大きな副作用があるとは思えません。

COVID-19回復患者から採取した血漿を投与したら、症状が大幅に改善されたというニュースがありましたね。

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https://www.asahi.com/articles/ASN5Y5TH6N5WPLZU004.html

私はこれは、回復患者の血漿に含まれる『抗体』の働きでウイルスが減少したからCOVID-19の症状が改善されたということだけではなく、回復した・回復する能力のあった患者は血中のApoMの量が多いため、この血漿を投与することで、(論文のマウスと同様、)ApoMの量が少ないがために重症化してしまった患者の症状が大きく改善されたのではないかと考えています。

現在、日本の武田薬品工業を含む世界中の製薬会社が総力を挙げて、回復患者の血漿から抗体だけを精製し、これを『治療薬(高度免疫グロブリン製剤)』として用いるという研究・開発が進んでいますが、私は、この方針は間違っているのではないかと思います。

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精製した抗体だけでなく、ApoMを含む血漿そのものを投与することが、COVID-19の症状改善に大きく関わっているのではないでしょうか?(高度免疫グロブリン製剤を投与するのであれば、ApoMもセットの方が良いと思います。)

いかがでしたでしょうか?
ApoM検査は、私のイチオシです。もうApoM検査キットは販売されている訳ですから、早くこの検査が一般に広まってくれることを願っています。目指せトレンド入り!ApoM!ApoM!このキーワードを忘れずに!
そして、将来的にはこのApoMタンパク質を大量合成し、COVID-19の治療に繋げていって欲しいと思います。

この記事を書きながら、私のお小遣い稼ぎに、もし今後、このnoteを収益化をしていくようであれば、こういうビジネスチャンスに結びつくかもしれない最先端の研究を定期的に掲載していこうかなと思いました。
どうでしょう?この記事は、お金を出してでも買う価値はありますか?(カメラをCanonからNikonに買い替えて、レンズも買い揃えたら金欠になりました。助けてください。←自業自得)

最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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