「アントマン&ワスプ」観て父娘関係を思う

 「アントマン&ワスプ」を公開されてからずっと楽しみにしていた。夫の仕事の忙しさや、息子のテストやら部活やら学校の授業の忙しさやらでなかなか家族の都合があわず、ようやく観ることができた。映画を観た感想を人と分かち合いたい気持ちが強いので、三人の予定が揃うのを待った。
 とにかくそんなわけで観ました。こちらはすぐに載せたいので、「アントマン」(1)の感想の方が後になります。

 ネタバレ、最後にあるので、気にする人は読まないようにして下さい!

 とにかく楽しかった。マーベル映画作品の中では、「ガーディアンズオブギャラクシー」の次くらいに好きだと思う。
 残念ながら虫が苦手なので、アリのアップは辛いものがあるのだけど。
 それは置いておくとして。

 今回もスコットの普通っぷりは健在。彼は映画の中のキャラクターとして映画上での周りの登場人物に、そして観客にも安心感を与える。当たり前の、日常の感覚を思い起こさせる。そしてホープの戦闘シーンがどれを取ってもすごくカッコいい!大きくなるタイミング、小さくなるタイミングが絶妙。ナイフを軽やかに除け、車の窓を突き破る。カッコいい!! さらにルイスのお喋りも相変わらず楽しいし、ほんの一瞬カッコいいシーンが何度かだけある。何度か一瞬ずつあるだけで、やっぱり軽妙にお喋りしているお調子者だ。私が子供の頃だったら、間違いなくルイスの大ファンとなりメロメロになっているはずだ。今の私はニヤニヤくらいで済んでいる。さらに、マイケルダグラスとミシェルファイファーが並んでいると、30年前なら間違いなくドロドロした恋愛映画になりそうではないか。何でこの二人がここに出ているんだろうと不思議な気分になることが何度かあった。でも二人の再会のシーンは、歳月の流れを感じたと共に、観ている側としても「1」からずっと待ちわびていたような気持ちになり、うっかり涙が流れちゃった。
 全体的に笑えるシーンはたくさんあって、終わった後「あそこ可笑しかったよね」と言い合った。この軽さがすごく好きだ。2時間以上あったが私にとっては退屈な時間はなくて、「あっもう終わったのか」と短く感じた。

 「1」でもわかりやすかったように、今回も父と娘の映画だったと思う。映画でよく扱われるテーマは、母娘、父息子の関係についてがあるが、父と娘の関係を考えさせられる映画は、そんなには多くはないと思う。それもマーベル作品だからあからさまに「父と娘がテーマ!」となっているわけがない。でもピムとホープの父娘関係は、「1」の時からテーマで葛藤していたことが解消されていく様子だったし、「1」でも描かれていたスコットとキャシーの関係はさらに細やかに描かれ、そしてビルとエイヴァという組み合わせが出てくる。
 今回、印象に残ったのは、幼少期の女の子がお父さんのことが大好きな様子が、スコットとキャシーとの会話から「1」以上によく見えてくることだ。キャシーが、遊んでくれるお父さん大好きな気持ちに対して、スコットはそれに応えたいと懸命で、二人の関係が本当に微笑ましい。
 女の子って、幼い頃から周りをよく見ていることが一般的に多くて、きちんとしなければという母親の教えに従おうと頑張ってしまうところがあるのだが、父親と一緒にいるとそういったことを忘れる。一緒に遊んでくれたりフザけてくれたり、面白がらせてくれたり、楽しい気持ちになっちゃうのだ。そして自分の年齢よりほんの少し背伸びしなければいけない母親の前と違って、年相応に甘えさせてくれる。ということを、スコットとキャシーが思い出させてくれた。いや、そういう関係でない父娘もたくさんいるだろうけど、幸い私はそういう父親に恵まれた。ただ私の父親は日本人だし照れ屋さんなので、こんなに率直でもなくここまで素敵な父娘関係ではなかったし、今さらそんな風に振舞われても引いてしまうだろうけど、でも幼い娘だった頃の自分の気持ちを思い出させてくれるキャシーの遊びっぷりや甘えっぷりである。その辺りを素敵に上手に表してくれる。
 ビルとエイヴァは血はつながっていないが、ビルがエイヴァを思いやる気持ちは父親そのものである。この二人の関係もまたグッとくる。人を傷つけることは許さない厳しさはあるけど、娘を決して見捨てない優しさと強さがある。年頃の子供を持つ親との、大事な距離感だと思う。
 現代の様々な形、年齢層の「父親と娘の関係こうであれば」パターンを見せられるわけである。
 

 そして最後の最後に忘れかけていたサノスの指パッチンがあったと知らされる。ああ……と思わず声がもれそうになる。そうだった。つながるんだった。
 でもここで?
 

 さて、来年のアベンジャーズがますます楽しみである。


#アントマン &ワスプ #アベンジャーズ #親子関係 #MCU


読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。