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新しい友情で自信を持つ~キャプテンアメリカ/ウィンター・ソルジャー

 「アベンジャーズ/エイジオブウルトロン」を初めて観た時、わからないことが多すぎて、次々と夫や息子に質問していたら、「わかった。もう最初から観ていこう」と言われた。それまで三人で「あれが観たい」「いや、これを先に観たい」「僕はこっちも観たい」と口々に言っていたのだが、私の質問の嵐のために、夫が決断することとなった。「順番に観ていこう」。

 ……。そうですよね。
 皆さんそうアドバイスをくれるのだけど、三人してなかなか決められなかった。それぞれに関心のあるストーリーが違うので、これが知りたい、あれが知りたいとバラバラ。
 でも、私の「わからない!!」だらけがきっかけとなって、三人の意見はまとまった。理解力の劣る私よ、こういう時に役立つのだな。感謝だ、私。

 今回は、「キャプテンアメリカ ウィンター・ソルジャー」である。このように前置きが必要なのは、「アベンジャーズ/エイジオブウルトロン」に直接つながる映画だからだ。

 そしてまたヤラレタ~! ロバートレッドフォードが出ているよ~。彼は昔、美形の俳優として活躍していた。私が若い頃、「夜霧のマンハッタン」を観に行った記憶がある。他の作品もビデオでけっこう観た。カートラッセル、ミッキーローク、マイケルダグラス、ミシェルファイファーに続き、なかなかの驚きなのだ。時代は流れるなあ。

*以下、ガッツリとネタバレあります。

 「キャプテンアメリカ」シリーズの最初「ザ・ファースト・アベンジャー」で、スティーブ・ロジャースの親友、バッキーが死んでしまうように描かれているが、私は先に「インフィニティ・ウォー」や「ブラックパンサー」「シビルウォー」なども観ているので、復活することを知っている。ただ、こんなに良い関係なんだと知った。
 今回の「ウィンター・ソルジャー」で、バッキーとのやり取りが一番辛かった。この先はわかっているのに、スティーブの、バッキーを信じる気持ちが辛く、二人のやり取りに、胸が締め付けられるようだ。70年も眠っていたスティーブが、孤独感と闘っていることは「アベンジャーズ」で描かれている。少しずつ現代社会に慣れていても、心の底に常に孤独を抱えている彼にとって、親友バッキーが、昔のままの姿で存在していることは、心の中にどんな影響を及ぼしただろう。バッキーを信じる気持ち。スティーブは純粋過ぎるにしても、過去の友だちを信じる、というより、信じたいのだろう。
 
 この映画は、全体的にスパイ要素が感じられて、観ている側がかなり気持ちをすり減らす。シールドの長官、ニック・フューリーが「誰のことも信用するな」というメッセージを伝えて一度死んでしまう。とは言っても、相当な重傷を負ったもののこの死は偽装で、その後も生きている。
 その言葉を見たスティーブだけではない。映画を観ている側も、誰が味方なのか敵なのか、なんだか不安になってきてしまう。
 終盤に、スティーブがキャプテンアメリカとして、シールドに乗り込み、シールドの皆に訴えかける。何がしたいのかわからなくて、迷い、悩んでいたスティーブは、「自由を得るための代償は大きい」と訴える。
 そして離反者の言うことを聞くわけにいかないと困惑した者がいて、近くにいたシャロン・カーターが立ち上がった瞬間、敵味方が銃を突きつけ合うシーンは、なかなかの迫力だ。

 このスパイ映画の雰囲気、誰が味方か敵かわからない緊張感で、ヘトヘトに疲れたけれど、友情や信頼関係について描かれていることが、観ている側の気持ちに希望を与えてくれた。
 ファルコンと築いた新たな友情。スティーブにとっては、今の時代を生き始めて感じた初めての、真の友情だ。ナターシャとの信頼関係も心強い。もちろんシールドの内部で信用できる人たちがどの人たちか、一部だけでも思い知ったことは大きかった。その中にはシャロン・カーターもいる。そして強く印象に残ったのは、やはりスティーブが、洗脳されたバッキーと戦うシーン。
 「You know me!」「No, I don’t!!」「You’re my friend!」「You’re my mission!!」と交わしながら、バッキーが殴り続けるところが泣けてきちゃう。この先を知っているのに、気が付いてと願ってしまう。そして、何度も何度も洗脳されるのに、何となく「この人に覚えがある」と感じているバッキーを、こちら側も感じる。彼は、瀕死のスティーブを水の底から救い出し、その場から立ち去る。
 「最後まで一緒だ」と、70年ほど前に交わした熱い友情の証である言葉を聞いた時に、きっと何かを感じた。と思いたい。
 そして、この後「アベンジャーズ/エイジオブウルトロン」「シビルウォー」につながる。

#映画 #感想 #キャプテンアメリカ #ウィンターソルジャー #友情

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。