見出し画像

地域性によるちがいだけでなく、各家庭のものもあるかも

 どんど? どんと?? どんどん???
 小正月に行われる火祭りの行事って、どの呼び方が正しいの?

 調べてみたら、地域によってちがうだけでどれもまちがってなかった。
 兵庫県宝塚市、私の通った小学校では、「とんど祭り」と呼んでいた。

 1月15日になると、宿題になっていた書初めを学校の運動場で焼いた。家のしめ飾りも持って行って良かった。全校生で焼くのでけっこうな炎。
 寒いこの時期でも遠くから、やぐらの火のあたたかさを感じ、書初めの舞い上がり燃えていくさまも嫌いではなかった。

 今住んでいる辺りも独特な呼び名があって、地域のコミュニティセンターにお飾りを持って行って良いことになっている。
 あと夫の住んでいた札幌は、雪でそもそもやぐらをたてられない。たてたところでだし。

 この行事だけでも呼び方が他にもあるように、お飾りも地域によって形がちがうし、食に関して挙げるともっとさまざま。

 最近ネットで調べられるからか、マナーや風習の「正しい」にとらわれ過ぎて窮屈に思う時がある。両親の世代の人たちは、むしろおおらかな印象。都市部だからなのだろうか。
 本当は少しくらい周りとちがっても良いんじゃないかなと思う。あきらかな失礼がなければ。どこから「失礼」と感じる線が人それぞれだから難しいんだろうけどね。自分は周りに対してはおおらかでいたいなあ。


 ちょっと前にnoterさんの記事でお餅について書かれていた。皆さんのお餅事情はどんなだろう。
 西日本は丸餅、東日本は角餅と言うけど、こだわりはあるだろうか。

 私は食に関して、あまりこだわりがない。
 幼少期をニュージャージーで過ごして、帰国した時に日本の食の美味しさに驚いたものだ。
 両方の祖母が岡山の出身で、祖父たちは新潟、北海道、岐阜に郷がある。
 祖母たちの岡山の風習も、祖母が祖父に合わせた風習もあってすでによくわからない状態。
 友達と話していて「あれっ。ウチはちがうなあ」と思うことが多くて。

 大人になって知り合った夫は札幌の育ち。夫の母親は函館の人だけど、その母親は大阪の人だったらしい。夫の父親は茨城に親戚がいて東京育ちなのかな。仕事の関係で沖縄にいたこともあったそうだ。そんな夫婦のもとで育ったら夫もどこの食文化がもとになっているかわからないだろう。

 ただ夫も私も食いしん坊ではある!
 美味しい物を求める気持ちが強い。
 つまり探究心あれどこだわりがない。

 たとえば関西は肉と言えば牛肉だけど、北海道は豚肉。だから肉じゃがやカレーに入れる肉がちがう。私は「じゃあ豚肉で良いよ~」と豚肉で作るし、だからと言って牛肉がダメなわけではない。2人とも牛肉も好きなので牛肉を使った料理も作る。

 食についてのいろんなことがこういった風。

 お餅は北海道は主に角餅だけど、丸餅も売ってなくはない。
 これもまた「じゃあ角餅で良いよ~」となった。

 この辺りはすごく探さないと丸餅はないんじゃないかな。
 しかも私が関西で食べていたころの丸餅は、母方の祖母の田舎でついたお餅。お店で売っているのより美味しい「気がした」。
 だからこの辺りで探し回って丸餅買ったところでなあ……と思ってしまって、角餅で良いやとなる。どちらにしても取り寄せるほどのこだわりもない。

 お餅に関してはいそべ焼きが好きなのだけど、これもまた夫と私とでちがう。
 夫はしょう油だけのオーソドックスなもの。私は母から受け継いだ砂糖じょう油にバターを乗せた高カロリーなもの。息子は私の味で育ててしまった。
 これは簡単に個別でできるので、夫は夫の、私は私のいそべ焼きをそれぞれに楽しむ。

 で。
 この際だからと母にお雑煮について聞いてみた。
 私が食べていたころ。おつゆはすまし汁で、具材は大根、にんじん、かまぼこ、ほうれん草、きのこ、ぶりだった。祖母の好みもあったらしく、最後にかつおぶしをふぁさっとかける。
 父と母二人になると、母は自分の好みで水菜やたけのこを入れて、ぶりを鮭に変えたそうだ。

 義母は白みそのお雑煮。魚は鮭で、上にいくらを散らす。鮭といくらだけは北海道らしさが出ている。他の具材は少ない。

 さて私がどうかと言えば、白みそなのだ。甘くて気に入っちゃって。
 でも具材の多さは母の方。大根、にんじん、かまぼこ、ほうれんそう、きのこ。ここまでは同じだけど、私はみつばが好きで勝手にみつばを入れている。魚は鮭。
 お正月だからとこの地域にしてはぜいたくにイクラを乗せる。少ないけど。でも乗せる。めっちゃ美味しくなるので。

 母と話しながら「お雑煮って地域性にこだわっているものもあるだろうけど、意外と家庭の味かもね~」と盛り上がった。
 義母も母も地域性と関係ないお雑煮。私もさらにそれが合わさった、完全に自分だけのもの。

 だからなのか、これがなかなか「大成功!」といかない。
 いくらを入れるのが早すぎて、つぶれて溶けちゃったり。味が薄すぎたり。代用でいつもの味噌にすると日常感が出ちゃったり。具が少なくて貧相だったり。多すぎたり。

 今年はわりと成功。
 ちょっと慌ててしまって大根とにんじんが少し固かったのが残念。

 手帳に書いておいた。来年こそは!

 地域性もあるのだろうけど、私の場合、思い出と、夫と私の家庭のブレンドと。

 さて。この週末。
 書初めはしないけど、地域の「とんど祭り」はあった。
 「正しい」鏡開きはしないけど、ぜんざいも食べた。これらがあって、お正月も終わったなって気分になる。もうすぐ大寒。




読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。