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第2回 災異思想 〜フォークロアから読み解く日本人の災害感〜

川瀬流水です。能登半島地震のように、日本は世界有数の自然災害多発国です。こうした災害と我々の暮らしの向き合い方を見るうえで、古代中国で生まれた「災異思想」(さいい・しそう、災異説とも)に着目してみたいと思います。

災異(天災地変)は、為政者の不徳・失政に対し、天が発する忠告、あるいは懲罰の顕れであるとし、これに対して為政者は、徳治・善政をもって応じなければならないとする考え方です。災異の予言ではなく、為政者の行いに対する天の事後評価である点が肝心なところです。

日本では、天津神(あまつかみ)の子とされた天皇の必須の行動原理となりましたが、その意識は、科学技術が高度に発達した現代に至るまで受け継がれていることに深い感慨を覚えます。

次回では、災異思想を体現した典型として、平安前期の清和天皇を取り上げてみたいと思います。

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