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寝ぼけていた自分の、考えていたことを思い出せ!

 ん? 目覚ましの音? 今日、息子は学校だっけ。アラームの音、止めなくちゃ。

 目を覚ますとそこはリビング。
 
 あれ。何時だ?

 あっ違う、時計じゃない。スマホの音だ。シマッタ! 昼寝しちゃったんだ!

 息子からの電話を慌てて取る。

 「ごめん。やっぱり迎えに来てほしい」
 「ああそうか。そうだね。〇時△分に、□横のコンビニで良い?」
 「わかった」

 4月8日から再開された授業が、明日からまたお休みになる。
 今日の下校時間もいつもよりずいぶん早い。田舎でバスが丁度良い時間にないので、車で迎えに行くつもりだった。でも下校時間の10分程前に、力尽きて横になって寝てしまった。度々あるのだけど、急に強い倦怠感におそわれて横になる。昼寝をする。
 そして下校時間後20分くらいしてから、息子から電話があったのだった。つまり30分くらい深い眠りの中にいた。

 洗い物が残っていたのが気になっていたのと、寝起きの倦怠感も強かったので、すぐに出る気分になれず、時間を指定して待ち合わせた。

 コンビニで買い物の予定があった。気がした。

 何故コンビニで待ち合わせをしたのか。洗い物をしながら思い出そうともした。でも思い出せない。
 さらには何分と指定したのか。場所はちゃんと、私の頭にあったコンビニを指定したのか。

 次から次へと心配がわいてきたので、早めにコンビニに着いて待ってみたら息子が来たのでほっとした。


 でっ。でも。何故コンビニに来たのか。

 やっぱりどうしても思い出せない。
 息子がお腹空かせていたので、じゃあ何か買って帰るか。と強引に持ち掛けてみる。

 にしても、まだナゾだ。

 何を買いに来たのだろう私。


 そのうち息子が駄菓子コーナーで立ち尽くしているから、横に並んで商品を眺める。
 懐かしいチョコレートが目に入った。ペロペロチョコと言われたあれだ。

 昔、好きだったなあ。7歳で帰国直後、「こんなに可愛くて美味しいチョコがある」と喜んで、パラソルチョコかそれのどちらかを選んでいたなと思い出す。

 「母さん、40年ぶりくらいにこれ食べてみたい」と唐突に、手に取ってみる。

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 ……。 


 絶対これを買いに来たんじゃないよなあ~。

 寝ぼけていた私よ、何故コンビニを指定したのだ。教えてくれ。必死に絞り出そうとする。
 
 「こういうのって、帰ってから、ああ思い出した! ってなるんだよね~」
 と言いながら帰ってきたけど、帰宅して何時間か経った今も結局思い出せない。きっと特別に買わなくちゃならないものなんてなかったのだ。

 そして開封し、2つのチョコを食べる時に

 「どっちの味が良い?」

 と、ボケてみたら、息子にふふんと鼻で笑われた。
 

 さらには恐ろしく甘くて、一つ丸ごとを食べきれず、息子に手伝ってもらった。

 何のために行ったのか。食べきれないペロペロチョコを衝動買いしただけだった。ちょっと虚しい。


#エッセイ #コンビニ #ペロペロチョコ #甘い #虚しい

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。