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「Pretender」に徳永ゆうきのこぶしが乗ると…

 ロック大好きアラフィフおばさんから見える「最近の男性ミュージシャン」なので、くれぐれも個人的な聴こえ方だと読んでいただければと思う。

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 オフィシャル髭男dismは、若い人を中心に人気のようだ。
 「髭男」て聞いた時に、或いは目にした時に、「髭男爵」を思い出すお笑いファンが多いだろうってのはまあ置いといて。
 彼らが素敵な音楽をつくり出しているのは耳にしている。
 私の世代より若い人たちの多くの男性ミュージシャンは、高めで澄んだ声が前提な気がする。最近。それが良いとか悪いとかじゃなくて、そういうものなんだなあと。
 BUMP OF CHICKENの頃から多い気がする。
 SEKAI NO OWARIやRADWIMPSも。それぞれに良い。米津玄師の歌声も素敵。歌詞もメロディーもけっこう好きで、オリエンタルなメロディーラインだなと感じていた。
 女性である私たちが歌うとやっぱり少し音が低いのだけど、つい口ずさみたくなる。

 ロックのズドンズドンとお腹に響く音や泣いているように聴こえるギターの音、シャウトしているけど実は高い声なんかも大好きだけど、最近のポップスも良いもんだ。



 少し前になるけど、「生放送で満点出せたら100万円」て企画をテレビでやっていた。
 結果、満点出した人はいて、上手だなあと感心したけど、私が心奪われたのは、徳永ゆうきの歌う、髭男の「Pretender」だった。

 元々耳に残るメロディーで、歌詞もサビの部分が素敵だなと思っていた。

 でも。

 こんなにまでも素敵だった?

 25歳にしては若年寄みたいな(失礼)彼が、何故こんなに素敵に歌えるのか。
 彼は満点ではなかったけど、私には、満点出した方たちより心に響いた。
 何でだろう?

 何度も聴き直してみる。

 ううーん……。

 多分、この曲ってやっぱりオリエンタルなんだろう。演歌歌手である彼のこぶしが実に良いタイミングで生かされていて、そのこぶしが回るごとに、心がぐわわあ~ん、ぐわわあ~んと揺さぶられる。声をやたらに張ったりするのではない。そして演歌の技巧的なものではない。

 彼の歌う米津玄師の「Lemon」もネットにあがっているので、聴いてみる。
 
 ウウーン。

 エイトブリッジ篠栗のような小さな唸り声を漏らしてしまう。母に「50でキレイなんてあったりまえよ!」と言われた時以来、今年二度目だ。

 正直に打ち明けると、演歌を聴くのはあまり得意ではない。
 さらに正直に打ち明けると、某番組で電車好き過ぎる徳永ゆうきを観た時「面倒くさいな」と笑った。

 なのに、「Pretender」を歌う徳永ゆうきときたらどうだ。「Lemon」を歌う徳永ゆうきときたらどうだ。いやその歌声とこぶしだ。

 ヤツは本物の「愛の深さ」を知っていると思う。恋愛じゃないのよ。さらには数じゃないのよ。深さの話。

 徳永英明による、女性ミュージシャンのカバーアルバムのごとく、徳永ゆうきによる男性ミュージシャンのカバーアルバムなんてものが出たら私は買うぞ。

#エッセイ #男性ミュージシャン #徳永ゆうき #こぶし

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