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文学フリマの今後

このあいだの文学フリマ東京37のレポート記事をいくつか読みました。

文フリに現代の「文学とは何か」を見た 藤谷 治 マガジン航 23/11/16

「文学フリマ東京37」に見た熱狂とさらなる可能性ーー映画、演劇、音楽系の参戦も進む“文フリ”レポート Nana Numoto Real Sound 23/11/16

【独占取材】拡大する「文学フリマ」8回出店の海猫沢めろん先生に聞いた “盛り上がりの実感” 中澤星児 ROCKET NEWS 24 23/11/17

どの記事も文学フリマの盛況に触れています。盛り上がっているのは参加している人間として喜ばしい限りです。

ただ、そんな記事を読みながら、気になったところが二つほどありました。

一つ目はROCKET NEWS 24の記事冒頭。

最近「文学フリマ」というものの噂が定期的に聞こえてくる。文学よりもアニメやマンガに馴染みのある私(中澤)の耳にも届くくらいだから界隈では盛り上がっているのかもしれない。文学のコミケみたいな感じなんだろうか。

と思っていたら「行こうぜ」と誘われた。最後に小説を読んだのは10年くらい前の私が行っても楽しいものだろうか? とは言え、入場料も無料だったので2023年11月11日に開催された『文学フリマ東京37』に行ってみた。

やはり無料だからちょっと気になった時に気軽に来れるという側面があるわけですけど、これが次回から来場者から入場料を取る形に変わります。

そしてもう一つはReal Soundの記事。

これほどの熱狂だからこそ、そこに身をうずめれば自ずと楽しむことができる。その一方で、「予習」も必要だと感じた。前回までの筆者は、フラッと立ち寄り、表紙を見て良いと思ったものを買い、時に出店者とコミュニケーションをとるという楽しみ方をしていた。しかし今や出店数は2086ブースと膨大なものに。自分の気になるブースには決め打ちで向かうようにしないと買いそびれてしまうだろう。書店に行けばいつでも手に入るたぐいの本ではないところが文フリの魅力。一期一会の出会いに備えてしっかり予習しておきたいところだ。

イベントではよくあることですが、開場した最初の時間帯に、みんながお目当てのブースにどばーっと流れていく様子が見られます。どこに行くか事前にしっかりと確認してあって、そこをまず回る。文学フリマでも当然あったことですが、規模が大きくなるにつれて予定をこなすための時間が増えていくことが予想されます。

さて以上二つで、出展している自分たちにはどういう影響があるか。

入場料を取られると、買うとはっきり決めている物がなければ、ハードルが高くなってしまう。戦利品なく1000円だけ払うということは当然避けたいでしょう。それでも来るモチベーションの高い来場者の方は、当然事前にしっかり目星をつけているでしょう。そしてみんな何となくぶらりと回る時間は減っていく。

つまり、事前の決め打ちの段階でちゃんと候補に入っていられるように、普段から活動していないとダメだということです。宣伝の重要性についてはずっと意識はしているのですが、ちゃんと実行できているかといえば、残念ながらというところ。

しっかりとやっていかなければいけないなあ、とさらに思ったのでした。

(ブログ『かってに応援団』より転載)

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